Trademark Appeal Case
普通名称と商標の周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90231(T2004−90231/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件標章
本件登録第2162879号の防護標章登録第1号標章(以下「本件標章」という。)は、平成11年9月27日に登録出願、別掲のとおりの構成よりなり、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年12月26日に設定登録されたものである。
2 本件標章の基礎となる商標
本件標章の基礎となる登録第2162879号商標(以下「原登録商標」という。)は、本件標章と同一の構成よりなり、昭和61年10月31日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、平成元年8月31日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
本件標章は、指定商品に関して他人が使用しても商標権者の業務に係る商品と出所の混同を生じるほどに、需要者の間で広く認識されているとはいえないから、商標法第64条に規定する防護標章登録の要件を満たさない。
本件標章を構成する「BOURBON」の文字は、アメリカ合衆国産の特定の品質を有するウイスキーの普通名称である「BOURBON(バーボン)」と完全に同一であり、このような欧文字までもが、商標権者の商標として周知著名になっているとは到底考えられない。「BOURBON」の文字に接する需要者は、「バーボンウイスキー」を想起することが普通であって、たとえ、商標権者が自己の商標「ブルボン」と合わせて本件と同一の商標をスナック菓子等の商品に使用しているとしても、「BOURBON」の欧文字だけが独立して、商標権者を認識させることはあり得ない。
しかも、商標権者の主たる商品である「菓子、パン」以外の指定商品について、第三者が使用した場合にまで、「BOURBON」が商標権者を表すものと認識させるなどということは、凡そ想像できない。
よって、本件標章は、商標法第64条に規定する要件を満たさないものであるから、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件標章は、別掲のとおりの構成からなるところ、「BOURBON」の文字は、商品「ウイスキー」との関係からみれば、登録異議申立人が主張するように、トウモロコシを主原料とする米国産のウイスキー「bourbon whiskey(バーボンウイスキー)」を指称する場合があるものということを格別否定するものではないが、他方、「bourbon」の語は、「(フランスの)ブルボン王家の人」(三省堂発行「新コンサイス英和辞典」)の意味をも有する語であり、我が国の国語辞典に「ブルボン王朝」(岩波書店発行「広辞苑」、講談社発行「日本語大辞典」)、「ブルボン家」(小学館発行「国語大辞典」)等の項が設けられ、「ブルボン」に関する語が掲載されていることを考慮すると、当該文字が、必ずしも、常に「バーボン」とのみ称呼され、「bourbon whiskey(バーボンウイスキー)」を指称するものとのみ把握、認識されるものということはできない。
そして、原登録商標は、大正13年に「北日本製菓株式会社」として設立され、昭和27年に「北日本食品工業株式会社」、さらに平成元年に「株式会社ブルボン」と社名が変更された我が国有数の菓子製造・販売会社である商標権者の商号の略称ともみられる「ブルボン」を欧文字で書した「BOURBON」の文字よりなるものであり、商標権者のハウスマークともいえる商標であって、商標権者により、その指定商品中「菓子」について永年使用され、その間、テレビ、新聞、雑誌等の媒体を通じ宣伝広告された結果、商標権者の業務に係る商品を表示するものとして、「ブルボン」の称呼をもって、取引者・需要者間に広く認識されているものということができる(商標権者が本件防護標章登録出願の審査の過程において提出した平成13年1月17日付意見書に添付の資料参照)。
してみれば、原登録商標が商標権者の製造、販売に係る商品を表示するものとして、取引者・需要者に広く認識されていること、商標権者が菓子、清涼飲料などを主要な事業としていること、及び原登録商標が商標権者の商号の略称とみられ、商品の具体的な出所を表示するハウスマークともいえる商標であることなどを勘案すれば、本件標章を他人がその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が商標権者又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本件標章は、商標法第64条の規定に違反して登録されたものということができないから、同法第68条第4項で準用する同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する
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