Trademark Appeal Case
称呼・外観類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90309(T2004−90309/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4751170号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年9月12日登録出願、第16類「文房具類」を指定商品として、平成16年2月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(1)ないし(6)のとおりである。
(1)登録第2081504号商標は、「POST‐IT」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年10月15日登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年9月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第3200996号商標は、「ポスト・イット」の片仮名文字を横書きしてなり、平成5年6月3日登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同8年9月30日に設定登録されたものである。
(3)登録第3251867号商標は、「POST‐IT」の欧文字を横書きしてなり、平成5年12月10日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものである。
(4)登録第3338554号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成7年5月25日登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものである。
(5)登録第4206827号商標は、「ポスト・イット」の片仮名文字を横書きしてなり、平成9年6月27日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されたものである。
(6)登録第4505271号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成12年11月13日登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年9月7日に設定登録されたものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。 )。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と同一又は類似であって、その指定商品も同一又は類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人が製造販売する「接着剤付き付箋紙、メモ用紙」の名称として、米国及び我が国のみならず世界各国で広く知られている商標である。
接着剤付き付箋紙、メモ用紙「POST‐IT」は、世界的なヒット商品となり(甲第号8証)、日本においては1981年に住友スリーエム株式会社が販売を開始し、企業や一般家庭になくてはならない文房具としての地位を確立している(甲第8号証ないし甲第42号証)。
本件商標は、申立人の商品を表示するものとして著名な引用商標と類似するから、これがその指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が申立人の提供に係わるものであるかのように、あるいは申立人と何らかの経済的・組織的関連があるかのように認識され、商品の出所のについて混同を生じさせるおそれがある。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなるところ、三重線からなる欧文字「Re」と太字の「Post」欧文字が上下二段書されているとしても、上段の「Re」が下段の「Post」のやや低くなっている中央部に収まるように配され全体としてまとまりよく一体的に表されているのであり、これより生ずると認められる「リポスト」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、その構成中の「Post」 の文字部分のみ分離抽出して観察しなければならない格別の理由は見いだせない。
そうすると、本件商標は、「リポスト」の一連の称呼のみを生ずる特定の観念を有しない造語というのが相当である。
他方、引用商標は、「POST‐IT」、「ポスト・イット」若しくは「POST‐IT」の文字と図形の組み合わせよりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ポストイット」の称呼を生ずる特定の観念を有しない造語というのが相当である。
そして、本件商標から生ずる「リポスト」の称呼と引用商標から生ずる「ポストイット」の称呼とは、構成音数を異にし、明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上明確に区別し得る差異を有しており、かつ、両者は共に特定の観念を有しないから、観念上比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第8号証ないし甲第42号証によれば、商品「繰り返しはったりはがしたりできる付箋紙」の商標として、「ポスト・イット」、「ポストイット」及び「Post‐it」が使用されていることは認められるとしても、これらはいずれも一連一体に「ポスト・イット」、「ポストイット」及び「Post‐it」として用いられており、「ポスト」あるいは「Post」のみで使用されているものではない。
加えて「ポスト」、「Post」は、「地位、職」等を意味する外来語、又は英語としてよく知られているうえ、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、類似しない別異の商標でもある。
以上を総合すると、本件商標は、たとえ引用商標の一部分の綴り字をその構成中に含んでいるとしても、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人の使用に係る引用商標を連想、想起するようなことはなく、本件商標を使用した商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるあるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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