Trademark Appeal Case
品質誇称と記号の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−17889(T2002−17889/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ULTRA WX」の文字を標準文字により書してなり、第7類「金属加工機械器具,切削工具,超硬工具,ダイヤモンド工具」を指定商品として、平成13年9月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
これに対し、原査定は、「本願商標は、『超、並外れた』等の意味を有する英語で、商品の品質を誇称するものとして各種商品にしばしば用いられている『ULTRA』の文字に、商品の品番、規格等を表示する記号、符号として一般に採択使用されているローマ文字2字の『WX』の文字を付して『ULTRA WX』と書してなるにすぎないから、これを本願の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「ULTRA WX」の文字よりなるところ、構成中前半の「ULTRA」と後半の「WX」の文字間に一文字分の間隔があり、視覚上二つに分離して看取されるものである。
そして、「ULTRA」の文字部分は、その発音である「ウルトラ」の文字とともに「超、過度、極端などの意」(広辞苑第5版)の語として、一般に親しまれ、馴染まれている平易な英語であり、また、後半の欧文字「WX」の文字部分は、日常一般的に用いられるアルファベットを単に2字連ねたものと看取する以外に何ら特定の事物・意味合い等を想起し得るものではないから、本願商標は、これらの文字(語)を組み合わせてなるものと容易に認識し、把握されるものといえ、しかも、これらを結合した「ULTRA WX」の文字が特定の意味合いを有するものとも認められないものである。 しかして、一般の商取引上、各種商品の製造・販売又はこれを取り扱う当業者において、それぞれ自己の業務に係る商品を生産・管理し又は流通過程に置く場合、商品管理又は取引の便宜性等の事情から、アルファベットの1文字ないし2文字を当該特定の商品の品番、型式又は規格等を表示するための記号、符号表示として、普通に採択・使用しているのが実情であって、本願指定商品とする各種の機械器具類を取り扱う業界においても例外ではなく、インターネットにおいても、例えば金属加工機械を取り扱う企業において、金属加工機械に「PC1100」、「MC45」、「CL65」(http://showaseiko.co.jp/product/)等の文字が使用されている。
また、「ULTRA(ウルトラ)」は、上記の意味合いの英語であるが、商品等の品質、機能等が優れていることを強調する誇称表示として、取引上、普通に使用されているとみるのが取引の経験則に照らし相当である。
このことは、本願指定商品を取り扱う業界においても例外ではなく、例えば、切削工具を取り扱う企業のホームページにおいては、高硬度鋼に適応するエンドミルについて、「ウルトラ2枚刃Aカットエンドミル」(http://www.asahikougu.co.jp/shouhin/)の表示がある。
以上によれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記各事情よりして、当該商品の機能特性と記号・符号を表したものと理解するに止まり、何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができないものというべきである。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、複数の登録例をあげ、本願も登録すべきである旨主張しているが、登録例中、登録第3258523号、同第3094544号、及び同第4253079号商標は、商標法第3条第2項の適用を受け登録となったものであり、また、それ以外の各登録例も本願商標とその具体的構成を異にするものであって、本願商標については、上記認定のとおりであるから、この主張は採用することが出来ない。
また、請求人は、本願商標と同様の構成の標章が他国において登録されているから、本願商標も登録されるべきである旨主張している。しかしながら、本願商標は、我が国商標法のもとで、その登録の可否が判断されるのであって、諸外国における登録例をもって本願商標に関する自他商品識別性の判断結果に影響を与えるとはいえないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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