Trademark Appeal Case
図形商標の要部抽出と全体観察
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90564(T2004−90564/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件登録第4777804号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年12月9日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年6月11日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異義申立人の引用する登録商標及び防護標章は、次の(A)ないし(C)のとおりである。
(A)登録第506941号商標(以下、「引用商標A」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和30年4月22日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同32年8月27日に設定登録され、その後、同53年1月13日、同62年10月19日及び平成9年7月22日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(B)登録第483089号商標(以下、「引用商標B」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和30年4月22日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同31年6月19日に設定登録され、その後、同52年1月18日、同61年3月20日及び平成8年10月30日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(C)登録第490547号商標の防護標章登録第8号(以下、「引用防護標章」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として設定登録された登録第490547号商標の防護標章登録第8号として、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年12月27日に登録出願、同60年3月25日に設定登録され、その後、平成7年4月27日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。(以下、これら3件の登録商標及び防護標章を併せていうときは、「引用各商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、以下の理由により、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおりの図形部分と「E.T.CO.」の欧文字よりなるところ、その図形部分の要部は、「円弧と三稜星の組み合わせ」である。
引用商標A及び引用商標Bは、別掲(1)のとおり「円弧の中に三稜星の組み合わせ」の図形よりなるから、要部は、「円弧と三稜星の組み合わせ」である。
そうすると、本件商標と引用商標A及び引用商標Bは、図形の要部において外観上類似し、指定商品も同一または類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2) 商標法第4条第1項第15号について
引用防護標章は、別掲(2)のとおり「円弧の中に三稜星の組み合わせ」よりなるから、要部は、「円弧と三稜星の組み合わせ」である。したがって、本件商標と引用防護標章は、図形の要部において外観上類似する。
また、申立人は、引用各商標と同一の標章を自動車だけでなく、そのミニチュアモデルやおもちゃに付して使用し、その標章は、申立人の業務にかかるものとして取引者、需要者間に広く認識されている。
したがって、本件商標を付した商品が市場に出ると、申立人と何らかの関係を有する者の商品であると誤認、混同されるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その図形部分は、黒地の円の内側に白色の円を配し、その黒地内の中心部に白色の円と白色の複数の三角形を描き、さらに重ねるように中心に太めの三稜星を描いてなる特異な図形(以下、図形部分をいうときは、「本件図形」という。)といえるものである。そして、本件図形は、図形の各要素が全体として重なりおさまりの良いものであるから、看者に一体感を与えるといえるものである。
そうすると、本件商標は、本件図形の要素の一部である「円と三稜星との組み合わせ」部分のみを抽出して観察するのは不自然であって、これよりは本件図形と欧文字よりなるものというべきである。
これに対して、引用各商標は、別掲(2)のとおり、白色の極めて細めの三稜星を円の内側に接するようバランスよくすっきりと表したものであるから、これよりは表された図形全体を一つのものと捉えるというのが自然の見方といえるものである。
そうとすると、本件商標と引用各商標は、上記のとおり、両商標が表された図形全体をもって観察されることから、全体観察、要部観察及び離隔観察のいずれの観察方法をもってしても、外観において相紛れるおそれのない別異の商標といえるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標とは、前記(1)認定のとおり、別異の商標といえるものであるから、引用各商標が本件商標の登録出願前に申立人の業務にかかる商標として、その取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標を付した商品が、申立人と何らかの関係を有する者にかかる商品であるとその出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたということはできない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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