Trademark Appeal Case
称呼類似性: 音の相違
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90012(T2004−90012/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4714369号商標(以下「本件商標」という。)は、「インビスタ」の文字と「INVISTA」の文字を二段に横書きしてなり、2002年9月12日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成14年9月19日に登録出願、第1類、第18類、第20類、第22類、第23類、第24類、第25類、第27類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、平成15年10月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する以下の(2)に示した登録商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)と外観及び称呼において類似のものである。また、申立人の「invicta」、「インヴィクタ」の文字からなる商標は周知・著名であるから、これら周知・著名な商標と類似する本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、かつ、公の秩序を害するおそれがある。
したがって、本件商標は、その指定商品中第18類及び第25類に属する指定商品については、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)引用商標
(ア)登録第1153320号商標は、「INVICTA」の文字と「インビクタ」の文字を二段に横書きしてなり、昭和47年8月29日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同50年9月16日に設定登録されたものである。
(イ)登録第2242042号商標は、別掲の(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年5月25日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第2591756号商標は、別掲の(1)のとおりの構成よりなり、平成2年10月3日に登録出願され、第22類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同5年10月29日に設定登録されたものである。
(エ)登録第4085161号商標は、別掲の(2)のとおりの構成よりなり、平成8年7月10日に登録出願され、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年11月21日に設定登録されたものである。
(オ)登録第4269350号商標は、別掲の(3)のとおりの構成よりなり、平成9年5月14日に登録出願され、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月30日に設定登録されたものである。
(カ)登録第4269351号商標は、別掲の(3)のとおりの構成よりなり、平成9年5月14日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月30日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「インビスタ」と「INVISTA」の両文字よりなるものであるのに対し、引用商標は、「INVICTA」と「インビクタ」の両文字又は別掲の(1)ないし(3)に示したとおりの構成よりなるものであるから、それぞれの構成(又は、文字部分の構成)よりして、通常の注意力をもってすれば、本件商標は、引用商標と視覚上十分に区別し得るものというべきであり、外観において相紛れるおそれのない非類似のものと認められる。
次に、これらを称呼の点についてみるに、本件商標は、「インビスタ」と「INVISTA」の両構成文字に相応して「インビスタ」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標は、「INVICTA」と「インビクタ」の両文字、図形と「invicta」の文字、又は「FIVE o’clock」と「invicta」の両文字よりなるものであるから、これらの構成文字に相応して「インビクタ」あるいは「ファイブオクロック」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「インビスタ」の称呼と引用商標より生ずる「インビクタ」の称呼とを比較すると、両者は、第4音において「ス」と「ク」の音の相違を有し、他の第1音ないし第3音の「インビ」及び語尾の「タ」音を共通にするものである。そして、相違する「ス」と「ク」の音は、「ス」の音が「舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音〔s〕と母音〔u〕との結合した音節」であるのに対し、「ク」の音は「後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音〔k〕と母音〔u〕との結合した音節」であって、調音位置、調音方法が異なる異質の音といわざるを得ないから、それぞれの全体を一連に称呼した場合、これらの相違音が全体の称呼に与える影響は大きく、聞き誤るおそれはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、引用商標と「インビスタ」と「ファイブオクロック」の称呼においてはもとより、「インビスタ」と「インビクタ」の称呼においても彼此相紛れるおそれのない非類似のものと認められる。
本件商標は、引用商標と観念においても類似するものではない。
(2)申立人の提出した証拠によれば、申立人の「INVICTA(invicta)」商標を使用した商品の我が国における売上高は、1993年から2003年の10年間(1994年は除く)で約140万ユーロであって(甲第8号証)、直営店のほか百貨店、小売店などでも販売されていたことが認められる(甲第9号証)。しかしながら、上記10年間における売上高はさほどのものではない。また、1999年から5年間の販売促進・宣伝広告・出資の費用は挙げられているものの(甲第8号証)、我が国において、どのようなメディアを通じて広告・宣伝を行ったのか、どのような内容のものであったのかなど、広告・宣伝の実情を示すものはない。しかも、提出された証拠のいずれにも、我が国における「INVICTA(invicta)」商標の周知著名性を認めるに足りる記載はない。してみれば、本件商標の登録出願の時に、「INVICTA(invicta)」が申立人の商標として我が国において取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
そうとすれば、本件商標と「INVICTA(invicta)」商標とが類似するものでないこと前述のとおりであり、両商標間に誤認混同を生ずる事由は見出せないといわざるを得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと認められる。
(3)また、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認め得る格別の事由も見出せない。
(4)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中結論掲記の商品について、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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