Trademark Appeal Case
ミルククラウン表現の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90344(T2004−90344/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4754158号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年6月27日に登録出願、第29類、第30類、第32類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年3月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)申立ての根拠
本件商標は、商標法第3条第1項第3号ないしは第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである
(2)具体的理由
本件商標は、「ミルククラウン」の現象を表したものと認められる(甲第1号証)。そしてこの現象については、牛乳の特性に基づく現象としてよく知られているということができる(甲第2号証ないし甲第5号証)。さらに、この現象を表示することは、「牛乳」を絵ないしは画像により表す場合にしばしば用いられてきた。これは牛乳をより端的に表現するためのありふれた手法ということができる。インターネットホームページにおいては、牛乳をその主たる取引商品とする者や牛乳に関連した事業活動を行う者により、一様に「ミルククラウン」の現象やこれをベースに創作された図形が表示され、また、牛乳に関する事典においても、当該現象を表す写真が表示される等している(甲第6号証〜甲第11号証)。
一方、牛乳や牛乳を原材料として使用してなる商品について、その包装容器等に「ミルククラウン」の現象を表示したものも少なくない(甲第12号証〜甲第16号証)。これらの表示は、当該商品が牛乳であることや牛乳を原材料として使用してなる商品であることを表すものに他ならず、当該「ミルククラウン」の現象が、はね上がった状態における牛乳を表したものとしてよく知られていることの表れでもある。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中「牛乳」や「乳製品」ないしは「牛乳を原材料として使用してなる商品」に使用するときは、これに接する者に当該商品の品質、原材料等を認識させるにとどまり、また、これをその指定役務中の「牛乳又は乳製品の提供」ないしは「牛乳を原材料として使用してなる飲食物の提供」に使用するときは、これに接する者に当該役務の質を認識させるにとどまる。
他方、本件商標は、これを前記商品以外の商品に使用するときは、これに接する者に当該商品の品質につき誤認を生じさせるおそれがあり、また、これを前記役務以外の役務に使用するときは、これに接する者に当該役務の質につき誤認を生じさせるおそれがある。
また、本件指定商品中には、牛乳を原材料として使用することが一般的には考え難い商品も含まれるが、これらの商品に、広く知られた「ミルククラウン」の現象を端的に示すありふれた画像からなる本件商標を使用しても、何人かの業務に係る商品であることを認識させることができない。
3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、これが登録異議申立人(以下「申立人」という。)のいう「ミルククラウン」の現象からヒントを得た図形とは、直ちに認識されるとはいい難く、むしろ、商標権者の創作に係る黒地横長長方形内に白抜きで表された独特の幾何図形よりなる特異な図形というのが相当であるから、本件商標の指定商品及び指定役務中のいずれの商品又は役務に使用しても、十分に自他商品又は自他役務を識別する機能を果たし得るものというべきである。
そして、本件商標は、その指定商品又は指定役務に含まれる特定の商品又は役務について、その商品の品質、原材料又はその役務の質を具体的、直接的に認識させるとはいえないものであり、また、本件商標の指定商品及び指定役務中のいずれの商品又は役務に使用しても商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれのないものということができる。
申立人は、「ミルククラウン」現象の説明とその撮影方法(甲第1号証ないし甲第5号証)及びその現象時の状態をベースに創作された図形(やや不鮮明)とそのときの写真(甲第6号証ないし甲第16号証)を提出して、本件商標は取り消されるべきであると主張している。
しかしながら、本件商標は、上記認定とおり、商標権者の創作に係る特異な図形というべきであって、該甲各号証をもって、本件商標が「ミルククラウン」現象時の一類型であるとは断定できないというのが相当であるから、申立人の主張は、採用できない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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