Trademark Appeal Case
複合語の称呼と観念
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90202(T2004−90202/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4740701号商標(以下「本件商標」という。)は、「RED EARTH」の欧文字を標準文字により書してなり、平成14年9月5日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年1月16日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
本件登録異義申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録商標は、次の(a)ないし(d)のとおりである。
(a)登録第3234062号商標は、「EARTH」の文字を横書きしてなり、平成6年6月21日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年12月25日に設定登録されたものである。
(b)登録第4061824号商標は、「アース」の文字を横書きしてなり、平成8年2月19日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年10月3日に設定登録されたものである。(以下、(a)及び(b)の商標を併せて「引用A商標」という。)
(c)登録第2353757号商標は、「アース」の文字を横書きしてなり、昭和51年7月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、同13年6月12日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらにその後
、指定商品については、同13年12月19日の書換登録により、第1類、第5類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となったものである。
(d)登録第2353758号商標は、「EARTH」の文字を横書きしてなり、昭和51年7月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、同13年6月12日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらにその後、指定商品については、同13年12月19日の書換登録により、第1類、第5類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となったものである(以下、(c)及び(d)の商標を併せて「引用B商標」という。)。
第3 登録異議の申立ての理由
1 本件商標は、その構成中の「RED」の文字部分が商品の色彩を表示するものであるから、本件商標と引用A商標は、「アース」の称呼において類似する商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 申立人は、申立人の製造販売する多くの商品に「アース」、「EARTH」若しくは、「地球印」を付して使用して現在に至っているから、引用B商標は、本件商標の登録出願日以前において周知著名の商標となっているものである(甲第2号証ないし甲第59号証)。よって、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当する。
3 以上の次第であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり「RED EARTH」の欧文字よりなるところ、これより生ずると認められる「レッドアース」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、これらの各文字は、同じ書体で、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。 また、本件商標の構成中「RED」が商品の色彩を表すものとして使用される場合があるとしても、「RED EARTH」の語は、「熱帯や亜熱帯地方に見られる赤色土壌」の意味を有する既成の英語である。
そうすると、前記構成よりなる本件商標は、表された構成文字全体を一つのものとして認識・把握されるというのが自然の見方である。
これに対し、引用A商標は、前記のとおり、「EARTH」又は、「アース」の文字よりなるから、これより「アース」の称呼を生ずるものであって、「地球、大地」等の観念を有するものである。
そうすると、本件商標より生ずる「レッドアース」の称呼と引用A商標より生ずる「アース」の称呼とは、前半部分の「レッド」の音の有無の差を有するから、称呼において相紛れるおそれはないものである。
また、観念についてみても、本件商標は、「熱帯や亜熱帯地方に見られる赤色土壌」の観念を有するのに対し、引用A商標は、「地球、大地」の観念を有するものであるから、本件商標と引用A商標は、観念において区別し得るものである。
さらに、本件商標と引用A商標は、上記のとおりの構成よりみて、外観においても相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本件商標と引用A商標は、称呼、観念及び外観のいずれにおいても非類似の商標といえるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたということはできない。
2 商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について
申立人は、「EARTH」、「アース」商標が申立人の業務に係る商品「殺虫剤」を表示するものとして、本件商標の登録出願前に我が国において周となっていた旨主張し、さらに、昭和54年より輸出用の加熱燻蒸剤に「RED EARTH」商標を使用し、商品の輸出と共に「EARTH」、「アース」商標を世界的に登録しているから、引用B商標が海外において広く知られている旨主張し、甲第2号証ないし甲第59号証を提出している。
しかしながら、甲第2号証ないし甲第59号証からは、引用B商標が申立人の業務に係る商品「家庭用殺虫剤」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたことは認められるとしても、本件商標の登録出願時に「家庭用殺虫剤」の分野を超えた本件商標の取引の分野にまで申立人の業務を表示するものとして広く知られていたと認めることはできない。
加えて、本件商標と引用B商標の類否についてみても、本件商標は、前記のとおり、引用A商標とは類似しないものであるから、引用A商標と類似の構成よりなる引用B商標についても本件商標と非類似の商標といえるものである。また、他に本件商標と引用B商標が混同を生ずるとすべき特段の事情は見出せないものである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が該商品を申立人の業務に係る商品を想起することはないとみるのが相当であり、商品の出所について混同を生ずるおそれはないから、商標法第4条第1項第10及び同第15号に該当する商標とはいえない。
また、本件商標と引用B商標が非類似の商標であることよりすれば、本件商標の商標権者が不正の目的をもって本件商標を使用するものとはいうことはできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する商標とはいえない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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