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Trademark Appeal Case

称呼の語頭音の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90578(T2004−90578/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4779178号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4779178号商標(以下「本件商標」という。)は、「ISL」と「アイエスエル」の文字を二段に併記してなり、平成15年5月1日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけずめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつげ用接着剤,歯磨き」及び第5類「浴剤,薬剤」を指定商品として、平成16年6月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第676435号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和38年2月7日に登録出願され、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として昭和40年5月22日に設定登録されたものである。同じく登録第1372121号商標は、別掲(2)のとおり構成よりなり、昭和49年8月26日に登録出願され、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として昭和54年2月22日に設定登録されたものである。同じく登録第4712448号商標は、「YSL」の文字を書してなり、平成14年12月25日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成15年9月26日に設定登録されたものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由

(1)本件商標は「アイエスエル」の称呼が生じ、引用商標は「ワイエスエル」の称呼が生ずるから称呼上類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。

(2)引用商標は、申立人の業務に係る商品に使用し取引者、需要者間において広く認識されているものであるから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用されたときは、その商品が申立人又はその関連会社の業務に係る商品であるかのごとく出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その指定商品中第3類「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」について、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおり構成よりなるところ、下段の片仮名部分「アイエスエル」は、上段の欧文字部分「ISL」の読みを表したものと無理なく理解されるものであるから、本件商標は、「アイエスエル」の称呼を生ずるとみるのが相当である。

他方、引用商標は、それぞれ「YSL」又は「ワイ・エス・エル」の構成文字に相応して、「ワイエスエル」の称呼を生ずるものといえる。

そこで、本願商標及び引用商標より生ずる両称呼を比較すると、その異なるところは称呼の識別上最も重要な要素を占める語頭の「ア」と「ワ」の音にその違いを有するものである。

そして、その異なる「ア」の音は、口を広く開いて発する母音であるのに対し、「ワ」の音は、声帯を半開きにして出す有声摩擦子音〔w〕と母音〔a〕との結合した音節からなるものであって、口にこもる如き音というように、その音質において顕著な差異があるから、当該音の差異が全体の称呼に及ぼす影響は決して小さくないというべきものであり、また、両称呼は、共に成語を形成するものとはいえない欧文字3文字又はその字音より生ずる称呼であって、発音に際しては一気一連というよりも一文字一文字を区切って明確に発音されるものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その差異を明瞭に聴別できるものであり、両商標は称呼上彼此相紛れるおそれのない非類似の商標であると判断するのが相当である。

さらに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、両商標は、特定の意味合いを生じない造語と判断されものであるから、観念上比較することはできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)そして、引用商標は、申立人が商品「化粧品」等に使用して需要者の間に広く認識されていると認められるとしても、前記(1)のとおり、本件商標と引用商標は類似しない別異の商標であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が、引用商標を直ちに連想・想起するようなことはなく、申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。

よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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