sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30626(T2004−30626/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2706522号商標の指定商品中「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」については、その登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2706522号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和60年2月20日登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成7年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標は、その指定商品『洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子』について登録を取り消す。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中上記商品について、継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証の被請求人の現在事項全部証明書によれば、被請求人が履物製造等を主たる業務としていることは窺えるものの、これは、本件商標が請求に係る指定商品に使用されている事実を証するものではない。

(2)乙第2号証の2種類の特注セーターの写真について、被請求人は、乙第6号証の展示会において展示され販売されたものと主張するが、仮に本件商標が表されたと思しき織ネームが付されたセーターが実在していたとしても、本書証によって当該セーターが製造・展示・販売された事実が立証されているわけではない。

また、前記展示会は、「2004年春夏商品の展示会」と記載されているところ、これら2種類のセーターは、いずれも春夏物としては、厚手にすぎるのではないかと思われ、季節的には不自然であるし、「特注セーター1」として示された写真では、なぜか織ネーム付近を囲むように横長長方形状をした変色部分が認められる点にも疑問を感じる。

(3)乙第3号証は、国際見本市の案内としているが、最終頁の出展者リストに掲載された被請求人紹介欄(No.26)には、「展示品目」として「婦人靴」の表示が見られるのみである。

しかるに、例えば、同頁に掲載された会社(No.138/アン シンンメトリー)紹介欄においては、「展示品目」として「バッグ、小物、帽子、アクセサリー」の表示が見られることに照らせば、被請求人が帽子等を展示していなかったことは明白である。

なお、乙第5号証は、乙第3号証の1頁と2頁が縮小されて左右逆に配置されただけで、両者は実質的に同一の資料であると思われる。

(4)乙第4号証は、平成14年10月7日〜11日に、乙第6号証は、平成15年10月6日〜10日に、それぞれ開催された展示会の案内状であるとしているが、これらの展示会は、被請求人の社内において行われたものであり、こうした案内状については適宜被請求人等により作成できる程度のものであるから、客観的証拠力に乏しいものである。

また、前記展示会において、セーター等が展示販売されたという事実が立証されているわけでもない。

(5)乙第7号証は、本件商標の織りテープの写しであるとしている。確かに、そこに表示された図形及び文字は、本件商標と実質的に同一であることは認められるが、皮革等に刻印し切り抜いたと思しきものは「織りテープ」とはいい難いものであるし、先のセーターに付されていると主張されている織ネームとは異質のものである。むしろ、靴に表示されている商標部分を切り抜いたものではないかと思われるが、いずれにしても、請求に係る指定商品に使用されている事実を証するものではないことは明らかである。

(6)以上述べたとおり、乙第1号証ないし乙第7号証のいずれによっても、本件商標が、本件審判請求の日前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について、現実に使用された事実は明らかにされていないから、被請求人の主張には理由がない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証及び資料1ないし資料3を提出した。

1 被請求人は、設立当初は履物製造・履物及び履物資材の輸出入並びに販売を主業とし、将来の展開として鞄、ハンドバッグ、袋物等、あるいは婦人・紳士用品雑貨の製造及び輸出入並びに販売を企図としている(乙第1号証)。

被請求人は、国内婦人靴市場において、その高品質及び高機能が支持され、婦人靴の製造及び販売については確固たる基盤も構築されるに至っているが、更なる業容拡大を図るうえから、婦人靴の市場において支持された信用や信頼性を生かして、トータルファッションに関連する製品展開が不可欠となっている。

本件商標は、被請求人のかかるトータルファッション関連製品の先鞭となる商標であって、具体的製品としてセーターやポーチ、袋物、帽子あるいはクッションについて、昭和60年3月より東京都渋谷区内のアンテナショップにおいて、さらに昭和62年4月からは世田谷区成城のアンテナショップでテスト販売を開始してきている。

2 上記テスト販売より、乙第2号証に示すセーターに市場の注目が集まったことから、乙第3号証に示す第28回MOD’S展(開催日2004年4月19日〜21日)や、乙第4号証に示す2003 SPRING&SUMMER展示会(開催日 平成14年10月7日〜11日)、さらには、乙第5号証に示すGEOX展(開催日2004年4月19日〜21日)に、被請求人の主力製品たる婦人靴に付帯して展示もなされ、これらの経緯から本格的販売も可能と判断されるに至ったことから、乙第6号証に示す2004 SPRING&SUMMER展示会(開催日平成15年10月6日〜10日)には、乙第2号証のセーターも展示され、販売もなされている。

ちなみに、被請求人がその指定商品に付する商標(織りネーム)は、乙第7号証のとおりである。

3 上述のように、被請求人は、その本業とする婦人靴に加えてトータルファッションとして関連する製品の製造並びに販売を既に昭和60年以後進めてきている事実があり、さらには2004年〜2005年にかけての展示会にも多々展示出品もなされている。

婦人靴の業界においては、特定の展示会以外は、それぞれの製造メーカーで開催するシーズン毎に対応して開催される各メーカー開催の展示会で展示され販売がなされる特質があり、かつ、製品自体がシーズン性に伴ってその色調、柄、デザインがめまぐるしく変更されるものであることから、製品についてのパンフレットやカタログが作成され頒布されることもない。

4 審尋に対する回答

(1)乙第2号証の特注セーターは、「特注」の文字があるところからすれば、大量には製造されていないものと推測されるが、本件審判の請求の登録日(平成16年6月2日)前3年以内にどの程度製造され、販売されたものであるかについて、納品書・請求書・領収書等の取引書類など客観性を有する資料の提出を求めた審尋に対して、本件商標は、平成7年4月28日に登録されたものであり、その3年前である平成4年4月から同7年4月までの取引書類は存在しないが、平成5年と同6年分の納品記録があったので、納品書の写しとして、資料2及び資料3を提出する。

資料2は、平成5年9月20日、東京都世田谷区祖師谷2丁目5番地に所在の松澤文子に対し、特注セーター(サイズM、色相グリーン)を20,000円で販売した。

資料3は、平成6年10月8日、鳥取県米子市四日市町37番地に所在の判沢に対し、特注セーター(サイズL、色相赤)を21,000円で販売した。

(2)乙第3号証ないし乙第6号証(乙第5号証がジェオックスジャパン株式会社の取扱いに係る靴の展示会の案内状であれば、そのことを立証した上で)の展示会において、被請求人がセーターを展示、販売したことが客観的に認められる証拠の提出を求めた審尋に対して、使用に係るセーターは、被請求人の主たる業務である婦人靴の販売に付帯的に展示されたものであり、販売はされていない。したがって、そのカタログ類の作成はなく、立証すべき書証はない。

5 以上のとおり、本件商標に対して、商標法第50条第1項により登録を取り消すとした審判請求には理由がない。

第4 当審の判断

1 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、「その審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその取消に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない」ところである。

そこで、乙各号証について検討する。

(1)乙第1号証は、被請求人の現在事項全部証明書であるところ、「目的」欄には、「4.婦人・紳士用品雑貨の製造及び輸出入並びに販売」の記載が認められるものの、その記載により、被請求人が請求に係る指定商品中のいずれかの商品について製造、販売等をし、当該商品に本件商標を使用している事実を証明したことにはなり得ない。

(2)乙第2号証は、「特注セーター1」及び「特注セーター2」の商品写真と認められるところ、これらセーターの衿部に付された、被請求人が主張するところの「織りネーム」は、商標が不鮮明であり、本件商標ないしこれと社会通念上同一と認められる商標が使用されているか明確には把握することができない。また、「特注セーター1」に付された「織りネーム」は、前身ごろの衿部にまでかかっており、一般的な織りネームの付され方と比べ、きわめて不自然なものというべきである。

この点に関し、被請求人は、審尋に対する回答として、資料1を提出しているが、資料1は、乙第2号証の写真に比べ、商品全体の写りが一層不鮮明であり、資料1によっても、各セーターに付された登録商標は明確に把握することができない。

(3)乙第3号証は、「BUYER'S GUIDE/わが国最大規模、靴とファッション雑貨の国際見本市」の案内状と認められるところ、出展者リストの「(株)エースコーポレーション」欄には、「展示品目/婦人靴」との表示があるのみであり、これにより本件商標を付したセーターが展示、販売された事実を証明したことにはなり得ない。

また、「展示品目/婦人靴」の右に「ブランド」として「エース、ミライ、プリフィックス、コバ」の文字が記載されているが、これらのブランドは、この掲載内容からみれば、展示品目である婦人靴のブランドと理解されるものである。

(4)乙第4号証及び乙第6号証は、被請求人の取扱いに係る「2003年春夏商品」及び「2004年春夏商品」の展示会の案内状と認められるところ、その文面からは、いかなる商品の展示会であるか把握することができない。したがって、これらは、被請求人が請求に係る指定商品中のいずれかの商品について展示、販売をしていたという事実を証明する証拠とはなり得ない。

また、乙第6号証には、「PRIFIX」、「ACE」、「Mig−Ra−I」、「co−ba」が表示されているが、これらは、乙第3号証との関係からみて、靴のブランドと推認される。

(5)乙第5号証について、被請求人は、「GEOX展」であり、この展示会にも「セーター類」を展示した旨主張する。

しかし、乙第5号証は、乙第3号証(「BUYER'S GUIDE/わが国最大規模、靴とファッション雑貨の国際見本市」)の案内状の表紙の裏頁と同一のものと認められ、しかも、ジェオックスジャパン株式会社の取扱いに係る靴に関する、単なる広告と認められるものであり、被請求人の取扱いに係るセーターを展示、販売したと認めるに足る表示は見あたらない。

したがって、乙第5号証は、被請求人が請求に係る指定商品中のいずれかの商品について展示、販売をしていたという事実を証明する証拠とはなり得ない。

(6)乙第7号証は、横長楕円内に本件商標に酷似した商標が表示されているところ、これは、皮革等に焼き印を押し当てたように文字等が表されており、被服等に商標を表示するために一般的に使用される織りネームとはほど遠いものと認められる。

2 被請求人は、本件使用に係る商品であるセーターを、被請求人の主力製品たる婦人靴に付帯して展示し、販売した旨主張しているので、審判長は、審尋をもって、本件審判の請求の登録日(平成16年6月2日)前3年以内にその事実があったことを客観的に認めることができる証拠を提出するよう求めたところ、被請求人は、前記第3(被請求人の答弁)4(1)のように述べ、以下の資料2及び資料3を提出した。

(1)資料2は、伝票番号を「599302」とする「納品書(1)」であるところ、これには、「得意先名/松澤文子様」、「出荷日付/5年9月20日」、「納入者名/株式会社エースコーポレーション 東京都調布市下石原3−21−3 〒182−0034 電話0424−84−0151」、「商品コード・品名/特注セーター」、「C/グリーン」、「M」、「数量/1」、「単価/20000」、「金額/20000」、「合計/20000」、「消費税等/600」、「税込合計/20600」との記載がある。

(2)資料3は、伝票番号を「025951」とする「納品書(1)」であるところ、これには、「得意先名/判沢様」、「出荷日付/6年10月8日」、「納入者名/株式会社エースコーポレーション 東京都調布市下石原3−21−3 〒182−0034 電話0424−84−0151」、「商品コード・品名/特注セーター 赤」、「L」、「数量/1」、「単価/21000」、「金額/21000」、「合計/21000」、「消費税等/630」、「税込合計/21630」との記載がある。

(3)上記(1)及び(2)で認定した事実及び前記第3(被請求人の答弁)4(1)の主張によれば、資料2及び資料3の納品書(写し)は、前者が平成5年9月20日のもので、後者が平成6年10月8日のものと認められ、これは、本件審判の請求の登録前3年以内のものとは認められない。仮に被請求人が「本件審判の請求の登録前3年以内」を「本件商標の設定登録前3年以内」と誤ったものと解したとしても、各納品書の納入者名である「株式会社エースコーポレーション」の郵便番号は、「182−0034」と7桁で表示されており、郵便番号が3桁から7桁の変更されたのは、平成10年2月であることからすると、これら納品書に記載されたそれぞれの日付は、きわめて疑わしいものといわざるを得ない。

3 以上のとおりであるから、乙第1号証ないし乙第7号証及び資料1ないし資料3を総合してみれば、被請求人が本件請求に係る指定商品中の「セーター」について、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を使用したと認めることは困難であるというべきである。

したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわなければならないから、本件商標の登録は、その指定商品中「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」について、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。