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Trademark Appeal Case

チタンキャンバスの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−24131(T2002−24131/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「チタンキャンバス」の文字と「TITANCANVAS」の文字を上下二段に書してなり、第24類「合成樹脂被覆防水布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布」を指定商品として、平成14年2月1日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、その構成文字中の「チタン」「TITAN」は、金属元素の一つであり、ほとんど全ての金属と合金をつくり、広い用途をもつものであって、近年来、各種業界においても、「チタン」あるいは「チタン合金」を応用した商品も多く開発されていることから、材質を表示した部分として看取され、これに「粗布」「帆布」等の意において使用されている「キャンバス」「CANVAS」の文字を結合したものであるから、これをその指定商品中、例えば「チタン(チタン合金)を複合材料として用いた合成樹脂被覆製防水布」に使用しても、その商品の品質(材質)、原材料を表わしたものとして認識させるにとどまり、自他商品を区別する機能を有する標識としては認識し得ないものと認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「チタンキャンバス」の文字と「TITANCANVAS」の文字よりなるところ、その構成中「チタン」「TITAN」の文字は、「金属元素」(広辞苑 岩波書店)の一つを表し、「キャンバス」「CANVAS」の文字は、「粗く織った麻。帆布。キャンバス」(広辞苑 岩波書店、服飾辞典 文化出版社)を意味する語として、繊維業界において普通に使用されている。

このことは、例えば、以下の新聞記事情報からも窺い知ることが出来る。

(1)2004.12.06 繊研新聞 8面

「春夏の婦人服 大人っぽいエスニック フェミニンとミックス 刺繍、ビーズ... ディテールに凝る」との見出しの下、

「・・・オフホワイトやクリーム、イエロー、モカブラウンなどのナチュラルな色、素材では綿ボイルやキャンバスのほか、麻を増やしている。洗いをかけたデニムや綿・麻のコンパクトジャケットに、蝶や鳥などのモチーフをパックワークしたフレアスカート、ビーズなどを手作業で付けたドレスなどを合わせる。」との記載

(2)2004.8.6 繊研新聞 7面

「活発化するナノテク素材開発 形態安定、撥水など高機能「ナノテックス」続々導入 独自の加工シリーズ投入も ファイバー開発が焦点 合繊メーカー ナノ微細孔ナイロン登場」との見出しの下、

「・・・毛紡績では東亜紡織が04年秋冬向けからウール100%で開始し、05年春夏向けではウール混紡に広げていく計画。生産は日本、中国の両建てで行う。スーパー100やウール・コンパクト糸「コンパクトファイン」「シーランド・ウール」を使い、スーツ、ジャケット、パンツ用途に差別化を図る。日本毛織は「とくにナノと名付けていないが、ナノ技術は数年前から活用」として、撥水・撥油、保湿、消臭などのほか、原子レベルのチタン皮膜を形成したウール複合素材を販売している。・・・」との記載

(3)2004.6.15 繊研新聞 7面

「【テキスタイル】 梅雨どきスペシャル便利素材が続々」の見出しの下、「・・・ダイワボウは「快適無臭生活」を04年春夏向けから発売した。これは既存の吸水・速乾加工「ミスター乾太郎」と、光触媒による抗菌防臭加工「ソレッシュ」を組み合わせたもの。吸水・速乾性とは、綿繊維に疎水性を付与し、外層に親水成分を処理。抗菌防臭は酸化チタンによる光触媒効果で消臭、空気清浄、抗ウイルス、防汚機能を発揮する。今春夏物では婦人・紳士パジャマが先行しており、今後は肌着などの実用衣料、寝装関連にも広げていく。ノン・ホルマリンの防縮加工「マーシィフォーム」なども複合する。

・・・

三菱レイヨンは抗菌防臭・制菌アセテート繊維「パステクリーン」を販売している。吸湿性に優れ、さらっとさわやかなアセテート繊維に、菌が異常繁殖すると悪臭の元にもなるため抗菌剤を練り込んだ。スポーツウエアで先行しているが、シーツや寝具などに広がっている。紫外線対策にあの手この手酸化チタン練り込む白服人気でヒット梅雨時期に対策しなければいけないのがUV(紫外線)カット。

・・・

東レは・・・UVカットの仕組みは、生地への後加工にもあるが、合繊糸なら無色透明の原料に可視光線や紫外線を吸収する酸化チタンを練り込む。・・・」との記載

(4)2004.8.31 繊研新聞 4面

「ナノミラクル」シリーズ化 日本毛織 吸湿発熱、スキンケア加工も」との見出しの下、

「スーパーセルボニックは30ナノメートル以下の薄膜を羊毛繊維に形成し、通気性、風合いを損なうことなく、高い撥水撥油性を持つ。アロインシルクは伊ランベルティのシルクプロテインをナノレベルで覆い、シルクの肌触りと保湿性を出す。チタンツインは鈴寅との協業によりプラズマ状態で原子レベルのチタン粒子を付着させ、チタンの遮熱性とウールの保温性を備えた快適素材。セルフエチケットはナノ・サイズの酸化チタンによる光触媒で、抗菌消臭効果がある。・・・」

(5)2004.6.15 繊研新聞 7面

「【テキスタイル・ちょこっとおさらい】 美容・健康衣料に応用 Q UVカット繊維」との見出しの下、

「・・・紫外線遮蔽繊維は、紫外線を吸収または反射して透過を抑制する合繊を指す。芯鞘(さや)構造で、芯部に酸化チタンを高濃度に含有させるなどした繊維。・・・」との記載

(6)2004.4.15 繊研新聞 4面

「毛糸に光触媒加工 トーア紡」との見出しの下、

「・・・紳士服などで、たばこのにおいや汚れ対策で光触媒加工のウールテキスタイルが注目されている。整理段階で加工するのが一般的だが、トーア紡は糸にする前段階で酸化チタンを繊維表面に付着させた。コストは高くなるがメリットは大きい。・・・」との記載

(7)2004.2.16 繊研新聞 9面

「天然染料使い充実 三陽商会「ソレイユスポーツ」夏物 ハイビスカスなど」との見出しの下、

「三陽商会の・・・染色原料は、植物ではハイビスカスやパイナップル、カーネーションやアジサイ、カモミールなどで、柄にもそれらの花を使う。鉱石はチタンや水晶、マラカイト(くじゃく石)など。・・・」

(8)2004.3.4 繊研新聞 4面

「合繊複合糸増やす オーミケンシ「サンダイヤ」消費者向け販促も」との見出しの下、

「オーミケンシはレーヨンに酸化チタンを練り込んだ光触媒繊維「サンダイヤ」と天然・合成繊維との複合糸種を増やす。主力品はレーヨン・綿混紡糸であるが、麻、毛混紡、さらにアクリル、ポリエステルなど合繊混紡も加える。・・・」との記載

(9)2003.12.24 繊研新聞 4面

「クラレ テント生地「エクサランス」販売 光触媒で防汚性」との見出しの下、

「クラレは光触媒で防汚性能を上げた装飾用テント生地「エクサランス」を来年1月から販売する。販売計画は初年度1億円。エクサランスは生地表面に酸化チタン層をコーティングし、光触媒反応によって汚れ(有機物)を二酸化炭素と水に分解し、その光触媒反応による親水性効果で分解された汚れを落ちやすくしたテント生地。・・・」との記載

(10)2003.11.26 繊研新聞 7面

「【アパレルパーツ・ミニニュース】 光触媒酸化チタン加工織りネーム 増惣」との見出しの下、

「織りネームの増惣は03〜04年秋冬物から「光触媒酸化チタン加工織りネーム」を発売する。光触媒酸化チタン加工のもたらす効果がある抗菌・消臭・防汚機能を織りネームに生かしたもの。ポリエステル素材に同溶剤を後加工でコーティングしたマスクメロン型の光触媒。仕上がりもソフトで風合いを損なうことはない。襟ネーム、襟テープ、ワッペンなどで子供服や婦人ブラウス、トレーナーの首回りのほか、ファスナーの引き手、ポケット部分への使用を提案していく。」との記載

以上の事実を総合すると、金属元素の一つである「チタン」「TITAN」を利用(含有)した合成繊維(糸)が商品化され、該合成繊維が衣料品はもとより繊維製品等に普通に使用されている事実が認められる。

また、本願構成中の「キャンバス」「CANVAS」の文字は、布地(粗く織った麻。帆布。キャンバス)を表すものとして普通に使用されているものである。

しかして、本願商標は、これらの語を普通に用いられる方法で「チタンキャンバス」「TITANCANVAS」とそれぞれ連綴してなるにすぎないものであるから、これを本願指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品が単にチタン(TITAN)を利用(含有)したキャンバス地(布)からなる商品(合成樹脂被覆防水布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布)であることを認識するに止まり、その商品の品質を表したものと把握し理解するにすぎないものであり、また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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