Trademark Appeal Case
標語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−6143(T2002−6143/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「健康づくりは幸せづくり」の文字を標準文字で書してなり、第3類、第5類、第10類、第29類、第30類、第32類、第33類及び第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類に属する願書記載のとおりの指定商品及び指定役務として、平成12年1月14日に登録出願され、その後、当審において平成14年4月10日付けの手続補正書により第3類、第5類、第10類、第29類、第30類、第32類、第33類及び第41類、第42類に属する願書記載のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は「本願商標は、一般的な商標とはいい難く、一種のキャッチフレーズ・標語の類を想起させる『健康づくりは幸せづくり』の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「健康づくりは幸せづくり」の文字よりなるところ、全体として「健康をつくることは幸せをつくること」といった意味合いを容易に看取できるものである。
ところで、2003年5月1日に「健康増進法」が施行され、食生活、運動、休養、飲酒、喫煙(なかでも「受動喫煙の防止」が明記)など70の生活習慣について10年後の目標値が掲げられたことから、執務室、駅ホームやバス停留所での喫煙が禁止される等、国や各自治体が健康について一般国民に啓蒙し、個人個人が健康について自覚と関心を強めている傾向が見られる。そして、「健康づくりは幸せづくり」の文字が、健康に関する各種行事などにおいて前記意味合いを有する語として、記述的にあるいは標語やキャッチフレーズとして使用されている実情があることが、たとえば下記のインターネット情報などからも明らかである。
ア「市政たより きたきゅうしゅう 平成16年2月1日号」によれば、「若松区版 編集:若松区役所まちづくり推進か■区民医学講座「健康づくりは幸せづくり〜食生活から健康を考える〜 健康で充実した食生活を楽しみましょう」(http://www.city.kitakyushu.jp/~k0103010/dayori/2004/040201/wakamatu.html)との記載があること、
イ「港区ポータルサイト 広報みなと2004年6月11日号」によれば、「健康みなと21 健康みなと21のキャッチフレーズとロゴマーク(アイデア)の入賞作品が決まりました キャッチフレーズ入賞作品 健康づくりは幸せづくり 鈴木芳江(区内在住)」(http://www.city.minato.tokyo.jp/koho/2004/km040611/1549tps2.html)の記載があること、
ウ「一関市ホームページ 一関総合計画」によれば、「2−3.健康長寿を実感できる都市の創造 施策の体系(1)健康づくりは幸せづくりの総合支援 (2)元気で長生きできる市民の健康づくり」(http://www.city.ichinoseki.iwate.jp/sougou/4keikaku/1-2-3.html)との記載があること、
エ「健康ネット財団法人 健康・体力づくり事業財団・・・[健康づくり 1995年12月 連載ルポ]」によれば「創意工夫で、高医療費抑制に成功 徳島県●小松島市 市を挙げて健康づくり ・・毎年恒例の「健康づくり市民の集い」は、今年で第16回を迎える。・・・。今回のテーマは「幸せづくりは健康から〜さあ!始めよう心も体も私流〜」(http://www.chealth-net.or.jp/data/meru03/jireisshu/k521.html)との記載があること。
加えて、本願商標の指定商品及び指定役務は、例えば化粧品、医薬品、医療器械、飲食物等の商品、各種の趣味、スポーツ、旅行・宿泊、外食、医業等に関する役務であり、いずれも健康さらに人間の幸せに密接に関係する商品及び役務といえるものである。
そうとすれば、本願商標は、これを補正後の指定商品・指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者をして、請求人(出願人)の創作した商標とは理解されず、むしろ、前述の実情に相応して「健康に適した商品又は健康に効果のある商品」(例えば、食品、薬剤)及び役務(例えば、飲食物の提供、医業、健康診断)であり、それが幸せに結びつくことを記述的に表現したものとして把握・認識されるにすぎないとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品・指定役務に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けに企業のイメージを訴えるためのキャッチフレーズ(キャッチコピー)の一類型と理解するに止まり、それをもって自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品・役務であるのかを認識することができない商標というべきである。
なお、請求人は、本願商標は文章構造において対句を用い特異性を表したものであるから、自他の商品または役務を識別する機能を発揮するものである、さらに、出願人は本願商標をコーポレートスローガン兼サブブランドとして使用しており、そのため出所表示としての機能を発揮し得ている、また、他の登録商標を引用して、本願商標を登録すべきである旨主張している。
しかしながら、本願商標は、標準文字で表され、かつ自他商品・自他役務の識別標識とは認識し得ないものであること前記の通りである。
そして、たとえ、出願人が1955年の創業以来「健康づくりは幸せづくり」を基本に事業を発展させたことについて、インターネット上のホームページ等で表示しているとしても、これをもって本願商標がコーポレートスローガン兼サブブランドとして広く一般に知られているとは認められない。
また、他の登録商標は、その文字構成等において登録要件を具備するものであり、本願商標とは事案を異にするものでといわざるを得ない。
そうとすると、前記請求人の主張は、何れも採用できないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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