Trademark Appeal Case
称呼類似と著名商標
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第90113号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件商標は、「SEIKOMART」の欧文字を書してなり、平成6年10月12日に登録出願、第37類「事務用機械器具の修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,宝飾品の修理,室内装飾工事,精密機械器具の部品の組立・移送・溶接・圧縮・持ち上げ・梱包用ロボットの修理又は保守,集積回路基板製造用ロボットの修理又は保守,時計の修理又は保守」を指定役務として、同10年10月23日に登録されたものである。
第2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第1779号証を提出している。
1.本件商標から「セイコーマート」の称呼を生ずる。これに対し、申立人の商標・セイコーマートの名称は、セイコーマートのコンビニエンスストア加盟店が取扱う商品及び役務並びにコンビニエンスストア「セイコーマート」のフランチャイズチェーンの経営指導について広く著名であり、綴り字に若干の差異があるが、両商標は「セイコーマート」の同一の称呼を生ずる。
したがって、本件商標をその指定役務に使用するときは、申立人と何らかの関係がある役務であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
2.本件商標を使用すると、申立人の著名商標・名称に化体した出所表示機能の希釈化に繋がる。申立人と商標権者とは、本件商標の出願前から取引関係にあり、「セイコーマート」のコンビニエンスストアでは、商標権者の商品を販売している。本件商標の出願は、申立人を意識した不正の目的に該当し、その使用により信用・名声を毀損するおそれが高い。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
3.本件商標の出願前から現在まで継続して、申立人と商標権者とは取引関係にあり、本件商標の出願は申立人の名称・存在を意識して行われたものであって、公正な流通秩序を維持する商標法の精神に反する。申立人の名称を意識して出願した経緯からすると、本件商標の使用は、商標のフリーライドであり、申立人の著名商標の希釈化に通じ、取引社会の一般道徳観念に反する。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。
4.本件商標は、コンビニエンスストアチェーンとして著名な申立人の名称「セイコーマート」をローマ字で表したものである。よって、商標権者が本件商標を使用すると、申立人を直感・想起させる。商標権者は申立人の承諾を受けていない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。
第3 本件商標に対する取消理由の要旨
当審において、平成16年11月1日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
登録異議の申立の趣旨及び提出に係る証拠によれば、申立人は、コンビニエンス・ストアの本部としての会社であり、昭和46年8月に「セイコーマート」の第1号店をオープンさせ、その後、次々とチェーン店をオープンし、申立人の加盟店は、北海道を中心に、関東や関西、近畿地方にも及んでいるものである。また、各店舗で取り扱う商品は、食料品、文房具、化粧品、日用品雑貨、たばこ等約5400品目に亘り、また、公共料金の支払いの取次ぎ、宅配便の取次ぎ、写真の現像・焼付け・引き伸ばし、書類の複写、年賀状印刷等の役務も提供しているものである。
そして、上記商品を取り扱う申立人のコンビニエンスストアに係る商標として別掲(1)及び(2)の商標並びに「セイコーマート」の商標(以下「引用各商標」という。)を使用し、全国及び地方の雑誌、各種新聞等において幅広く広告宣伝を行っているものであって、引用各商標は、本件商標の登録出願前から、北海道を中心として需要者間に広く認識されていると認められるものである。
しかして、本件商標は、前記のとおり「SEIKOMART」の欧文字を表示してなるものであり、一方、引用各商標は前記のとおりであるから、本件商標と引用各商標とは、欧文字の綴りにおいて「K」と「C」の一文字が相違するにすぎないものであるばかりでなく、「セイコーマート」の同一の称呼を生ずるものであって、類似性が極めて強いものである。そして、文字を有する商標においては、様々な取引場面において、称呼されることを前提としているものといえるものであって、称呼の役割を軽視することはできないから、引用各商標と「セイコーマート」の称呼を同一にする本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標から、引用各商標を連想、想起するものとみるのが相当である。
また、引用各商標に係る商品の需要者は一般消費者であり、本件商標の指定役務中の例えば、「事務用機械器具の修理又は保守、時計の修理又は保守」の需要者は、それを購入した一般消費者であることが少なくないものである。
そうすると、本件商標の指定役務と引用各商標に係る商品及び役務とは、少なからず関連があるものといえるものである。
してみると、本件商標は、これをその指定役務に使用した場合、該役務が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生ずるおそれのある蓋然性が高いものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
第4 商標権者の意見
商標権者に対し、上記第3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
第5 当審の判断
本件商標は、上記第3で述べたとおり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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