Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90136(T2004−90136/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4729580号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年9月30日に登録出願、「ケリー プリンセス」の片仮名文字を横書きしてなり、第14類「ダイヤモンド,その他の宝玉及びその模造品」を指定商品として、同15年11月28日に設定登録されたものである。
2.登録異議申立の理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第10号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)「エルメス・アンテルナショナル」は、世界の「エルメス/HERMES」として名高いファッションブランドを有する企業である。そして、「Kelly/ケリー」(以下「申立人使用商標」という。)は、申立人の製造するバッグの中で、最も有名であり、最も人気があるものの一つに付された商標である。
申立人は、バッグ「ケリー」に由来するアクセサリー等の貴金属アイテムも従前から広告・販売してきており、本件商標は、その指定商品が係る業界においてその出願前から周知・著名である申立人使用商標を包含し、申立人のこの著名商標と類似するから、登録を認められるべきでなかった。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人のバッグに係る商標「ケリー」は有名で、我が国の当業者・需要者に知らぬ者がないほどである。特に語頭部にこれを包含してなる本件商標に接した当業者・需要者は、申立人若しくは申立人と何らかの関係のある業者が使用した商標であると誤認するおそれがあり、申立人は「ケリー」標章を使用したジュエリー類の製造・販売も行っており、本件商標を付したジュエリー類が、申立人の商品であるかのごとく混同されることは容易に起こり得ることである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
申立人のバッグに係る商標「ケリー」の著名性に鑑みれば、同じファッション関連商品である「宝玉、その他の模造品」の類に、本件商標が出願されたことに、申立人使用商標の著名性に便乗しようとした目的が感得される。
(4)むすび
本件商標の登録は、以上の各条項号に違反してなされたものであり、取り消されるべきである。
3.当審の判断
本件商標は、「ケリー プリンセス」の片仮名文字よりなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで一連に表されていて、外観上纏まりよく一体的に看取し得るばかりでなく、これより生ずる「ケリープリンセス」の称呼も一気一連に称呼し得るものであり、かつ、これよりは「ケリー王女」の如きの観念を生じるものであって、常に前記一連の称呼及び一体的な観念のみをもって取引に資される商標とみるのが自然である。
これに対して、申立人使用商標は、その構成前記のとおり「Kelly」「ケリー」の各文字を単独で、又はこれらを組み合わせ「ケリーバッグ」、あるいは、これら文字を主要部とするものであって、いずれの場合も、それら文字より生ずる「ケリー」の称呼をもって取引に資されるものといえる。 そこで、両者の類否についてみると、本件商標は、その構成文字に相応して「ケリープリンセス」の一連の称呼のみを生ずるものであること上述のとおりであり、一方、申立人使用商標は、「ケリー」の称呼を生ずるものであるから、両者はその構成音数、音の配列を著しく異にし、彼此聞き誤る虞はなく、また、外観の点においては、両者は全体の外観印象を異にし、彼此見誤る虞はなく、さらに、観念の点においては、本件商標が「ケリー王女」の如きの観念を生じるものであるのに対し、申立人使用商標は強いていえば欧米人名を想起させるものという点で両者は判然と区別し得るものであるから、結局、両者は何ら紛れるおそれのない非類似の商標であって、互いに別個の商標とすべきものである。
そして、たとえ、申立人使用商標が申立人の代表的出所表示といえるファッションブランド「エルメス/HERMES」とともに、申立人使用商標「Kelly」又は「ケリー」が同人の製造するバッグに使用され「ケリーバッグ」と称されて、本件商標登録出願時に需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標は上述のとおり、申立人使用商標とは別個のものであり、ほかに、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに「ケリーバッグ」として知られる申立人使用商標を想起し、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
加えて、申立人使用商標は「ジュエリー類」にも使用されている旨主張しているが、申立人提出に係る甲各号証によっては、「キーホルダー」「カデナ(南京錠)」や「ピルケース」等に使用されている例はあるが、その使用例からはその周知性を認め難く、かつ、これらの商品は「ジュエリー類」に包含される商品とはいえないものであって、本件商標の指定商品「ダイヤモンド,その他の宝玉及びその模造品」とは、その商品の製造者・流通経路・販売者・需要者の範囲等を一部同じくする場合があるとしても、直ちに類似の商品とすることはできないものである。
さらに、商標権者が本件商標を採択、使用する行為に不正の目的があったとは認められず、また、その証左も見出せない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、及び同第19号に違反してされたものとできないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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