結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−31075(T2004−31075/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4115039号商標(以下「本件商標」という。)は、「雑用社」の文字を横書きしてなり、平成6年12月5日登録出願、第42類「産業廃棄物の収集及び処分」を指定役務として、同10年2月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、商標法第50条の規定により、取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、刑事事件による身柄拘束によって事実上使用ができなかったこととして、不使用につき商標法第50条第2項ただし書き「正当な理由」があると主張する。
しかしながら、同条の「正当な理由」とは、地震、水害等の不可抗力、放火、破壊等の第三者の故意又は過失による事由、法令による禁止等の公権力の発動に係わる事由等の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰すことができない事由が発生したために使用をすることができなかった場合をいうものとされる(東京高等裁判所判決平成8年11月26日判例時報1593号97頁)。
被請求人が有罪判決を受けた刑事事件において身柄拘束を受けていたことは被請求人の責めに帰すものである(この点、被請求人は「公権力による不当逮捕」を主張しているが、その具体的経緯の主張や立証は全くなされていないので、かかる事実自体が存在しないとするのが合理的である。)。また、身柄拘束自体は、本件商標の不使用を直ちに不可能とするものでもない。
したがって,被請求人の不使用につき「正当な理由」に基づくものではないことは明らかである以上、被請求人の主張には理由がない。
被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を、平成10年秋口ころから、その指定役務について使用する予定であったが、刑事事件に巻き込まれ、いわゆる不当逮捕により、平成10年12月28日ころから警察に身柄を拘束された。被請求人は、無罪を主張したが、該主張は受け入れられなかったために、拘束されながら、平成11年4月28日に黒羽刑務所に入所させられ、同14年4月26日に同刑務所から出所した(乙第1号証)。被請求人は、現在、公権力による不当逮捕に対して、損害賠償請求事件を提訴している。
上記のような事情から、本件商標を指定役務について事実上使用することができなかった。
(2)よって、指定役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを主張する(商標法第50条第2項ただし書)。
(1)使用の事実について
商標法第50条第1項による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項に規定により、被請求人において、その請求に係る指定役務について当該商標を使用していることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定役務に係る商標登録の取消しを免れないところである。
しかるところ、被請求人は、前記3のとおり述べるのみであって、本件商標をその指定役務のいずれかについて使用していた事実を何ら主張立証するところがなく、本件商標を使用していないことについて正当な理由がある旨主張する。
そこで、被請求人が主張する前記3の理由が商標法第50条第2項ただし書きでいう「正当な理由」に該当するものであるか否かについて検討する。
(2)不使用についての正当な理由の存否について
商標法第50条第2項ただし書きでいう「正当な理由」に該当するものであるといえるためには、地震、水害等の不可抗力、放火、破壊等の第三者の故意又は過失による事由、法令による禁止等の公権力の発動に係わる事由等の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰すことができない事由が発生したために使用をすることができなかった場合をいうものと解される(東京高等裁判所平成8年11月26日判決(平成7年(行ケ)124号)、同平成9年10月16日判決(平成9年(行ケ)53号))ところ、被請求人は、刑事事件により、平成10年12月28日ころから警察に身柄を拘束され、同11年4月28日から同14年4月26日まで黒羽刑務所に入所させられ、本件商標を指定役務について事実上使用することができなかったものであるから、不使用について正当な理由がある旨主張する。
しかしながら、被請求人が平成11年4月28日から同14年4月26日までの間、黒羽刑務所に入所させられていた事実があり、その期間に商標権者自らが本件商標を使用することができなかったとしても、我が国の商標法は、使用許諾制度を認めているものであるから、真に本件商標をその指定役務について使用する意思があるならば、本件商標につき使用許諾をすることができたのみならず、被請求人が黒羽刑務所から出所した平成14年4月26日から本件審判の請求の登録日である平成16年9月8日までは、約2年5ヶ月もの期間があり、本件商標を請求に係る指定役務について使用するに十分な期間であるといえるにもかかわらず、被請求人は、その間に本件商標を請求に係る指定役務について使用していなかったものであり、不使用について、正当な理由があることを何ら主張立証していないものである。
そうすると、本件商標を請求に係る指定役務に使用しないことについて、商標権者等の責めに帰することができないやむを得ない事情があり、不使用を理由に本件商標の登録を取り消すことが社会通念上酷であるとまで認めることはできない。
したがって、本件商標を請求に係る指定役務に使用していないことについて、商標法第50条第2項但し書きにいう「正当な理由」があるということはできない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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