結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30770(T2003−30770/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1628239号商標(以下「本件商標」という。)は、「ATARI」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年7月12日に登録出願、第24類「家庭用テレビゲームおもちゃ、その他本類に属する商品」を指定商品として、同58年10月27日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁の要旨を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
本件商標は、その指定商品中、「遊戯用器具、ビリヤード用具」について継続して3年以上日本国内において使用された事実がない。
したがって、その登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきである。
(1)請求人が登録の取り消し対象としている指定商品は、「遊戯用器具,ビリヤード用具」であることを再度明確にする。そして、ここでいう遊戯用器具とは、たとえば特許庁商標課編の「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準によれば「コリントゲーム器具 スマートボール器具 抽選器 ぱちんこ器具」(類似群24B02)が示されているが、これと同等の商品が該当するものである。一方、同審査基準では、「業務用テレビゲーム機」は現行区分第9類(類似群09G53)に属しており、昭和34年法における商品区分においても第9類に属するものであった。
(2)そこで、被請求人が提出した乙第1号証を検討すると、その3枚目の写真からも明らかなように、コインスロットが設けられており、業務用の機器である。そして、正面に大きくモニター画面を、さらにモニター下方には操作ボタンやレバーを確認することができることから、当該証拠に表示された機器はいわゆるゲームセンターに設置されている「業務用テレビゲーム機」である。
つまり、被請求人は本件取消請求の対象である「遊戯用器具,ビリヤード用具」のいずれについても使用の事実を証明しているものではなく、全く関係がない第9類「業務用テレビゲーム機」に関する商品を証拠として提示しているに過ぎない。
したがって、仮に乙第1号証に記載の業務用テレビゲーム機の内部回路としてソフトウエア・基板を組み込んであり、かつこれらについて本件商標を使用していたとしても、本件商標登録の取消を免れることはできない。
なお、乙第2号証についても、「レトロ基板レンタル」とのタイトルがあるが、第1頁左上写真の下に「世界初の業務用TVゲーム機、...」と明示されているように、乙第2号証に列挙された基板リストの基板の取付対象は第9類の業務用テレビゲーム機であり、本件商標の指定商品である「遊戯用器具」ではない。
(3)上述の通り、被請求人が提出した証拠は、何れも本件取消請求に係る指定商品の何れについての商標の使用をも立証できるものではない。
(4)被請求人は上申として審理の進行を猶予することを求め、その理由として被請求人が世界的規模で展開する事業者であるとか、証拠収集及び整理に少なからぬ時間を要するとしているが、到底是認できない。
被請求人は在外者であるが、答弁書提出期限については延長が認められたはずであり、かつ証拠については日本国内の使用事実を立証すれば足りるものである。
したがって、答弁書の提出期限内に当該立証責任を果たすことができなければ、いたずらに審理遅延を引き起こすだけであり、請求人にとっては重大な影響がある。
よって、早急なる審理の進行を強く願う次第である。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。
理由
(1)商標権者について
本件商標の商標権者「アタリ コーポレイション」(以下、「アタリ社」ともいう。)は、アメリカにおいて設立され、テレビゲーム機やテレビゲーム機に使用されるソフトウエア・基板を中心に各種おもちゃを製造・販売してきた。
アタリ社の製造に係る商品は、その遊戯性の高さにより需要者達から注目を浴び、数多くの商品がヒット商品となり、その結果としてアタリ社は瞬く間に業界内において確固たる地位を築き上げ、世界的メーカーとしての名声を確立した。
現在でも、アタリ社は世界的に事業を展開し、その製造に係る各種商品を世界中で販売しており、極めて著名なメーカーとして需要者・取引者に認知されている。
(2)本件商標の使用態様
商標権者は以下の証拠から明らかなように、その製造に係る本件商標を付した商品を販売することにより、本件商標を使用している。
(ア)本件商品の態様について
乙第1号証は、本件商標が使用されている商品である「遊戯用器具に使用されるソフトウエア・基板」を組み込んだ商品の写真である。
ここに明らかなように、当該商品の上部パネル部分に、内部に組み込まれ使用されているソフトウエア・基板の製造・販売者の表示として、本件商標が明記されている。
乙第2号証は、商標権者の製造に係る本件商品について、そのレンタルを行っている業者のウェブサイトの写しである。ここに明らかなように、商標権者の製造に係る商品について、「現在利用できる基板」としてリストに掲載されており、現在も貸与に供されていることが明示されている。
すなわち、本件商標は、その指定商品に属する商品である「遊戯用器具に使用されるソフトウエア・基板」について今現在使用されているものである。
なお、本件商品「遊戯用器具に使用されるソフトウエア・基板」は、本件商標の出願時に採用されていた『類似商品審査基準(改訂第5版)』においては商品表示として明記されていなかったところ、商標権者としては「遊戯用器具に使用されるソフトウエア・基板」は「遊戯用器具」の範疇に属するものと思料して本件商標を出願・登録に至ったものである。
(イ)商標の同一性について
乙第1号証に明らかなように、本件商品には、本件商標と社会通念上同一の商標が付されている。
すなわち、本件商標は上記した通り欧文字「ATARI」をやや太めの活字体を用いて一連に横書きに書した構成からなるが、商標権者が本件商品に付して実際に使用している商標は当該活字中、第3文字目の「A」と4文字目の「R」を重ねてややデザイン的にした構成からなっている。
しかし、実際に使用している商標は、それを構成する欧文字が「ATARI」であることを容易に看取できる態様であり、その称呼も本件商標と全く同一である。
また、「ATARI」の語が、商標権者の名称であり、この語自体が極めて強い自他商品識別標識としての機能を有するものであることから、本件商標と実際の使用に係る商標はその観念においても全く同一である。
したがって、本件商標と実際の使用に係る商標とは、社会通念上同一の商標である。
以上より、本件商品に付された上記した通り商標を使用する行為は、登録に係る本件商標を使用する行為と認められるものである。
(3)以上総合すると、本件商標は、商標権者により、本件商標の指定商品に含まれ本件取消審判の請求に係る商品「遊戯用器具,ビリヤード器具」に属する商品である「遊戯用器具に使用されるソフトウェア・基板」について、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内で継続して使用されたことは明白であるから、本件審判の請求は理由のないものであり、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきではない。
被請求人の提出に係る乙第1号証は、被請求人の主張によれば、本件商標が使用されている商品(以下「本件使用商品」という。)を組み込んだ商品の写真であるとしているが、その本件使用商品を組み込んだ商品は、コインスロットが設けられており、正面に大きくモニター画面を、さらにモニター下方には操作ボタンやレバーを確認することができることから、ゲームセンターに設置されている「業務用テレビゲーム機」であると認められるので、本件使用商品は、「業務用テレビゲーム機」用のものといわざるを得ない。
また、乙第2号証のウエブサイトの写しには、「世界初の業務用TVゲーム機、...」と記載されており、そこに列挙された基板リストの基板の取付対象は「業務用テレビゲーム機」であると認められる。
そうすると、本件使用商品は、請求に係る商品「遊戯用器具、ビリヤード用具」の範疇に属するものとは認められない。
そして、被請求人は、本件商標を請求に係る商品に使用していることについて、上記乙第1号証及び乙第2号証のほか、何等立証していない。
してみれば、本件商標は、商標権者により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品について使用していなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「遊戯用器具、ビリヤード用具」についてその登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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