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Trademark Appeal Case

図形商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90190(T2004−90190/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4737377号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4737377号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年7月30日に登録出願、後掲(1)のとおりの構成よりなり、第18類「ウエストポ−チ,書類入れかばん,その他のかばん類,袋物,傘」を指定商品として、同15年12月26日に設定登録されたものである。

2.登録異議申立の理由(要点)

異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべき旨申し立てた。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、以下の(a)及び(b)に示す登録商標と外観において類似であって、その指定商品も同一又は類似の商品に使用するものである。

(a)登録第2220803号商標(以下「引用A商標」という。)は、後掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和62年2月9日に登録出願、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録されたものである(以下「引用A商標」という。)。

(b)登録第2233342号商標(以下「引用B商標」という。)は、後掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和62年2月9日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

上記引用A商標、引用B商標及び共に後掲(2)のとおりの構成よりなる、昭和62年2月9日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録された登録第2220802号商標(以下「引用C商標」という。)、昭和62年2月9日に登録出願、第16類「織物、編物、フエルト、その他の布地」を指定商品として、平成2年2月23日に設定登録された登録第2210106号商標(以下「引用D商標」という。)及び昭和62年2月9日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録された登録第2261648号商標(以下「引用E商標」という。)は、世界的に著名なデザイナーである「TOMMY HILFIGER(トミー ヒルフィガー)」のデザインにかかる被服、身回品、フレグランスや日用雑貨の商品に使用され、TOMMY HILFIGERの名前とともに世界的に著名な商標(以下「引用AないしE商標に係る商標」という。)となっている。一方、本件商標の指定商品はTOMMY HILFIGERの取り扱う商品に含まれており、本件商標と引用AないしE商標に係る商標とは外観上類似するから、本件商標をその指定商品に使用するとTOMMY HILFIGERの業務にかかる商品との間で出所の混同を生じる。

(3)商標法第4条第1項第19号について

引用AないしE商標に係る商標は、特にファッション関連の分野において、日本及び世界的に著名であり、そして、該商標は、他に例をみないユニークなデザインであって、かかる状況において本件商標がその指定商品について登録、使用されれば、引用AないしE商標に係る商標の出所表示力が希釈化され、また、化体した信用、名声及び顧客吸引力が傷つけられるおそれがある。

3.当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、後掲(1)のとおり、やや図案化した「SEMPRE」の欧文字と「高士」の漢字とを横一連に書し、その下段に図形を配した構成からるものである。

そして、かかる構成にあって、図形部分が文字部分とは独立しても識別標識として機能するものとみて差し支えないものであり、その図形は、上下2本の横太線とその中央に矩形を配して「工」の字状に描いた図形よりなる商標として記憶・印象されるものである。申立人は、本件商標について、「長方形の図形を帯状に上下三段に分け、上段及び下段の帯状部分を濃い紫色で塗り、中央の帯状部分についてはさらに左右三段に分け、その中央を赤色に、左右には黄色の彩色を施した図形の商標である。」と述べているが、本件商標は色彩を施してなる商標として、登録出願されたものではないから、申立人のこの点に関する主張は採用できない。

他方、引用A及びB商標は、後掲(2)のとおり、上下2つの紺色の細長い長方形とその間の右側半分に赤色の矩形を配した図形よりなるものであり、2つの紺色の細長い長方形と赤色の矩形とを「コ」の字状に配した図形商標として記憶・印象されるものである。申立人は、引用各商標について、「長方形の図形を帯状に上下三段に分け、・・・中央の帯状部分についてはさらに左右二段に分け、左部分には白色、・・・の彩色を施した図形の商標である。」と述べているが、該「左部分には白色、・・・の彩色を施した」とする部分は、その商標の一部を構成するものとは認められない。

してみると、本件商標と引用A及びB商標は、「工」の字状の図形と「コ」の字状の図形と各々記憶・印象されるものであって、その図形構成要素及びその配置が相違し、加えて、色彩の有無の異なる点が看者に与える影響は大きく、両者を時と処を異にして離隔的に観察するときは、別異の商標として認識されるとみるのが相当であるから、外観において相紛れるおそれはない非類似のものというべきである。また、両者のその各図形から特定の称呼及び観念が生ずるともいい難いから比較し得ず、他に両商標が類似するとの点を見出せない。

したがって、本件商標と引用A、B商標とは非類似の商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとすることはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と申立人の使用する商標として著名であるとする引用AないしEに係る商標とは、前述のとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であり、加えて、申立人の提出に係る甲各号証によっては、引用AないしE商標に係る商標ついて、その使用及び著名性について何ら立証されていない。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が直ちに引用AないしE商標に係る商標を想起し、その商品が「TOMMY HILFIGER(トミー ヒルフィガー)」又は同人と関係のある者の業務に係るものであるかのように誤信するものでなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

なお、念のため、申立人は、引用AないしE商標をフラッグロゴといい、その使用態様を表す商品の広告の白黒コピーによる写しを提出している(甲第8号証及び甲第9号証)ところ、その写しには、後掲(3)のとおりの構成よりなる商標(以下「申立人使用商標」という。)が記載されているので、本件商標が申立人使用商標との関係において、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるか否か検討する。

申立人使用商標は、後掲(3)のとおり、上下に黒色横長長方形を配し、該図形の間を左右に二等分し、その右側部分が灰色にし、左側部分が白色にしてなる横長長方形の図形商標である。

してみると、本件商標の図形部分と申立人使用商標とは、その前者が「工」の字状の図形として記憶・印象されるものであるのに対し、後者が色彩の濃淡により4分割された横長長方形であるから、両者はその図形構成要素の差異により、これが看者に与える影響は大きく、本件商標と申立人使用商標は、その外観において十分に区別し得る非類似の商標というべきものである。

さらに付言するに、申立人は、申立人使用商標が引用AないしE商標の使用態様を表すものであるとしているので、仮に申立人使用商標が、上下の長方形を紺色とし、その中間の右側部分が赤色に彩色されてなるとしても、これと本件商標とは、その図形構成要素の相違、色彩の相違により、明らかに区別し得るものである。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が直ちに申立人使用商標を想起し、その商品が「TOMMY HILFIGER(トミー ヒルフィガー)」又は同人と関係のある者の業務に係るものであるかのように誤信するものでなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標の図形部分と引用A商標ないし引用E商標に係る図形商標とは、外観において十分に区別し得る非類似の商標であって、他に両商標が類似するとの点を見出せないばかりでなく、商標権者が本件商標を採択・使用するについて不正の目的があったものとは認められず、また、その証左も見出せない。

(4)結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものとなし得ないから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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