1 本願商標
本願商標は、「嬉」の漢字を標準文字で表してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成14年7月15日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3229465号商標は、「氣」の漢字を書してなり、平成5年11月8日に登録出願、第33類「洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第4240630号商標は、「氣」の漢字を書してなり、平成5年11月8日に登録出願、第32類「ビール,乳清飲料」を指定商品として、同11年2月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(これら2件を総括して、以下「引用商標」という。)
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「嬉」の漢字を標準文字で表してなるところ、漢字一文字で表された商標は、その文字のみで訓読みをもって一般に親しまれている等、特別の事情がある場合を除き、一般には音読みで称呼され、取引に資するというのが相当であるから、本願商標は音読みで「キ」の称呼を生じ、「たのしむこと。うれしいこと。」(「広辞苑第五版」「嬉」(キ)の項参照。株式会社岩波書店発行)の観念を生じるものである。
これに対して、引用商標は、前記2のとおり、「氣」の漢字を書してなるところ、漢字「気」の旧字体として一般に知られていることから、「キ」の称呼を生じ、「天地間を満たし、宇宙を構成する基本と考えられるもの。」(「広辞苑第五版」「気」(キ)の項参照。株式会社岩波書店発行)の観念を生じるものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、「キ」の称呼を共通にするものであるとしても、前記のとおり、外観及び観念において明らかな違いを有するものであって、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等は著しく異なるといえるから、以上の点を総合的に考察すると、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
してみれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。