Trademark Appeal Case
風味表現の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−12757(T2002−12757/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「セイバーアップ」の片仮名文字を上段に、「SAVOR UP」の欧文字を下段に書してなり、願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成13年1月10日に登録出願され、その後、指定商品については、同13年11月9日付け提出の手続補正書により、第9類「食用油脂」と補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、本願商標は「セイバーアップ」「SAVOR UP」の各文字を書してなるところ、これを不可分のものとして把握すべき熟語的結び付きを見いだせないばかりでなく、近時、本願指定商品と関係の深い食品業界にあって、商品の品質の多様化の一として、素材の豊かな風味を活かすことを特徴とする商品の製品化が図られていること、また、その構成中の「セイバー」「SAVOR」の文字部分が、「風味」等の意味を有する語であること等を併せ勘案すれば、全体として「風味を増す、換言すれば、風味が豊かである」旨を端的に表してなると看取されるものであるから、これを本願指定商品に使用するときは、前記意味合いの商品であることを表し、単に商品の品質を表示するにすぎず、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記の構成よりなるところ、その構成中の「セイバー」「SAVOR」の文字部分が、「風味」等の意味を有し、また、「アップ」「UP」の文字部分が、「増す」を意味する語であることからすれば、本願商標を構成する「セイバーアップ」「SAVOR UP」の文字全体からは、それぞれの持つ意味より「風味を増す」、あるいは「風味が豊かである」程度の意味合いを理解し得るものである。
請求人は、「『食用油脂』が『風味を増す、あるいは風味を豊かにする』ために用いられることはなく、そのような品質を有するものではないことから、本願商標が指定商品『食用油脂』の具体的な品質を表示すると理解されるおそれはない」旨主張しているが、「食用油脂」のうち、例えば「ごま油」が料理の風味を増すために使用されている事実は、以下のインターネットのサイト上で確認し得るものである。
(1)インターネット情報
(ア)「H&B聞きかじり欲張り情報」の表題の下
名古屋市北区清水2−15−8に所在の、レスペ株式会社(www.respe.co.jp/mrs_h/mrsh6.html )の記事中に、・・・ のっているお宅が多いと思いますが、手の届くところに無ければ無いで済むこともあるんです。 他にはお味噌汁のお味噌を控えめにするかわりに「だし」を濃くする。炒めものの油をごま油にして風味を増す。温かいもの・・・との記載があること。
(イ)グリーンノート インフォメーションの表題の下
兵庫県明石市魚住町住吉2丁目6−27に所在の、株式会社グリーンノート(gnote.co.jp/news/2004/687/)の記事中に、・・・上級番茶)を合組(ブレンド)することにより、価格を抑えた緑茶にしました。風味を増す為に ... 菜種油 ラード 食塩 いりこ 鯖節 うるめ節 酵母エキス 香辛料 小麦グルテン酵素分解物 魚醤 チキンエキス ごま油 オニオンエキス)・・・との記載があること。
(2)近年、安全でおいしい食へのこだわりは強く、「有機栽培」「無農薬」「減農薬」などの表示をスーパーや青果店で見かけることも少なくない。野菜以外でも例えば、米は完全無農薬・有機栽培米を直接農家から購入し、食用油でも100パーセント国産のなたね油の使用など、素材の豊かな風味を活かすことを特徴とする、こだわり商品の市場は拡大の一途を辿っている実情にある。
(3)上記の事情よりすれば、「セイバーアップ」「SAVOR UP」の文字よりなる本願商標からは、「風味を増す」あるいは「風味が豊かである」のごとき、意味合いを容易に理解し得るものであり、これをその指定商品「食用油脂」に使用しても、これに接する取引者・需用者は上記の事情よりして、該商品が「風味を増す食用油」、あるいは「風味を豊かにする食用油」、すなわち商品の品質を表示したものと理解するにとどまるとみるのが相当である。
(4)請求人は、甲第1号証乃至甲第28号証を提出し、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たし得る旨主張しているが、請求人により提出された書証によっては、本願商標は、全体として一連一体の造語であって、十分に自他商品の識別標識として機能し得るものと認めることはできないものである。また、請求人は過去の登録例をあげ本願商標は登録されるべき旨主張しているが、先例はそれぞれにおいて具体的・個別的に判断されているものであって、これを採用することはできないものである。
(5)結 論
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する
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