Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−15964(T2003−15964/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「大森野田岩」の文字を標準文字で書してなり、第43類「うなぎ料理の提供,その他の飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定役務として、平成14年11月25日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3182509号商標(以下「引用商標A」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願、第42類「うなぎ料理の提供」を指定役務として、平成8年7月31日に設定登録されたものである。
同じく、登録第3310976号商標(以下「引用商標B」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年1月27日に登録出願、第42類「うなぎ料理の提供」を指定役務として、平成9年5月23日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「大森野田岩」の文字よりなるところ、前半の「大森」の文字と後半の「野田岩」の文字とは、外観上一体的に構成されているとはいえ、その構成文字全体をもって特定の意味合いを有する一連の語句として一般に親しまれているとみるべき格別の事情は見いだせない。
そして、構成前半の「大森」の文字部分は、東京都大田区の一部の旧区名であり、現在もその地域を表す地理的名称として、また、同後半の「野田岩」の文字部分は特定の語義を有するとは認められない造語として、それぞれ容易に認識される語であるところ、地理的名称は一般に自己の取扱いにかかる役務の提供の場所(地域)を表すものとして随時採択使用されているものであるから、その地名自体自他役務の識別力が無いか又は極めて弱いものというのが相当である。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「大森」の文字部分を単に役務の提供の場所(地域)を表したものと認識して、それに続く「野田岩」の文字に自他役務の識別標識としての機能を見いだし、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないと認められる。
そうとすると、本願商標からは、その構成文字の全体に相応した「オオモリノダイワ」の一連の称呼を生ずるほか、「野田岩」の文字部分に相応して「ノダイワ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
これに対して、引用商標Aは、別掲(1)のとおり、上段に「天然うなぎ」の文字を書し、下段に「五代目」の文字をやや小さく、続いて多少の空間を介して大きく「野田岩」の文字を書してなるところ、これらの文字は、その文字の大きさを著しく異にし視覚的に分離されて看取されるものである。
しかして、構成中の「天然うなぎ」の文字部分は、「人為の加わらない自然のままの状態のうなぎ」ほどの意味合いを表す語句であって、その指定役務との関係においては、提供される料理の内容、材料、すなわち役務の質等を表す語と認められる。
また、「五代目」の文字部分は、「代」の文字が「家又は位を継いでその地位にいる間」を意味を有することから、初代から五番目の代に当たることを表す語と理解されるところ、古くからの伝統を擁する老舗にあっては、創業以来正当に受け継がれている者である旨を看者に強く印象づけるために、しばしば「〜代目」の語が使用されている実情が存することを考慮すれば、自他役務の識別標識としての機能はそれほど大きくないものと認められる。
そして、引用商標A全体を称呼する場合には、「テンネンウナギゴダイメノダイワ」とかなり冗長なものとなり、かつその構成中の「天然うなぎ」及び「五代目」の文字部分が前記したとおり、自他役務の識別力が無いか又は極めて弱いものと認められるから、簡易迅速性を重んじる取引の実際にあっては、取引者、需要者は、「野田岩」の文字部分に自他役務の識別標識としての機能を見いだし、該文字部分から生ずる「ノダイワ」の称呼をもって取引に資することも少なくないというのが相当である。
次に、引用商標Bは、別掲(2)のとおり、中央に「野田岩」の文字を縦書きし、その右上方にやや小さな文字で縦書きした「かね本」の文字を配してなるところ、これらの文字はその文字の大きさを著しく異にし、外観上一体的に構成されているとはいい難く、また、その構成文字全体をもって特定の意味合いを有する一連の語句として一般に親しまれているとみるべき格別の事情は見いだせないことから、各語は視覚的に分離されて看取されるものであり、「かね本」及び「野田岩」の両文字部分がそれぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る場合もあるものと認められる。
そして、「野田岩」の文字は、構成全体からみればその占める割合は大きく、しかも看者の注意を惹き易い中央部に書されていることも相俟って、これに接する取引者、需要者は、「野田岩」の文字部分により強く自他役務の識別標識としての機能を見いだし、該「野田岩」の文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、引用商標Bは、その構成文字全体に相応して「カネモトノダイワ」の称呼が生ずるほか、「野田岩」の文字に相応して、単に「ノダイワ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標と引用各商標とは、「ノダイワ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一の役務を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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