結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−31044(T2004−31044/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2352572号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり構成よりなり、第31類「チーズ」を指定商品として、昭和63年10月24日登録出願、平成3年11月29日に設定登録されたものである。そして、その指定商品については、第29類「チーズ」とする書換の登録が同14年10月9日にされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、使用された事実はないから、その登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。
(1)使用に係る商標について
本件商標は、文字及び図形からなるもので、黒い逆三角形の中の欧文字「Maison de Fromage」及び「VALENCAY」の「LENC」の部分は白抜きで書かれているところから、文字・図形の一体性は強く、欧文字又は片仮名文字のみの使用は登録商標の使用とは認められない。
(2)販売事実として提出された乙第1号証の1ないし3(レシート)は、購入者に発行される領収書ではなく社内的なもので、食料品の項目も本件商標を付したチーズであるかどうか不明である。
(3)乙第2号証によれば、チーズショップでもありレストランでもある店舗を「VALENCAY」(「C」にはs字音符号が付されている。)(ヴァランセ)の屋号のもと設立し、チーズについては、専門商社チェスコから200余種を取り揃えているとのことであるが、このことから本件商標がヴァランセ・チーズに付され販売されているとはいえない。すなわち、商標を屋号として使用していればそこで販売されている全ての商品について使用しているとするのは拡大解釈であり不当な判断と考える。
(4)乙第3号証は、依頼主の「メゾン・ドゥ フロマージュ・ヴァランセ」がさいたま市にある柴又運輸(株)大宮配送センターにある被請求人の倉庫に宅急便で「チーズ」を搬送したことを証明するもので、本件商標の使用証明とは何ら関わりがなく、商品の流れの説明であれば不充分である。
(5)請求人は、上記チェスコ株式会社が高島屋日本橋店のチーズ売り場「ブリア・サヴァラン」で販売している「VALANCAY」のチーズを購入したが(甲第3及び4号証)、その商品のラベルには「Maison de Fromage」の記載はなく、乙第1及び2号証にみられる「Maison de Fromage」も手書きの判読ができないほどの小さな文字で、店の看板にもこれが付されているか送付されたものがコピーのため不明であり、又同店舗は2002年の雪印食品事件以後閉鎖されたとのことである。
(6)以上により、被請求人が本件商標を「チーズ」に使用しているとする主張は認められないものと考える。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、乙第1号証の1ないし乙第3号証に示すとおり、本件審判の請求の登録前3年以内に被請求人により、商品「チーズ」に継続使用されてきたことは明らかである。
(1)食料品(チーズ)の販売実績のレシート(乙第1号証の1ないし3)
2003年1月10日、2003年1月14日及び2003年1月15日のレシートには、いずれも「食料品」として、それぞれ「¥9,380」、「¥880」、「¥2,560」と記載されている。なお、レシートには「食料品」との表記であるが、レシートの出所を示す店舗のリーフレット(乙第2号証)には、チーズショップである旨の記載がある。
(2)輸送業者の倉庫への搬送伝票(乙第3号証)
2003年1月28日付けの搬送伝票には、「依頼主 メゾン・ドウ フロマージュ・ヴァランセ」、「品名 チーズ」の記載がある。
乙第1号証及び乙第2号証においては、「Maison du Fromage」と「VALENCAY」(「C」にはs字音符号が付されている。)とを二段書きにした表示が用いられている。
また、乙第3号証においては、該欧文字を片仮名表示した「メゾン・ドゥ」と「フロマージュ・ヴァランセ」とを二段書きにした表示が用いられている。
本件商標と上記各号証に表示された商標とは、三角形の有無という外観上の差異はあるが、該図形はありふれた三角形であり、本件商標の要部ではなく、本件商標の要部である欧文字表記においては実質同一であり、また、その称呼を片仮名表記したものも、社会通念上同一の範囲内にとどまる程度の変更、すなわち、識別性に影響を与えない程度の表示態様の変更であり、両者の称呼、観念は共通にするものであることをもってしても、両商標は社会通念上同一の商標と判断されるべきでものである。
被請求人は、使用に係る商標が本件商標と社会通念上同一の商標である旨主張し、その理由として、本件商標中の図形部分はありふれた三角形であり、本件商標の要部である欧文字表記においては実質同一である。また、欧文字の称呼を片仮名表記したものも、社会通念上同一の範囲内にとどまる程度の変更であると述べるので、使用に係る商標が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについて以下検討する。
本件商標は、別掲(1)のとおり、右辺の内側に白抜き線を有する黒塗り逆三角形(以下「本件三角図形」という。)を配し、本件三角図形内に「Maison du Fromage」の文字を白抜きで小さく横書きし、その下に「VALENCAY」の文字を横書きしてなるものであって、該「VALENCAY」の文字中、該三角形の内に書された「LENC」は白抜きで、また、本件三角図形の外側に書された「VA」及び「AY」は黒字で書されているものである。
そして、本件商標は、本件三角図形と文字とが外観上まとまりよく一体的に表されているばかりでなく、本件商標の文字部分は、その指定商品である「チーズ」との関係からすれば、「VALENCAY」の文字部分が山羊の乳から作ったピラミッド型の軟質チーズを表したと理解されるものであり、また、小さく書された「Maison du Fromage」の文字部分は、「チーズの家(店)」なる意味合いをもって商品の販売場所を表したと理解されるものであるから、自他商品の識別機能が弱いとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、その構成中の文字部分はそれ自体独立して強い自他商品の識別力を有するものとはいえず、上記のように、その構成全体が一体不可分性の外観を有していることを併せ考えると、構成全体をもって自他商品の識別標識としての機能を発揮するものというべきである。
(1)乙第2号証は、店舗名を「VALENCAY」(「C」にはs字音符号が付されている。)、「ヴァランセ」とする「Cheese Shop & Restaurant」のリーフレットと認められ、これに表示された商標(以下「使用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであって、上段に引かれた凸状の線及びその下に描かれた抽象的な図形、三段に書された「Maison du Fromage」、「VALENCAY」、「ヴァランセ」の各文字は、外観上一体的に表されているばかりでなく、その構成中の「Maison du Fromage」、「VALENCAY」、「ヴァランセ」の各文字は、本件商標と同様の理由により、商品「チーズ」に使用された場合は、自他商品の識別機能が弱いものであるから、構成全体をもって一体不可分の商標として理解されるとみるのが相当である。
(2)乙第1号証の1ないし3は、2003年1月10日、2003年1月14日及び2003年1月15日のレシートと認められるところ、これらに表示された商標(以下「使用商標2」という。)は、使用商標1中の「ヴァランセ」の片仮名文字部分が欠けているものであるが、外観上の不可分一体性、及び文字部分の自他商品の識別力の弱いことは、使用商標1と同様であり、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるとみるのが相当である。
なお、乙第3号証は、平成15年1月28日付け配送伝票と認められるところ、「お届け先」欄には、「さいたま市吉野町1−47−5 柴又運ユ(株)大宮配送センター 雪印乳業(株)入庫係様」と、また、「ご依頼主」欄には、「東京都渋谷区神宮前6−5−6 メゾン・ドゥ フロマージュ・ヴァランセ様」と記載され、さらに、「品名/チーズ」との記載が認められるが、上記「メゾン・ドゥ フロマージュ・ヴァランセ様」なる表示は、商品「チーズ」の配送を依頼した者を表すにすぎず、これをもって、商品「チーズ」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されたとすることはできない。
本件商標と使用商標1及び2は、前記1及び2で認定したとおり、いずれも構成全体をもって一つの商標を表したものと理解されるものである。
そうすると、使用商標1及び2は、本件商標中、顕著に表された本件三角図形を有していないという点において大きな差異を有するばかりでなく、本件商標中にない凸状の線及びその下に描かれた抽象的な図形を有してなるものであり、さらに、使用商標1には、「ヴァランセ」の片仮名文字をも有してなるものであるから、本件商標とは外観上著しく異なるものといわなければならない。
したがって、使用商標1及び2は、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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