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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−31295(T2003−31295/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3161956号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月8日登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与」を指定役務として、同8年5月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標は、その指定役務中『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』についてこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

請求人の調査するところによるも、本件商標は継続して3年以上日本国内において商標権者により「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用されている事実は発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もない。

よって、請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第22号証(枝番を含む。以下、枝番の全てを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)を提出した。

(1)被請求人においては、平成15年8月4日の被請求人取締役会決議に基づき、「T・ZONE」の商標の使用について、平成15年8月5日付で以下の使用計画が、被請求人の商標管理責任者三上典彦により策定され、定められた(乙第13号証)。

これによって、被請求人はグループ内において、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する事業を主として株式会社ストラテジィ(以下「ストラテジィ社」という。)に担当させることにし、ホームページ受託作成業務についてはあわせて株式会社T・ZONE DIY(以下「T・ZONE DIY社」という。)にも担当させ、被請求人が所有する商標権に基づきストラテジィ社及びT・ZONE DIY社に通常使用権の許諾を与え本件商標を本件指定役務の電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する業務に使用させている。

(2)この使用計画は次のように実行された。

ストラテジィ社が行うプログラム開発の取引は通常、先ず顧客からのプログラム開発の引き合いを得るために見積書を兼ねた提案書を作成する。次に、この提案書を顧客に頒布する。顧客はこの提案書を検討した後、取引に入るか否かの結論を出し、気に入ったとき、ストラテジィ社に注文を出す。ストラテジィ社は発注があると、契約書又は注文請書を作成して契約を締結する。契約が締結された後、プログラム開発が開始される。

ストラテジィ社は平成15年9月8日に「新システム構築のご提案」と題した提案書(乙第14号証)を作成し、その提案書に「T・ZONE」の文字よりなる使用商標1、及びやや左に傾いた青色正4角形枠内の黄色地正4角形内の上段部に青色の大きく「T」の文字を大きく配し、その下段に該「T」の文字の幅とほぼ同様の幅の「T・ZONE」の文字を配してなる使用商標2(以下、一括するときは、単に「使用商標」という。)を表示して使用した。

この提案書は、乙第14号証の5「ご提案の範囲」記載の機能実現の為の、基幹勘定システムの構築の提案であって、乙第14号証の10「ハードウェア・パッケージ費用」及び乙第14号証の11の「保守・運用費用(月額)には「ソフトウェア(開発アプリケーション)」との記載があること、乙第14号証の12「開発スケジュール」には「プログラム製造」の記載があることからしても、同提案書がプログラム開発(設計・作成)の役務の為に作成・提出されたものであることは明らかである。

乙第14号証には別紙目録記載の使用商標が使用されている。

(3)ホームページ受託作成取引は通常、T・ZONE DIY社が、先ず取引先の顧客からホームページの企画・作成・保守の引き合いを得るために提案書を作成する。次に、この提案書を顧客に頒布する。顧客はこの提案書を検討した後、取引に入るか否かの結論を出し、気に入ったとき、T・ZONE DIY社に注文を出す。T・ZONE DIY社は発注を受けると、注文書を受け取った時、注文請書を戻して契約を締結する。その後、双方でホームページの企画・作成・保守が開始される。

T・ZONE DIY社は平成15年9月26日に「ホームページ作成の提案」と題した提案書(乙第17号証)を作成し、その提案書に使用商標を記載して使用した。

本件の「ホームページ作成」はHTMLのプログラム言語を使用してインターネットのウェブ(WWW)上に情報を表示するために使用されるプログラム言語であり、ホームページはHTMLのプログラム言語を基本として用いて作成する。したがって、ホームページ作成は電子計算機プログラムの設計、作成に該当する。

平成15年9月30日にT・ZONE DIY社は取引先の株式会社ジャスティス債権回収(以下「ジャスティス債権回収社」という。)に「ホームページ作成」の役務の見積書を送付した。この見積書には「ホームページ作成」の項目と使用商標が記載されている(乙第20号証)。

この見積書に従って平成15年10月1日にT・ZONE DIY社はジャスティス債権回収社から「ホームページ作成」について提案書の提示条件に沿った注文を受けた(乙第21号証)。

これに対して、同日、T・ZONE DIY社はジャスティス債権回収社に請け書を送付して、契約を締結した(乙第22号証)。

上記した各事実より明らかなとおり、ストラテジィ社及びT・ZONE DIY社は被請求人が所有する商標権に従い、被請求人から通常使用権の許諾を受けて、本件指定役務の「電子計算機プログラムの設計、作成、又は保守」の業務に本件使用商標を使用しているものである。

(4)使用商標と本件商標(乙第2号証)とは、社会通念上同一のものである。すなわち、本件商標は、「T」と「ZONE」を横一列に配して横書きし、その間に「・」を入れてなるローマ字と記号で構成された「T・ZONE」の文字商標である。使用商標1も本件商標と同様な構成態様の「T」と「ZONE」を横一列に配して横書きし、その間に「・」を入れてなるローマ字と記号で構成された「T・ZONE」の文字商標である。よって、両者は、称呼、外観、観念のいずれにおいても一致している。使用商標2も本件商標と社会通念上同一のものである。

(5)前記した事実から、本件商標が通常使用権者と認められる者によって、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する業務」について使用していたものである。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る役務について、取り消すことができない。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙第17号証及び乙第20号証ないし乙第22号証を総合すれば、被請求人の通常使用権者と認められる者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を役務「ホームページの作成」について使用していたと認め得るところである。

そして、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。

してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人の通常使用権者と認められる者によって、本件審判の請求に係る指定役務に含まれる「ホームページの作成」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、その指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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