Trademark Appeal Case
官職名商標の公序良俗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−12035(T2003−12035/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「建設大臣」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年6月3日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定商品及び指定役務については、平成15年4月1日付けの手続補正書により、第9類「財務会計処理用コンピュータソフトウェア(記録されたもの),その他の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路,磁気ディスク,磁気テープその他の周辺機器を含む。),財務会計処理用電子計算機用プログラムを記憶させたCD−ROMその他の記憶媒体,財務会計処理用電子式卓上計算機,財務会計処理用ワードプロセッサ」及び第42類「電子計算機の用途に応じて的確に操作するためには高度の専門知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の財務会計プログラムの設計・作成又は保守」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『建設大臣』の文字を書してなるところ、その構成中の『建設』の語は『建物を新たにつくりあげること』を、また、『大臣』の語は『国務大臣または各省大臣の称』をそれぞれ意味し、さらに、国土計画、都市整備、住宅、治水、水利、公共施設整備などを任務とする国土交通省が存在することから、これらの事実からみて、本願商標は全体として、国土計画、都市整備、住宅、治水、水利、公共施設整備など建設に関連する任務の国務大臣の意味を看取させるものと認める。そうすると、本願商標は、国土計画、都市整備、住宅、治水、水利、公共施設整備など建設に関連する任務の国務大臣と関わりがあるかのように一般需要者を誤信させるおそれがあり、これを登録することは社会公共の利益に反するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「建設大臣」の文字を書してなるものであるところ、該文字は「内閣各省大臣の一。建設省の長。」(広辞苑 第五版 株式会社岩波書店発行)を意味する語であり、建設省は「1948年に建設院から昇格。国土計画・都市計画・下水道・河川運河・砂防水防・道路・住宅などに関する中央行政機関。」(広辞苑 第五版 株式会社岩波書店発行)として設置されたものである。平成13年1月6日施行の中央省庁等改革基本法により、建設省は、北海道開発庁、国土庁及び運輸省とともに統合され、新たに国土交通省が誕生したが、この中央省庁等の再編成に至る50年以上もの間、前記建設省の行政事務は建設大臣が管理していたところである。
そして、この事実は、前述の中央省庁等の再編成から3年余り経た現在においてもなお国民一般の記憶に新しいものというを相当とする。
してみれば、「建設大臣」の文字よりなる本願商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、前記事情からして、中央省庁等の再編成前に設置されていた建設省の長としてその行政事務を管理していた建設大臣と関わりがあったかの如く、又は建設に関する行政事務を管理する大臣の名称の如く、需要者、取引者を誤信させるおそれが少なからずあるというべきであるから、かかるものを商標として採択、使用することは、国家行政への信頼を損ねるおそれがあり、社会公共の利益に反するものといわざるを得ない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、それらの事例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、それら事例をもって現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、また、本件については前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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