結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−30916(T2004−30916/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第477049号商標(以下「本件商標」という。)は、「マクス」の片仮名文字を横書きしてなり、第18類「理化学、医術、測定、写真、教育用の器械器具、眼鏡及び算数器の類並にその各部」を指定商品として、昭和30年1月17日に登録出願、同31年2月20日に設定登録されたものであるが、その指定商品中の「理化学機械器具」についての登録は、昭和63年4月11日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同年8月24日にされている。また、その余の指定商品についての登録は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「測定機械器具及びその類似商品」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用された事実がない。
よって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中上記商品についての登録を取消されるべきものである。
(1)被請求人は、使用に係る商標「マックス」(以下「使用商標1」という。)及び同「MAX」(以下「使用商標2」という。)は、本件商標と類似関係にあるので、本件商標の使用に当たる旨主張する。
しかし、使用商標1及び2の使用は、本件商標の使用には当たらないものである。
商標法第50条第1項括弧書きには、取消審判における社会通念上同一と認められる登録商標について、「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」であると明文化している。
したがって、称呼が類似する商標を使用していても、登録商標の使用として認めないということである。
また、特許庁偏「工業所有権法逐条解説[第16版]」(社団法人発明協会発行、発行日2001年8月20日)の商標法第50条の「趣旨」には、「登録商標に類似する商標の使用をしても本項の適用(取消の適用)を免れることはできない。」と明記されている。
被請求人は、本件商標の称呼は「マクス」であり、使用商標1及び2の称呼は「マックス」である(類似である)と主張するが、これは、使用に係る商標が本件商標とは同一称呼ではないと自ら認めていることになる。
(2)以上のことから、被請求人は、登録商標の使用事実を立証していないことは明らかである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証の1ないし乙第6号証を提出した。
(1)被請求人は、「マックス レーザ墨出器・レーザ距離計」を販売している(カタログ:乙第1号証の1ないし6)。本製品は、請求に係る指定商品の「測定器械器具及びその類似品」に該当するものである。
乙第1号証の6の右下に、記号「K7332AN T0401」と記載されているが、この記号中の「T0401」は、印刷月を表しており、「04」が2004年、「01」が1月を表しているものである。したがって、このカタログは、2004年1月に印刷されたものであり、販売活動に使用されたものである。
また、乙第1号証の1の上部左側に、「マックス レーザ墨出器・レーザ距離計」と記載され、「マックス」(使用商標1)を使用しているものである。また、乙第1号証の1には、「レーザ墨出器・レーザ距離計」の各機種の写真が掲載されており、「レーザ墨出器・レーザ距離計」本体前面や側面に社標である「MAX」(使用商標2)を使用している。
(2)「Good Desingn Award」のインターネットのホームページ(乙第2号証の1ないし4)には、2000年から2003年までの受賞対象名やブランドが掲載されており、乙第1号証の商品が掲載されている。そして、乙第1号証の商品が受賞していることや、また、それらの販売・実施開始時期も掲載されているものであり、3年以内に日本で販売されていたことがわかる。
(3)乙第3号証は、乙第2号証の3及び4に示した商品の2003年度受賞証書である。
(1)使用商標1について
本件商標と使用商標1との相違は、第2音目に当たる促音「ッ」の有無のみのである。両者は、共に3音と短いことから、また促音「ッ」が先頭の「マ」の母音に吸収されて聞こえにくくなってしまうことから、促音「ッ」の有無の差は、称呼する上で微細なものとなり、そのため、本件商標と使用商標1は、類似する称呼の商標であるものと思料する。
(2)使用商標2について
使用商標2は、詳述するまでもなく、本件商標と称呼上類似するものである。さらに、本件商標と使用商標2が類似することの証拠として、本件商標の登録原簿(乙第4号証)を提示する。乙第4号証の1及び2の「連合商標登録番号記録部」欄には、商標登録第504319号(乙第5号証)及び第629272号(乙第6号証)が記載された後、二重線で削除されているが、これは、本件商標と連合関係にあったもので、いずれも、乙第1号証の1から乙第3号証で使用している使用商標2と同一であり、指定商品についても同一のものである。
(3)以上から、本件商標と使用商標1及び2は、同一あるいは類似する商標である。
(1)乙第1号証(枝番を含む。)は、「2003年12月現在」の商標権者(被請求人)の取扱い商品のカタログと認められるところ、表紙(乙第1号証の1)には、その最上段に「マックス レーザ墨出器・レーザ距離計MAX/総合カタログ」と表示され、中段から下段にかけて、「マックス レーザ墨出器/LA−301」、「マックス レーザ墨出器/LA−401」、「マックス レーザ墨出器/LA−201」、「マックス レーザ墨出器/LA−101」及び「マックス レーザ距離計/LSー401」との表示とともに、それぞれの商品の写真が掲載され、各商品の本体には、いずれも「MAX」との表示がある。
また、乙第1号証の2ないし4及び6は、表紙(乙第1号証の1)に掲載された上記(1)の商品の詳細な説明と認められるところ、これらの「商品仕様」の「商品名」欄には、いずれも「マックス・・」との記載がある。
(2)乙第2号証の1ないし4及び乙第3号証は、「Good Design Award」のホームページ及び「Good Design Award」の受賞書(写し)と認められるところ、上記ホームページにおける「マックス」の文字の検索結果10件のうちに、「受賞対象名/レーザ墨出器」、「ブランドなど/マックスレーザ墨出器LA−201」、「企業名/マックス株式会社」の記載があり、その詳細情報として「マックスレーザ墨出器LA−201」に関する説明があり、受賞書には、「レーザ墨出器/マックスレーザ墨出器LA−201」との記載がある。
(3)乙第4号証の1及び2は、本件商標の登録原簿であり、乙第5号証及び乙第6号証は、「MAX」の文字よりなる商標の公報である(いずれも写し)ところ、本件商標の登録原簿によれば、その「連合商標登録番号記録部」には、乙第5号証及び乙第6号証に示した「MAX」商標の登録番号の記載があった(平成8年商標法の一部改正(平成8年法律第68号)により、連合商標制度が廃止されたため抹消されている。)。
3(1)前記2で認定した事実によれば、被請求人の取扱いに係る商品「レーザ墨出器」及び「レーザ距離計」に使用される商標は、商品本体に付された「MAX」の表示(使用商標2)とそれ以外の、すなわちカタログにおける商品紹介や商品仕様等において、又はインターネット上における商品の紹介等において使用される「マックス」の片仮名文字(使用商標1)であり、提出に係る乙第1号証の1ないし乙第3号証を見る限りにおいて、該「マックス」の片仮名文字が主として使用されているものと認めることができる。
(2)そこで、使用商標1及び2が本件商標と社会通念上同一の商標といえるか否かについてみるに、本件商標は、「マクス」の文字を書してなるものであるから、これより「マクス」の称呼を生ずるものである。
これに対して、使用商標1は、「マックス」の文字よりなるものであるから、これより「マックス」の称呼を生ずるものである。
また、上記(1)で認定したように、商品本体には使用商標2が使用されているものの、乙第1号証の1ないし乙第3号証における主たる商標の使用が使用商標1であることからすれば、使用商標2「MAX」から生ずる称呼は「マックス」とみるのが自然である。
そうすると、本件商標より生ずる「マクス」の称呼と使用商標1及び2より生ずる「マックス」の称呼は、「マ」の音に促音を有するか否かの差異があり、同一の称呼ということはできない。
また、本件商標を構成する「マクス」の文字からは、直ちに特定の観念が想起されるものとは認め難いといえるのに対し、使用商標1及び2を構成する「マックス」及び「MAX」からは、男の名等の観念を生ずるものと認められる。
してみれば、本件商標と使用商標1及び2は、同一の観念が生ずるものではない。
したがって、本件商標と使用商標1及び2は、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標ということはできないから、社会通念上同一の商標と認めることはできない。
使用商標1及び2は、本件商標と称呼上類似する商標であり、このことは、使用商標2がかつて本件商標と連合商標の関係にあった登録商標と同一の構成よりなるものであることからも明らかである。したがって、使用商標1及び2は、本件商標と同一あるいは類似する商標である旨主張する。
しかしながら、使用商標1及び2が本件商標と同一の称呼及び観念を生ずるものでないことは、前記認定のとおりであるから、使用商標1及び2は、商標法第50条第1項括弧書きでいう「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」ということはできない。
のみならず、前記のとおり、平成8年商標法の一部改正により、連合商標制度が廃止され、これに伴い不使用取消審判における連合商標の使用の特則(当該取消に係る登録商標と相互に連合となっている他の登録商標を使用していれば、当該取消に係る登録商標はその登録を取り消されない。)も廃止されたところであるから、本件商標と連合商標の関係にあった登録商標と同一の構成態様からなる商標の使用をもって、本件商標の使用と認めることはできない。
なお、連合商標についての使用の特則の廃止に伴う経過措置である「平成12年3月31日までに請求された新商標法第50条第1項の審判については、旧商標法第50条第2項の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。」(改正附則第10条第2項)との規定に照らし、本件審判が上記経過措置の対象となるものでないことはいうまでもない。
したがって、上記に関する被請求人の主張は採用することができない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「測定機械器具及びその類似商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
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