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Trademark Appeal Case

語頭音と観念の称呼類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90468(T2004−90468/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4768688号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4768688号商標(以下「本件商標」という。)は、「VOKAL」の文字を標準文字として、平成13年8月21日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同16年4月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人が引用する登録第1188829号商標(以下「引用商標」という。)は、「FOCAL」の欧文字と「フオーカル」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和48年1月26日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同51年3月15日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は欧文字のみからなる造語であるからその称呼を特定することはできないが、「ヴォカル」「ヴォーカル」「ヴォカール」等の称呼が考えられる。この中「ヴォーカル」の称呼において引用商標から生ずる「フオカール」又は「フォーカル」とは類似する。

そこで、「ヴォーカル」と「フォーカル」の両称呼を比較するに、両者は音数を同じくし、差異音「ヴォ」と「フォ」は共に両唇音で母音を共通にし、その母音は「ヴ」「フ」に比べ強く響くため、たとえ語頭にありアクセントを有するとしても「オーカル」に近似した音調、音感を有するものとなり、互いを聴別すること難しく類似の商標といわざるを得ない。

以上、本件商標と引用商標とはその余を詳論するまでもなく称呼上類似する点において商標法第4条第1項第11号に該当し、当該指定商品の登録は取消しを免れない。

3 当審の判断

本件商標は、「VOKAL」の文字よりなるものであるところ、当該構成文字は「声楽の」等の意を有する独語であり、その構成文字に相応して「ヴォ(ボ)ーカル」又は「ヴォ(ボ)カール」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「FOCAL」及び「フオーカル」の文字よりなるところ、当該構成文字は「焦点の」の意を有する英語及びその表音からなるものであり、その構成文字に相応して「フォーカル」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標と引用商標の類否についてみるに、両者は構成上明らかな差異を有するから、外観において相紛れる余地はないものといえる。

つぎに、「ヴォ(ボ)ーカル」と「フォーカル」の称呼を対比するに、両者は、第1音で「ヴォ(ボ)」と「フォ」の差異を有し、ほかの「ー」「カ」「ル」を共通にするものである。そして、「ヴォ(ボ)」は、有声子音「v」(「b」)と母音「o」の結合した音節であり、「フォ」は、無声子音「f」と母音「o」の結合した音節であることから、両者は各音の構成においては近似性があるものということができる。

しかしながら、当該差異音は、称呼の識別をする上で重要な要素を占める語頭に位置しており、かつ、長音を伴うことで強めに発音・聴取されることから、長音も含めて4音の簡素な音構成である称呼において、当該差異が称呼全体に与える影響は決して小さいとはいえないものである。

加えて、「ヴォ(ボ)ーカル」の音からは、我が国において一般に親しまれた「ボーカル(声楽・歌唱やボーカル・ソロ)」を容易に想起させるから、「フォーカル」の音から「焦点の」の意を想起する場合はむろん、それを想起しない場合にも、観念の違いにより称呼における音の差異を明確に識別し得るというのが相当である。

また、「ヴォ(ボ)カール」と「フォーカル」の両称呼は、語頭の差異に加え長音の位置の違いもあることから、全体の語感、語調が著しく異なるものである。

してみれば、両商標は、称呼上判然と区別し得て彼此相紛れるおそれはないというべきである。

そして、両商標は、観念において相紛れる理由を見いだせない。

以上のとおり、その外観、称呼及び観念を総合してみれば、本件商標は、引用商標との間で商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるものとは認められないから、引用商標に類似する商標ということはできないと判断するのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものとはいえないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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