Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−10514(T2002−10514/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた記憶媒体,ダウンロード可能な電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,レコード,電気通信機械器具,家庭用テレビゲーム機」を指定商品として、平成13年4月23日(パリ条約による優先権主張2000年10月24日アメリカ合衆国)に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、二つの量の間の大小関係を示すために用いる記号である不等号記号「>」を表わしてなるものであり、この表示方法のみからなる本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
請求人は、原査定に対して、本願商標は記号「>」を表してなるものであるが、「識別力を欠く商標」に該当するものではない旨主張し、その理由を要旨次のように述べているものである。
(1)出願人は、本願商標と同一の商標について既に米国(出願番号:76/153278)、カナダ(出願番号:1109730)へ商標登録出願を行うとともに、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)に対し共同体商標出願(出願番号:002316644)を行っており、この共同体商標出願に対し2002年5月6日に登録査定がされ、同年12月18日に登録されたとし、当該登録に係る登録証明書を提出した。
(2)現在、当該商標を出願人のwebサイト(アドレス:www.abinitio.com)において大々的に使用している。
そして、出願人は、最近、日本国内の顧客に対しても商品を提供し、取引を行っている。国内需要者が出願人の商品を知るきっかけは、上記webサイト以外にはない。そして、当該webサイトにおける全てのページにおいて、本願商標が表示されている。即ち、需要者が出願人の製品をwebサイト上で検討するにおいて、本願商標を常に目の当たりにすることとなる。従って、該webサイト上で出願人の製品を検討し、尚且つ、当該製品を購入した国内需要者が現実に存在している以上、本願商標には上記国内需要者による業務上の信用が化体していることは、疑う余地もない。
(3)そもそも「不等号」というのは、2つの数値又は物の間に置かれて両者の大小関係を示すものである。従って、本願商標の如く単独で「>」なる商標を商品について、商標としての識別力を発揮する態様で使用する場合にはもはや不等号には該当せず、独立して識別力を備えた図形商標となる。
(4)本願商標登録出願は、その指定商品を「電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体」等としている。これらの商品の需要者は、一般的に高度な注意力を備えている。通常、これらの商品には「>」のような商標は付されておらず、このような商標が付された商品は、需要者の注意を引くこととなる。この点が本願商標の顕著な特徴であるため、有効に保護すべき必要性の高い理由である。
4 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「>」(不等号記号)と称される標章を表示してなるものであるところ、この標章は、その構成から明らかなように、右の一点から左に向かって均等に広がった二本の線からなるにすぎない極めて簡単な標章である。
そして、該「>」(不等号記号)は、「二つの数・式などの間にはさんで、これら二つの間の大小関係を表す記号。記号は <、または >」「大辞林(第二版 三省堂)」を意味するものとして広く知られているものである。
してみれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべきである。
請求人は、OHIMにおける登録例を挙げて、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ではない旨主張するが、特に、ある標章がありふれているか否かは、世間一般に存在する情報量との関係で相対的に決まるものでもあり、現在、「<」「>」の不等号記号は、数学、数式等で使用されるところ、該記号に関する情報は、インターネットによれば、大量に採択、使用されていることは顕著な事実である。
してみれば、登録例のみをもってありふれていないとの証左にはなり得ず、かつ諸外国の登録例や審査例は参考資料の一つに過ぎないものであり、これに拘束されるものでないことも明らかである。
つぎに、請求人は、出願人のwebサイトにおいて当該商標を大々的に使用し、国内需要者が現実に存在している旨主張しているが、これをもって該商標が商品の識別標識としての機能を有するものとは、直ちにいえないばかりでなく、本願商標が、その指定商品に使用された結果、取引者、需要者間に広く知られるに至ったものと認めるには不十分である。
さらに、本願商標の如く単独で「>」なる商標は、不等号記号には該当せず、独立して識別力を備えた図形商標となるか否かについては、前記のとおり「大辞林(第二版 三省堂)」によれば、不等号記号とは「<」、または「>」の記号で表すものであるところ、本願商標は、別掲のとおりの標章「>」のみからなるものであり、不等号記号を表したと認識させるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ず、独立して自他商品の識別機能を有するものとはいえない。
また、該商標が「電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体」等に直に付されていないとしても、例えば、インターネットでホームページを公開するには、HTML(ホームページ作成のためのハイパーテキスト文章の書式フォーマット)を使って作成する必要があり、その際、不等号記号「<」及び「>」はタグを書き込むための記号として普通に使用されている実情がある。
さらに、例えば、端末機のキーボードの主要キーにも、記号として組み込まれ、「<」は、左アングルブラケット、左アングルかっこ、しょうなりなどとして使われ、「>」は、右アングルブラケット、右アングルかっこ、だいなりなどとして使用される不可欠の主要な記号でもある。
そうとすれば、「電子計算機及び電子計算機用プログラム」等を扱う分野においても普通に採択使用されているものであるから、極めて簡単で、ありふれているというべきである。
してみれば、請求人の主張はいずれも採用することができない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第5号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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