Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90407(T2004−90407/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4765630号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年8月6日登録出願、「おからポップ」の文字を横書きしてなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年4月16日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第16号に該当し、その登録は取り消されるべきであるとして以下のように理由を述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号
申立人の引用する登録第614615号商標(以下「引用商標」という)は、「POP」の欧文字を横書きしてなり、昭和36年3月16日登録出願
、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和38年5月28日に設定登録され、その後、平成16年8月25日に第30類「和菓子,ビスケット」ほか商標登録原簿記載のとおりの商品に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
引用商標「POP」は、商品発売当時から現在まで約40年に亘り、商品「キャンデー」(子供向け棒付きキャンデー)に使用し、「ポップキャンデー」と愛称されて国内では知らない人がいない著名商標である。
他方、本件商標「おからポップ」の「おから」は、豆腐を製造する際に作られる「おから」であり、商品「菓子及びパン」の原料を示すものである。
そして、近年、健康への関心が一大ブームとなり、豆腐類や海草類が健康に良いという理由で、菓子の原料にしばしば利用されるようになっており、おからを原料とした「おからクッキー」や「おからサブレ」、「おからドーナツ」等が多数存在する。
そうすると、「おから」の文字部分は商品の品質表示とみるのが妥当であるから、「ポップ」の文字部分が要部であり、引用商標「POP」とは「ポップ」の称呼を同一にする類似商標であって、指定商品も互いに抵触するため、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号
本件商標「おからポップ」の「おから」は、甲各号証から明らかなように品質表示であるにも拘わらず、その指定商品を「菓子及びパン」とし、「おからを原材料とする商品」に限定していないから、該商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3.当審の判断
本件商標は、前記のとおり「おからポップ」の文字を横書きしてなり、各文字は、前半部が平仮名文字、後半部が片仮名文字と、その書体を異にするものではあるが、同じ大きさで等間隔に外観上まとまりよく一体的に表示され、その構成文字より生ずる「オカラポップ」の称呼も、5音と比較的短かく、しかも、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、たとえ、前半部の「おから」の文字が、「豆腐の絞りかす」を指称する語として理解、認識させる場合があるとしても、前記構成からなる本件商標は、全体をもって一気一連に称呼されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標からは「オカラポップ」の称呼のみを生ずるというべきであり、「ポップ」の称呼を生ずる引用商標とは、その音数及び音構成を著しく異にし、両商標は称呼上相紛れるおそれはないものと言わざるを得ない。
また、外観についても、両商標の構成前記のとおりであるから類似しないものであるし、さらに、観念についても本件商標は造語と認められるから引用商標とは比較すべくもないものである。
なお、申立人は、引用商標が著名商標であると主張しているが、これを証する何らの証拠を提出していないから、その主張は採用できない。
したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念の何れについても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わざるを得ない。
次に、申立人は、前述のとおり、本件商標は商品の品質について誤認を生ずるおそれがある旨主張し甲各号証を提出している。
そこで検討するに、申立人が主張するように、本件商標の前半部の「おから」の文字からは豆腐から製造した「おから」(絞りかす)を認識させること及び「おから」が菓子等の原材料として使用されていることは否定し得ないが、甲各号証に示された使用例の多くは、「おから」の文字に「クッキー」、「カリント」「ドーナツ」等のように商品名を付加した例がほとんどである。
そして、かかる場合は「おから入りのクッキー」、「おから入りのカリント」等の商品であることを容易に認識させるものといえるが、本件商標はこれらの場合と異なり、前述のように「おからポップ」と一連一体の構成からなる一種の造語と認識されるものである。
してみると、本件商標に接する取引者、需要者は、これが直ちに「おから入りの商品」であると認識し、該商品以外の商品について使用した場合に商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるとまでは言えないから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第16号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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