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結論

敗訴(請求棄却)

商標「モイストベールポリマー」の品質・原材料表示の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判異議2003−90827(T2003−90827/J7))

審判番号
異議2003−90827(T2003−90827/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「モイストベールポリマー」
争点(論点)
品質・原材料表示の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第3類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2003−90827(T2003−90827/J7)・異議)は、本件商標「モイストベールポリマー」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質・原材料表示の識別力」です。指定商品・役務は第3類に属します。特許庁は「登録第4714873号商標の指定商品中「化粧品」についての商標登録を取り消す」と判断しました(登録維持)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4714873号商標の指定商品中「化粧品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4714873号商標(以下「本件商標」という。)は、「モイストベールポリマー」の文字を横書きしてなり、平成15年2月7日に登録出願され、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、平成15年10月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出している。

本件商標「モイストベールポリマー」は、「湿気のある」の意味を有する「モイスト」、「覆う」の意味を有する「ベール」及び「重合体」の意味を有する「ポリマー」からなるものである。

しかるに、本件商標と指定商品との関連を鑑みるに、「モイスト」の語は、「保湿効果のある商品」の効能、品質を表す語として広く使用され、認識されているものであり、「ベール」の語も、ファンデーションやコンシーラー等をはじめとした、「しみ等を覆い隠すことを目的とした商品」を表す語として使用され、認識されているものである。

さらに、「モイスト」の語と「ベール」の語を結合してなる「モイストベール」の語は、「モイストベールファンデーション」等の使用例にも見られるように、「保湿効果のある肌等を覆い保護する商品」の意味合いを持って本件指定商品の用途、品質を表わす語として使用され、認識されているものである。

また、「ポリマー」の語は、「高分子化合物」の意味を有し、本件指定商品の原材料を表わす語として認識されているものである。

すなわち、「モイスト」、「ベール」及び「ポリマー」の語を結合してなる本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、「ポリマーを配合した保湿効果のある肌等を覆い保護する商品」を直感させ、その商品の品質を表す標章にすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

また、本件商標を、「ポリマーを配合した保湿効果のある肌等を覆い保護する商品」以外の商品に使用するときは、あたかもその商品が「ポリマーを配合した保湿効果のある肌等を覆い保護する商品」であるかの如く直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由の要旨

当審において、平成16年9月17日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。

申立人が提出した甲第1号証によれば、口紅、ハンドクリーム、ファンデーションについてモイストベール又はモイストヴェールという語が使用されている事実が認められる。そして、モイストベール(モイストヴェール)は、化粧品業界において「保湿効果のある肌等を覆い保護するもの」というほどの意味を表す化粧品の品質表示として普通に使用されているものということができる。

また、甲第8号証によれば、「ポリマー」という語は、化粧品について、その原材料表示として普通に使用されている事実が認められる。

そして、本件商標は、「モイストベール」と「ポリマー」とを結合した「モイストベールポリマー」の文字よりなるものであるから、これを化粧品に使用した場合、その化粧品が「保湿効果のある肌等を覆い保護するものでポリマーを原材料に使用するもの」であるとの意味合いを表した文字表記として取引者、需要者に理解され、自他商品の識別機能がないものといわざるを得ない。

そうすると、本件商標は、上記の化粧品について、その商品の品質及び原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、また、そのような品質を有さず、ポリマーを原材料に用いない化粧品に使用するときは、その品質について誤認を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

5 当審の判断

本件商標は、上記3で述べたとおり、その指定商品中「化粧品」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

また、その余の登録に係る指定商品については、前記各法条に該当するものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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