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Trademark Appeal Case

著名商標と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2004−89026(T2004−89026/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1.本件商標

本件登録第4601647号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年12月7日に登録出願され、「アスプリ クラス」の文字と「ASPRI CLASSE」の文字を上下2段に横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成14年9月6日に設定登録されたものである。

第2.請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録商標は、以下の通り

登録第1193679号商標は、「ASPREY」の文字からなり、第24類「おもちや、人形、その他本類に属する商品」を指定して、昭和48年8月19日登録出願、昭和51年4月5日に設定登録されたものである。

登録第1213090号商標は、「ASPREY」の文字からなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定して、昭和48年8月19日登録出願、昭和51年8月9日に設定登録されたものである。

登録第1222915号商標は、「ASPREY」の文字からなり、第21類「マニキュアセット、化粧用具入れ、その他の化粧用具、宝玉およびその模造品、その他本類に属する商品」を指定して、昭和48年3月26日登録出願、昭和51年10月1日に設定登録されたものである。

登録第1224380号商標は、「ASPREY」の文字からなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定して、昭和48年4月3日登録出願、昭和51年10月7日に設定登録されたものである。

登録第3276490号商標は、「ASPREY」の文字からなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて」を指定して、平成5年2月8日登録出願、平成9年4月11日に設定登録されたものである。

登録第3342076号商標は、「ASPREY」の欧文字からなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定して、平成5年2月8日登録出願、平成9年8月29日に設定登録されたものである。

登録第4013753号商標は、「ASPREY」の文字からなり、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定して、平成5年2月8日登録出願、平成9年6月20日に設定登録されたものである(以下、7件を一括して「引用商標」という。)。

第3.請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第44号証を提出した。 本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。

1.請求の理由

(1)引用商標の著名性について

前記7件の引用商標は、請求人であるアスプレイ ホールディングス リミテッド(以下「アスプレイ社」という。)が、創立以来200年もの長きに渡り、幅広く使用している著名商標である(甲第9号証ないし甲第40号証、甲第42号証)。

アスプレイ社は、1781年に宗教弾圧を逃れてフランスから英国に渡ってきたウィリアム・アスプレイがロンドン郊外でシルクプリントの事業を始めたことに端を発するものである。以来、そのフランス仕込みの繊細なロココ調デザイン、仕上げ技術が英国各地の貴族たちに認められ名声を高めた。

そして、1861年には、ビクトリア女王から王室御用達の貴金属・宝石商としての許可「ロイヤル・ウォラント」を授けられた。現在では、エリザベス女王、チャールズ皇太子も含めた御用達指定を三つ授かり、英国を代表するブランドの一つである。アスプレイ社は「お客様のご要望は何でもつくって差し上げる」ということを同社の方針・モットーに掲げており、指輪、ペンダント、ブローチ、イヤリング、宝石貴金属オブジェ、カフス、キーホルダー、ウォッチ、時計、書斎用品、アタッシュケース、革小物、銀食器、旅行用品、ゲーム用品、文具用品等、実にさまざまな商品を製造・販売している。

主な作品としては、アイゼンハワー元大統領の金婚式記念のローズボール、ダービー卿が日本の競馬会に寄贈したトロフィー、また最近では、映画「タイタニック」で主人公が持つ「碧洋のハート」とよばれるペンダントなどがあげられる。

日本においても、1991年に日本駐在員事務所を開設し、日本市場での積極的な販売促進活動を展開している。

以上のように、アスプレイ社の商品は、世界及び日本において広く知られており、また同社の商標「ASPREY」が実に多岐に渡る商品について使用されていること、またされ得ることを一般需要者・取引者に容易に推測・認識されるに至っている。ここで、請求人は商標「ASPREY」について、マドリッドプロトコルによる国際商標登録出願(国際登録第782631号/国際分類第9、11、24、27、35類)を行ったところ、拒絶理由通知を受けたが、該拒絶理由通知において、商標「ASPREY」が「宝飾品」について著名な商標であることから、当該国際商標登録出願に係る商標は、著名商標「ASPREY」の商標権者であるアスプレイ アンド カンパニー ピーエルシー(注:請求人の旧名称であり、請求人とは同一主体である。)の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標であり商標法第4条第1項第15号に該当する旨が明記されている(甲第42号証)。かかる記載はまさに、特許庁が商標「ASPREY」が著名であることを認められた一証左である。

以上により、請求人の登録商標は、長年に渡り使用された結果、本件商標の出願時である平成13年12月7日時点において日本国内において著名になっていると確信する。

(2)本件商標と引用商標の類否

本件商標は、「アスプリ クラス」の文字及び「ASPRI CLASSE」の文字からなり、これらの文字に相応して「アスプリクラス」の称呼を生じる。ここで、本件商標を構成する「クラス/CLASSE」部分は、英語の「CLASS」と同様の語源を有し、一般に「等級,上級,高級,一流」(甲第41号証)といった意味内容を持つ語として認識されていることから、識別力は弱く、従って、本件商標の要部は「アスプリ/ASPRI」部分であると考えらる。

一方、引用商標は、「ASPREY」の欧文字からなり、その文字に相応して「アスプレイ」ないし「アスプレー」の称呼が生じる。ここで、本件商標は、最も聴取されやすく注意を喚起する接頭語において同一の「アスプ」の文字を持ち、接尾語において「リ」と長音からなる「レー」ないし「レイ」の差異しかない。この「リ」と「レ」音は、共にラ行に属する近似音であり、それらは称呼において識別上比較的印象され難い中間音であることから、本件商標は、引用商標と称呼上類似する商標であるといえる。

また、本件商標と引用商標は、外観において接頭部に有する欧文字「ASPR」部分までが同一であり、接尾語において「I」と「REY」の相違点のみしか認められないことから外観上も類似するものといえる。

以上のことから、本件商標と引用商標は称呼上、外観上も明らかに類似する商標であると確信する。

(3)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、請求人の生産する商品を表示するものとして著名な引用商標と同一又は類似し、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

(4)商標法第4条第1項第15号について

請求人の商品を表示するものとして著名な引用商標と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が請求人の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、同人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめるおそれがあることが極めて高いといわざるを得ない。特に、本件商標にかかる指定商品「被服」は、請求人の指定商品「かばん類,袋物,傘,貴金属」等と同じ、「ファッション」という範疇に入ることで密接な関連性を有し、一緒の場所にて販売されることも多く、需要者を共通にするものである。

従って、本件商標をこれらの指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、本件商標を請求人の「ASPREY」商品の一つとして認識し、その出所について混同を生じる可能性が極めて高いと思料する。前述のように、請求人の商標は、実に多岐に渡る商品について使用されていること、またされ得ることを一般需要者・取引者に容易に推測・認識されるに至っていることに照らせば、幅広い商品について出所の混同が生ずる蓋然性がある。

このことから、本件商標「アスプリ クラス/ASPRI CLASSE」が指定商品に使用された場合には著名商標「ASPREY」との間に混同が生じるおそれが極めて高いといわざるを得ない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(5)むすび

以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、第10号及び15号に該当し、同法第46条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2.弁駁の理由

(1)被請求人は答弁書中において、本件商標は、『全体をもって一体不可分の構成よりなるものであり、「アスプリクラス」の称呼のみを生ずるものであり、「アスプレイ」の称呼を生ずる引用商標と何等類似するような商標ではない旨、答弁している。

しかしながら、審判請求書においても主張したように本件商標は引用商標と類似するというべきであることから、以下において両商標の類否について弁駁する。

(2)まず、被請求人は答弁書中において『本件商標中の「クラス/CLASSE」の部分は、審判請求人の主張するように、英語の「CLASS」ではない。仮に、英語の「CLASS」であっても、「CLASS」の文字、またはその表音である「クラス」の片仮名文字は、下記のように単独で登録されており、識別力が弱いと断定することはできないと主張している。

しかしながら、本件商標中の「クラス/CLASSE」は、英語の「CLASS」と語源を共通にするフランス語であるが(甲第43号証)、その意味内容は一般需要者に容易に想起できるものであり、英語の「CLASS」と同一の意味内容を有する語として認識されることが明らかである。現に、本件商標は、「CLASSE」の文字部分に対応する片仮名文字を「クラッセ」ではなく、「クラス」としていることからしても上記のように考えるのが相当である。

次に、被請求人は、「CLASS」の文字、またはその表音である「クラス」の片仮名文字は、下記のように単独で登録されており、識別力が弱いと断定することはできない旨主張しているが、まず、「CLASS」の文字、またはその表音である「クラス」の登録例は、いずれも本件商標の指定商品である「被服」等とは全くことなる商品についての登録例であることから、指定商品「被服」等との関係で識別力を有さないとの請求人の主張に対しては何等説得力を欠くものである。

また、指定商品「被服」等のファッション分野においては、「等級、上級、高級、一流」といった意味を表す語として「クラス感のある」といった使い方がしばしばなされており(甲第44号証)、かかる点からも、本件商標中の「クラス/CLASSE」は、指定商品「被服」等との関係で識別力がない、もしくは弱いと言わざるをえず、従って、本件商標の要部は「アスプリ/ASPRI」部分である。

そして、かかる部分と引用商標を比較すると、請求人がすでに審判請求書において主張した通り、本件商標と引用商標は称呼上・外観上類似するものである。

(3)また、被請求人は、答弁書において、本件商標と、引用商標「ASPREY」の文字からなる商標とが、誤認混同を生ずるとは考えられないと主張しているが、引用商標の著名性については、審判請求人がすでに審判請求書において主張した通りであり、かかる内容に鑑みれば本件商標の要部を構成する「ASPRI」と引用各商標との混同が生じないとの被請求人の反論は成り立たないものである。すなわち、本件商標と請求人の引用商標は、審判請求書において述べた通り、本件商標と類似することは明白であり、これらの引用商標は、審判請求人の保有する著名商標であることに鑑みると、本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が請求人の提供にかかるものであるかのごとく、あるいは、請求人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめるおそれがあるといわざるをえない。

以上に述べたとおり、請求人は被請求人の答弁に対し弁駁し、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

第4.被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。

請求人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号に該当し、商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきものであると主張している。しかしながら、被請求人は請求人の主張事実を認めることはできないので、以下にその理由を述べる。

(1)本件商標は、「アスプリ クラス」及び「ASPRI CLASSE」の文字を二段に横書きしたものである。このように、本件商標は、それぞれの文字が同じ書体、同じ大きさで外観上一体に表されており、それぞれより生ずる称呼も冗長に亘るものでもなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

このため、一部の文字部分をもって取引に資されるものではなく、全体をもって一体不可分の構成よりなるものであり、「アスプリクラス」の称呼のみを生ずるものであり、「アスプレイ」の称呼を生ずる引用商標と何等類似するような商標ではない。

ところで、請求人は、本件商標中の「クラス/CLASSE」の部分に着目し、この部分の識別力が弱く、本件商標の要部は、「アスプリ/ASPRI」の部分であると主張している。

しかし、本件商標中の「クラス/CLASSE」の部分は、請求人の主張するように、英語の「CLASS」ではない。

仮に、英語の「CLASS」であっても、「CLASS」の文字、またはその表音である「クラス」の片仮名文字は、下記のように単独で登録されており、識別力が弱いと断定することはできない。

「CLASS/クラス」 登録第2521847号(乙第1号証)

「クラス」 登録第3170542号(乙第2号証)

「クラス/CLASS」 登録第3186955号(乙第3号証)

「クラス/CLASS」 登録第3338300号(乙第4号証)

「CLASS/クラス」 登録第4009052号(乙第5号証)

「CLASS/クラス」 登録第4037520号(乙第6号証)

「CLASS/クラス」 登録第4290524号(乙第7号証)

「クラス/CLASS」 登録第4408003号(乙第8号証)

「クラス/Class」 登録第4492622号(乙第9号証)

このように、「CLASS」の文字は、単独で登録されており、本件商標中の「CLASSE」も下記の登録例からして、勿論識別力を充分有するものである。

「CLASSE/クラス」登録第4105281号(乙第10号証)

「CLASSE」 登録第2480828号(乙第11号証)

「CLASSE」 登録第2633653号(乙第12号証)

「CLASSE」 登録第2703730号(乙第13号証)

この点については、下記の登録例からも裏付けることができる。

「DEUXIEME/ドウーンエーム」

登録第2147236号(乙第14号証)

「DEU×IEME CLASSE」

登録第3277913号(乙第15号証)

請求人の主張が正しいのであれば、上記甲第14号証と甲第15号は併存し得ないはずである。両商標が併存しているということは、「CLASSE」の文字に識別力があり、この部分の有無によって、二つの商標が非類似と判断されていることに他ならない。

したがって、本件商標は識別力を有する文字が外観上、一体に表されており、その一部分を抽出するようなことはない。

このため、「アスプレイ」の称呼を生ずる引用商標とは、その称呼上から何等類似するような商標ではない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に該当するものではない。

(3)請求人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する旨も主張している。

しかし、前述したように、一体不可分の構成よりなる本件商標と、部分的にも共通性を有しない「ASPREY」の文字からなる商標とが、誤認混同を生ずるとは到底考えられない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでもない。

(4)ところで、請求人は、本件審判に先立って登録異議の申立てを行っている。

その主張した理由及び証拠は、本件審判と殆ど同一であり、下記の証拠に示すように不成立となっている。

異議の決定 異議2002−90852(乙第16号証)

確かに、登録異議の申立てと登録無効審判は、目的、手続きが異なるため、重ねて請求すること自体は問題ないが、殆ど同じ理由、証拠によって、全く異なった結論が出るようでは、登録異議の申立てと登録無効審判に対する信頼性は著しく損なわれてしまう。この点も充分考慮されるべきである。

(5)以上述べたように、本件商標は、何等無効理由を有するような商標ではない。

また、登録異議の申立てと登録無効審判に対する信頼性の観点からも、両者で全く異なった結論が出ることは好ましくない。

よって、本件審判については答弁の趣旨通りの審決を求めるものである。

第5.当審の判断

1.本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、前記したとおり「アスプリ クラス」及び「ASPRI CLASSE」の文字を併記してなるところ、これら上段及び下段に書された各文字は、それぞれ同じ書体、同じ大きさの文字で外観上もまとまりよく一体的に表されていて、これより生ずる称呼も冗長に亘るものではなくよどみなく一気に称呼し得るものである。

そして、その構成中の「CLASSE」の語が英語の「class」(クラス)と同義語で「学級、クラス、階級」等を意味するフランス語であるとしても、かかる構成において、この文字部分を省略して前半の「アスプリ」及び「ASPRI」の文字部分のみを捉えて、これより生ずる称呼をもって取引に資されるとみるべき格別の事由は見出せないものであるから、本件商標は、構成文字の全体をもって「アスプリ組(クラス)」といった意味合いを看取させる一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。

してみれば、本件商標は、その構成文字の全体に相応して「アスプリクラス」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。

これに対し、引用商標は、いずれも「ASPREY」の文字よりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して「アスプレイ」の称呼を生ずる造語よりなるものと認められる。

そうとすれば、本件商標から生ずる「アスプリクラス」の称呼と引用商標から生ずる「アスプレイ」の称呼とは、構成音数の差異、配列音の差異等により明らかに聴別し得るものというべきである。

また、両商標は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観において十分に区別し得る差異を有するものであり、さらに、観念については、いずれも特定の意味合いを看取し得ない造語と認められるから、両者は比較することができない。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれよりみても非類似の商標といわなければならない。

2.出所の混同の有無について

請求人の提出に係る証拠によれば、請求人は1781年の創業に係り「ASPREY」の文字からなる商標を使用した宝飾品が、例えば、読売新聞社発行の「The一流品 PART2」(1987年4月20日発行)、「The一流品 PART3」(1988年5月6日発行)、さらに「The一流品 PART12」(1997年11月25日発行)、「The一流品PART13」(1998年11月26日発行)に長年に亘り掲載されていることからすると、「ASPREY」の文字からなる引用商標は、本件商標の登録出願の時には、請求人がその業務に係る宝飾品等を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。

しかしながら、本件商標は、前述のとおり、一体不可分の構成よりなる商標であって、「ASPREY」の文字からなる引用商標とは類似しない別異の商標といえるものであり、他に、両商標間に誤認混同の生ずる事由は見出し得ないものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者・需要者がこれより引用商標「ASPREY」を連想、想起するものとは認められない。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、請求人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

3.むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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