Trademark Appeal Case
産地表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−23781(T2002−23781/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「加賀乃國」の文字及びその上部に小さめに「かがのくに」の文字を書してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成14年3月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『かがのくに』の文字及び『加賀乃國』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、『加賀』の文字は『旧国名。今の石川県の南部』の意味を有し、『國』の文字は『地方。地域』の意味を有する『国』の文字の旧字体で表したものと認められ、『かがのくに』の文字は、『加賀乃国』の文字を平仮名文字で表したものと認められるから、全体として『石川県の南部地方』の意味合いを認識させるものであり、同地方は、例えば、金沢の和菓子等の産地・販売地として知られているから、これを指定商品中『前記に照応する菓子及びパン』等に使用するときは、単に石川県の南部地方で販売される商品であるものと理解させ、商品の産地・販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「加賀乃國」の文字とその上部にその読みを特定したものと認められる「かがのくに」の文字を小さめに配してなるところ、これよりは、「旧国名。現在の石川県南半部」(「日本語大辞典」株式会社講談社発行)を表したものと認められるものである。また、辞典上では、「加賀国」と表記しているとしても、例えば、旧国名を「駿河の国」、「出雲の国」のように格助詞「の」を付けて表現される場合も少なくないことよりすれば、「加賀国」を「加賀の国」と表しても何ら不自然ではないものとみるのが相当である。
そして、本願商標中の「乃」の文字は、「の」を漢字で表したものであり、かつ、「の」は「乃」の草書体(「大字源」株式会社角川書店発行)であって、また、構成中の「國」の文字は「国」の旧字体(「広辞苑」第5版:株式会社岩波書店発行)であることは、一般に知られており、普通に使用されているものである。
そうすると、「加賀乃國」は、全体として普通に用いられる方法の域を脱したものとは認められないものであって、「加賀の国」と同義のものといえるものである。
また、石川県が菓子処であることは周知の事実である。
上記のことは、たとえば、新聞記事情報データベース及び各種商品を紹介するインターネットのホームページにおいて、以下の記事があることからも十分に裏付けられるところである。
(1)1990.4.12 「朝日新聞」 東京地方版/埼玉 埼玉版
「
加賀の国
・石川県金沢市から『ミス100万石』の浅香直美さんが11日、川越市を訪れた。」
(2)2001.10.16 「読売新聞」 東京朝刊32頁
「合併協議会の『名称選考委員会』は14日夜、新市の名称案を『静岡』『清水』『駿河』『駿府』『日本平』の五候補に絞り込んだ。...五候補の選考理由は次の通り。『駿河』は
駿河の国
、『駿府』は、東海道の要衝の地として歴史的、地理的観点で有名・・」
(3)2002.2.4 「朝日新聞」 名古屋地方版/愛知20頁
「加賀百万石の礎を築いた戦国時代の武将・前田利家。・・その結果、
加賀の国
・金沢市と交流する『金沢交流隊』、イベントなどで情報発信する『おまつり隊』・・」
(4)2003.6.2 「日刊スポーツ新聞」 東京日刊
「貴
乃
花部屋が来年2月にも誕生する。・・創設者の花田勝治氏(75=元初代横綱若
乃
花)はこの日、二子山部屋の将来を見届けて会場を後にした。」
(5)2003.10.10 「朝日新聞」大阪地方版/島根24頁
八百万(やおよろず)の神々が
出雲の国
に集う神在月(かみありづき)(出雲地方以外は神無月)にちなむ『2003神在月出雲全国そばまつり』が、11月1日から3日まで出雲市浜町の出雲文化伝承館で開かれる。
(6)「『
加賀の國
』キャンペーンは、北國新聞社が中心となって『
加賀の國
』の歴史と文化をもっと知ろうという趣旨で展開されています。」
「http://www.kaganokuni.com/data/top.html」
(7)1998.11.22 「共同通信」
「加賀藩政時代からの歴史を持つ『
菓子どころ石川
』を全国にアピールし、菓子文化を伝承していこうという『石川県菓子文化会館』(金沢市)が22日オープンし一般公開が始まった。」
(8)2004.6.15 「毎日新聞」 地方版/和歌山25頁
「6月6日は『和菓子の日』。・・日本和菓子協会が79年に制定した。・・
1位の石川
は、2位・宮城を3000円も引き離している。
菓子舗の名店も多く、『加賀百万石』の城下町・金沢市の貫禄を示している。
」
(9)「笹
乃
屋 菓子店」
「http://www.sakakibaraonsen.gr.jp/bussan/sasanoya.html」
(10)「京銘菓 『五條
乃
橋』(登録商標) 擬宝珠を型取った焼菓子」
「http://www.sanshodo-ogura.co.jp/07-sentomonogatari.html」
してみれば、本願商標は、「旧国名。今の石川県の南部」を認識させる「加賀乃國」の文字及びその表音「かがのくに」の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品中「菓子及びパン」に使用しても、石川県南部地方で製造・販売された商品であるものと看取させるにすぎず、単に商品の産地・販売地を表示したものと認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、前記地方産以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、本願商標がきわめて特殊な態様で表示した商標であること及び過去の登録例を挙げて、本願商標は登録されるべきであると主張するが、本願商標は、普通に用いられる態様で表示されていることは、前記認定のとおりである。また、過去の登録例は、本件とは事案を異にするばかりでなく、そもそも具体的事案の判断は過去の審査例等の判断に拘束されることはなく検討されるべきものであって、本願商標については前記認定のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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