Trademark Appeal Case
著名商標の類否と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90188(T2004−90188/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4740374号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年4月24日登録出願、「coComoon」の欧文字と「ココムーン」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製宝石箱,身飾品,カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」を指定商品として、平成16年1月16日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に該当するから、その登録は取り消されるべきであるとして以下のように理由を述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第145号商標を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号
申立人の引用する(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)の各登録商標(以下、総称して「引用商標」という。)は、以下のとおりの構成及び指定商品からなるものである。
(ア)引用登録第2704127号商標は、「COCO」の欧文字よりなり
、昭和61年11月27日登録出願、第4類「化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成7年2月28日設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(イ)同登録第520006号商標は、「Co Co」の欧文字と「ココ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和31年3月21日登録出願、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、同33年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(ウ)同登録第1981209号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和59年8月29日登録出願、第4類「化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として同62年9月21日設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(エ)同登録第1981210号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和59年9月10日登録出願、第4類「化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として同62年9月21日設定登録され現に有効に存続しているものである。
そして、上記引用商標は、商品「香水」等に関し、申立人の愛称又は通称として著名であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、非常に高い関連性を有している。
また、上記引用登録第2704127号商標については、登録防護標章第1号として、平成14年6月7日付けで第14類に属する登録原簿記載の商品を指定商品とする防護標章登録がなされているものである。
したがって、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、恰も申立人又は申立人と何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号
本件商標は、申立人の業務に係る「香水」等を表示するものとして著名な引用商標と類似の商標というべきであり、また、本件商標は、申立人の著名な引用商標に化体した信用・評判・名声にフリーライドするといった不正の目的をもって使用する商標である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号
本件商標は、前述のとおり、申立人の使用に係る商標として著名性を獲得している引用商標と相紛れるおそれのある商標というべきである。
そして、本件商標は、申立人の著名な引用商標に化体した信用・評判・名声にフリーライドするものであり、その希釈化を引き起こすおそれがあるから、本件商標は、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義に反するというべきであって、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号にも該当する。
3.当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、前記したとおり「coComoon」と「ココムーン」の文字を上下二段に横書きした構成よりなり、上段の「coCo」と「moon」の各文字は、同じ書体、ほぼ同じ大きさ(第3文字目の「C」は他の文字に比してやや大きく書してなる。)、等間隔に外観上まとまりよく一体的に表示されていて、下段の「ココムーン」の文字も上段の欧文字の音を表記したものと認識し得るものである。
そして、「coCo」「ココ」と「moon」「ムーン」の文字に、特に軽重の差を見出すことができないばかりか、これより生ずると認められる「ココムーン」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであって、その構成文字中の「coCo」、「ココ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき格別の事情が存するものとは認め難い。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ココムーン」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
他方、前記引用商標は、「COCO」、「ココ」「Co Co」の各文字部分より、その構成文字に相応して「ココ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「ココムーン」の称呼と、引用商標より生ずる「ココ」の称呼とを比較するに、両者はその後半部における「ムーン」の音の有無に明確な差違を有するものであるから、称呼上区別し得るものである。
また、本件商標は、特定の観念を生じ得ない一種の造語と判断するのが相当であるから、両者は観念上比較し得ないものであり、さらに、それぞれの構成からみて外観においても相紛れるおそれはないというべきである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても区別し得る非類似の商標といわざるを得ない。
(2)出所の混同について
本件商標は、前記のとおり、引用商標とは非類似の商標であり、それぞれ別異の商標として認識されるものというべきであって、他に出所の混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ない。
してみれば、引用商標が本件商標の登録出願時に申立人の業務に係る商品「香水」等の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたとしても、本件商標は、引用商標と別異の商標と認識されること前記のとおりであるから、これをその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
なお、申立人は、本件商標は申立人の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずる旨主張し、甲第133号証ないし甲第143号証を挙げ、異議決定例を引用している。
しかしながら、上記引用例のなかには「COCO」の文字と他の文字部分とが分離した構成となっているものや、本件商標の指定商品とは異なる商品についての異議決定例が多数を占め、本件とは事案を異にするものであるから、上記申立人の主張は採用できない。
(3)前述のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であり、また、申立人の提出に係る甲各号証によっても、本件商標が不正の目的をもって使用する商標とはいえないものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとも言えない。
さらに国際信義に反するものということもできないものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第7号にも該当しない。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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