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Trademark Appeal Case

国際信義と商標権取得

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−7379(T2003−7379/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第29類「レトルトパックに収容された麻婆豆腐」を指定商品として、平成13年10月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『陳麻』の文字に『婆』の文字と認められる文字とを一連に『陳麻婆』と書してなるところ、『麻婆豆腐』は中国四川省の陳という名の女性が生み出したとされ、当時は『陳麻婆』と呼ばれてたものであるとされいる。新聞記事によれば、中国では、四川省成都市の飲食店が『陳麻婆』を商標登録し、その登録商標により『麻婆豆腐』の名称を各飲食店において使用することが侵害にあたると判断され、また、調味料メーカーの製品が一時的に差し押さえられるなど大きな問題となっている。このような事情を判断すると『陳麻婆』の文字を出願人が自己の商標として採択使用することは、国際信義に反することであり、穏当でないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、審判請求人(出願人、以下「請求人」という。)の主張及び資料によれば、以下の事実を推認することができる。

(1)中国において、「陳麻婆」の文字からなる商標の商標権者は、中国四川省成都市飲食公司(以下「飲食公司」という。)であり、該商標を付した商品の製造元が、中国四川省成都市醸造公司(以下「醸造公司」という。)で、販売元が飲食公司であること。そして、飲食公司と醸造公司は、「陳麻婆」に係る製品に関する契約を締結し、上記「陳麻婆」の商標を実質上占有している状態にあること。

(2)契約書(資料1−1及び1−2)によれば、2000年6月26日付けで醸造公司と請求人との間で、陳麻婆調味料シリーズ製品の日本国における販売と「陳麻婆」の商標使用に関する契約があること。

(3)輸入食品等試験成績証明書(資料3)は、平成11年8月18日付けで、財団法人日本冷凍食品検査協会が請求人の依頼に対し、醸造公司から輸入した商品「麻婆豆腐」についての証明書であること。

(4)認証文書(資料7−1及び7−2)によれば、醸造公司は、民営化し、成都市大王醸造食品有限公司(以下「大王醸造食品有限公司」という。)に改組し、その後も引き続き、請求人は、前記有限公司から「陳麻婆」の文字を要部とする商標「陳麻婆豆腐」を付した商品「中華合わせ調味料」(資料8)を輸入していること。

以上のことから、請求人と中国で「陳麻婆」の商標を実質上占有しているものと推認し得る飲食公司と大王醸造食品有限公司のうち大王醸造食品有限公司とは、前述の事情を考慮すれば、極めて密接な関係を有していることが認められるから、請求人が本願商標の商標権を取得する行為は、国際信義に反するとまで言い得ない。

してみれば、請求人が本願商標を、自己の商標として採択使用することは国際信義に反するとして、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当するものとした原査定は、妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見できない。

よって、結論のとおり審決する。

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