Trademark Appeal Case
商標称呼の音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90432(T2004−90432/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4763518号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年5月20日に登録出願され、「フローリン」の片仮名文字と「不老林」の漢字を二段に書してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液」を指定商品として、同年16年4月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人が引用する次の(1)ないし(5)に示す登録商標と称呼を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と(1)ないし(5)の引用各商標の指定商品とは同一又は類似のものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
〈引用商標〉
(1)登録第2469196号商標は、「フラーリン」の文字よりなり、願書に記載の商品を指定商品として、平成1年12月5日登録出願、第1類「薬剤」を指定商品として、同4年10月30日に設定登録、その後、第5類「薬剤」に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである(以下「引用1商標」という。)。
(2)登録第3066286号商標は、「FLOREN」「フローレン」の文字を二段に書してなり、願書に記載の商品を指定商品として、平成4年12月10日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同7年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(以下「引用2商標」という。)。
(3)登録第3148614号商標は、「FLOLAN」の文字よりなり、願書に記載の商品を指定商品として、平成5年6月2日登録出願、第5類「薬剤」指定商品として、同8年4月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(以下「引用3商標」という。)。
(4)登録第463748号商標は、「FROMIN」「フローミン」の文字を二段に書してなり、願書に記載の商品を指定商品として、昭和29年7月3日に登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、同30年3月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(以下「引用4商標」という。)。
(5)登録第4199763号商標は、「Furozin」の文字を標準文字により書してなり、願書に記載の商品を指定商品として、平成9年6月10日に登録出願、第5類「薬剤,包帯」を指定商品として、同10年10月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(以下「引用5商標」という。)。
3 当審の判断
本件商標は、前記したとおり「フローリン」の片仮名文字と「不老林」の漢字を二段に書してなるところ、上段の「フローリン」の片仮名文字は、下段の「不老林」の漢字の読みを特定するものといえるから、本件商標よりは、「フローリン」の称呼を生ずるものである。
そして、該漢字部分は「いつまでも年をとらないこと」等の意味を有する熟語の「不老」と「樹木の群がり生えたところ、転じて同種の物事が多く集まっている状態」の意味を有する「林」の漢字からなり、全体として特定の意味合いを看取できるものでなく、構成文字全体をもって一種の造語を表したものと把握されるというのが相当である。
また、該「不老林」の漢字部分は、商標権者が永年に亘り商品「頭髪用化粧品」に使用し、「フローリン」の称呼をもって一般需要者に広く知られているものと認められる。
そうすると、本件商標は、「不老林」の漢字及びこれより生ずる「フローリン」の称呼をもって取引に資されるものといわなければならない。
一方、引用1商標ないし引用5商標は、それぞれの構成文字より「フラーリン」「フローレン」「フローラン」「フローミン」及び「フロウジン」の各称呼が生ずるものである。
そこで、先ず本件商標より生ずる「フローリン」の称呼と引用5商標「フロウジン」の称呼を比較するに、両称呼は、「フロー」と「フロウ」の音が近似するものの、他の「リン」と「ジン」は音質が異なるから十分に聴別し得るものと認められる。
次に、本件商標より生ずる「フローリン」の称呼と引用1商標より生ずる「フラーリン」、引用2商標より生ずる「フローレン」、引用3商標より生ずる「フローラン」及び引用4商標より生ずる「フローミン」の各称呼を比較するに、それぞれの称呼は共に第二音目に長音を伴う4音構成からなるものであり、「フローリン」と「フラーリン」とは、第2音目において「ロ」と「ラ」の音を異にし、「フローリン」と「フローレン」「フローラン」及び「フローミン」とは第3音目において「リ」と「レ」、「ラ」及び「ミ」の音を異にするものである。
そして、上記差異音「ロ」と「ラ」及び「リ」と「レ」及び「ラ」は、「ラ」行に属する近似音であり、「ラ」と「ミ」は、母音(i)を共通にするものであるから、これらの差異は、それぞれの称呼全体に及ぼす影響が少なく、それぞれ一連に称呼したときは彼此聞き誤るおそれがある商標といわざるを得ない。
しかしながら、本件商標は、前記のとおりこれを構成する「不老林」の漢字部分をもって認識され、取引に資されているものであって、「フローリン」の称呼より容易に「不老林」の漢字を想起するものといわなければならない。
そうとすると、本件商標と引用1商標ないし引用4商標は、称呼において類似するところがあるとしても、外観上の顕著な差異により十分に区別し得るものといわなければならない。
(4)以上に述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとすることはできない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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