Trademark Appeal Case
著名商標との混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90376(T2003−90376/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4658091号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成14年6月18日登録出願され、第3類「せっけん類,薫料,つけずめ,つけまつ毛,歯磨き,靴クリーム,靴墨」を指定商品として、同15年4月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立て理由の要旨
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法4条1項8号、同11号、同15号及び同19号に違反してされたものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第54号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、商標法4条1項8号に該当する
本件商標は、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏の氏名の著名な略称を含む商標であり、その承諾を得ずに登録出願されたことは明らかであるから、本件商標は商標法4条1項8号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は、商標法4条1項11号に該当する
本件商標は、登録第2097520号及び登録第1285172号商標の登録商標と類似するものであり、かつ、指定商品においても同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法4条1項11号に違反して登録されたものである。
(3)本件商標は、商標法4条1項15号に該当する
本件商標は、著名商標「VALENTINO GARAVANI」、「VALENTINO」と類似するものであって、これを商標権者がその指定商品に使用した場合、その商品が恰も申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法4条1項15号に違反して登録されたものである。
(4)本件商標は、商標法4条1項19号に該当する。
本件商標は、著名商標「VALENTINO GARAVANI」、「VALENTINO」と類似するものであるから、申立人の商標の周知・著名性に乗じたフリーライドの商標であり、これを要するに不正の目的をもって使用するものというべきである。
3 本件商標に対する取消理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)提出に係る甲第7号証ないし甲第54号証(枝番含む)によれば、イタリアの服飾デザイナー、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)の略称である、「VALENTINO」、「Valentino」、「ヴァレンティノ」、「バレンチノ」等の表示は、婦人服、紳士服等のファッション関連商品について永年使用されてきた結果、本件商標の登録出願時(平成14年6月18日)には、取引者・需要者の間に広く認識されており、また、その著名性は、現在も継続していると認められるものである。
しかして、本件商標は別掲に示すとおりの構成よりなるところ、構成中の欧文字部分である「SILVIO VALENTINO」は15文字構成であり、これより生ずると認められる「シルビオヴァレンティノ」の称呼も9音であって、その文字及び称呼のいずれもが冗長な構成よりなるものというべきである。
さらに、本件商標中の「SILVIO VALENTINO」の欧文字部分は全体として特定の成語や氏姓を表すものとして、一般的によく知られているという事実を見出し得ないところである。
そして、「VALENTINO」、「Valentino」、「ヴァレンティノ」、「バレンチノ」等の文字よりなる商標は、イタリアの服飾デザイナー、「VALENTINO GARAVANI」のデザインに係る婦人服、紳士服のファッション関連商品について使用されて著名性を有すること前記したとおりであり、かつ、本件商標の指定商品も、人間の身体を清めたり、身体に付けたり或いは身体に付けるものをきれいにしたりする効果を有する商品であるから、これらの商品も広義のファッション関連商品と言い得るものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その欧文字を構成する後半の「VALENTINO」の文字のみを捉え、著名な「VALENTINO」の商標を連想、想起し、それがヴァレンティノ・ガラヴァーニ又は同人と何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
また、この混同を生ずるおそれは、本件商標の登録出願時から現在においても継続しているものと認められる。
したがって、本件商標は商標法4条1項15号に該当するものであるから、同法43条の3第2項によってその登録は取り消されるべきものである。
4 当審の判断
当合議体は、上記3の取消理由の通知について、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この理由をもって商標法43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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