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Trademark Appeal Case

RESERVAの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−8431(T2001−8431/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「RESERVA 1800」の欧文字と数字とを書してなり、第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年11月10日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同13年1月5日及び当審における同16年6月17日付け手続補正書により、第33類「メキシコ国ハリスコ州産の蒸留酒」に補正されたものである。

第2 当審において通知した拒絶の理由(要旨)

1 本願商標は、「取って置き、たくわえ」(西和辞典(増訂版)株式会社 白水社)等の意味を有するスペイン語「RESERVA」の欧文字と、西暦を表したものと認識される「1800」の数字とを、若干のスペースを空けて一連に「RESERVA 1800」と普通に用いられる方法で書してなるものである。

ところで、本願の指定商品「テキラ酒」は、竜舌蘭を原材料とする、メキシコ合衆国の特産酒であり、当該国はスペイン語を公用語としていることから、商品の品質等を表す表示には、通常、スペイン語が用いられる。同様に、世界各国において、その国の言語による品質表示が商品に使用されることは極めて自然なことであり、洋酒の輸入自由化が進んだ現在、我が国においても、世界中の様々な言語で品質が表示された商品が多数市場に流通している状況がある。

そのような状況下で、他の言語で本願商標中の「RESERVA」に相当する語、例えば、英語の「RESERVE」(「〈物などを〉(...のために)取っておく,保存する,蓄え」(ランダムハウス英和大辞典(第2版)小学館))、イタリア語の「RISERVA」(「保存,貯蔵,蓄え」(小学館 伊和中辞典))等及びそれらを片仮名文字で表したものが、本願の指定商品並びにこれと販売部門、需要者、品質等において同一性が認められる本願の指定商品以外の「洋酒」及び「果実酒」(以下「洋酒等」という。)を取り扱う業界において、その商品が「とっておきのもの」「(たくわえて)熟成したもの」であるという、商品の特色ないし品質を表すものとして使用されていることが、例えば次のような新聞記事及びインターネットのホームページにおいて、その記述が認められる。

(A)「ジャパンフード・アンダルシア州食品見どころ:香り高いブランデー」との見出しの下、「スペイン国内では...中でも熟成された高級品『GRAN RESERVA』は、レストラン、ホテル向けに人気がある。」(2000年9月22日 日本食糧新聞)との記述、

(B)インターネットのホームページ「インターネットで気軽にスペイン」において、「スペインワインに乾杯!」の表題で、「ワインの種類」として「Reserva(レセルバ) 赤で最低3年、白・ロゼで最低2年の熟成が条件。Gran Reservaほどではないにしろ、たっぷりとしたコクがあり、かつ値段はかなり求めやすくなります。」(http://www.spain-japan.com/wine/do2.html)との記述、

(C)インターネットのホームページ「GULLIVER CLUB」において、「ワインの豆知識」の「ワイン用語辞書」の表題で、「レセルバ Reserva:スぺイン語 赤は樽と瓶で36ヵ月熟成、白とロゼは樽と瓶で24ヵ月熟成のワイン。」(http://www.asahi-net.or.jp/~ju4j-ishr/kisowine-jiten6.html)との記述、

(D)インターネットのホームページ「リカーヴィラアイザワ」の「通販」において、「ラム」の在庫情報として、「パナマラム最大手メーカーのラム3種」「メルコン・ラム5年レゼルバ」(http://www.aizawa-web.com/zaiko/srum11.htm)との記述、

(E)インターネットのホームページ「Barman’s Material 洋酒・輸入酒専門店」において、「スピリッツ/ラム」の表題で、「マッサレム グラン・レゼルバ・15年」(http://www.barmans-material.com/list-spirit-rum4.html)との記述、

(F)インターネットのホームページ「S.Tanida’s Home Bar」の「Spirits、Tequila」において、「1921・レゼルヴァ・エスペシャル 1995年3月の創業。ハイランド地区、Jesus Mariaに本拠を置く、アガヴェ・テキラーナ・プロダクトーレス社がリリースするシングルバレル・テキーラ。」(http://member.nifty.ne.jp/~tanida/my_home_bar/Spirits_tequila.html)との記述、

(G)インターネットのホームページ「SUNTORY」の「製品情報」において、「サントリーウイスキー リザーブ10年 サントリー160余万樽に及ぶモルト原酒の中から酒齢10年以上の熟成モルトを厳選し、同じく酒齢10年以上の円熟グレーンとブレンド。(商品のラベルには「AGED 10 YEARS SPECIAL RESERVE」との文字が認められる。)」(http://www.suntory.co.jp/whisky/reserve/info.html)との記述、

(H)インターネットのホームページ「Passion for Good Life with Good Wine」の「ワインリスト」において、「サンタアリシア」の項に、「リザーブ 選ばれた高品質の原料葡萄をフレンチオーク&アメリカンオークの木樽で熟成させた高級ワイン。しかも品質に比べリーズナブルな価格が魅力。」(http://www.kinoshita-intl.co.jp/santa_alicia/reserve.html)との記述、

(I)インターネットのホームページ「お酒のデパート もりもと」の「シャンパン、スパークリングワイン」において、「ヴーヴークリコ ポンサルダン ブリュット...3年以上熟成させたリザーブワインを30%ブレンドし...」(http://www.curio-city.com/morimoto/639/31518.html)との記述、

(J)インターネットのホームページ「Town Shop TANAKA−YA」の「ワイン小辞典」において、「リゼルヴァ Riserva:とっておきのワインの意味。イタリアでは法定の期間樽で熟成させたもの。」(http://www.netlaputa.ne.jp/~wine/knowage/dictionary.htm)との記述、

(K)インターネットのホームページ「永岡酒店」の「お酒の雑学」のコーナー「ワイン用語〜イタリア〜」の表題で、「リゼルヴァ(Riserva) 定められた最低熟成期間に、さらにある期間以上熟成させたワインのこと。」(http://www.nagaoka-n.com/framewine001.html)との記述がある。

このように、本願商標中の「RESERVA」の語及び他の言語においてこれに相当する語若しくはこれらを片仮名文字で表したものが、洋酒等を取り扱う業界において、商品の特色ないし品質を表すものとして一般に使用されている実情があることからすれば、本願商標中「RESERVA」の文字部分は、本願商標に接する需要者が、その商品が「とっておきのもの」「(たくわえて)熟成したもの」であるという、商品の特色ないし品質を表したものと認識するにすぎないものであるといわざるを得ない。

また、洋酒等を取り扱う業界において、数桁の数字が、その商品の製造年、熟成年、発売年、会社の創業年、創業年数等を表すものとして一般に採択、使用されていることからすると、本願商標中の「1800」の数字は、出願人(請求人)(以下「請求人」という。)が認めているように、請求人会社の創業年を西暦で表したものであるが、請求人のこの数字へのこだわりとは別に、これに接する需要者は、西暦を表したものであろう程度に認識、理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能は果たし得ないものである。

さらに、本願商標を全体としてみた場合、「RESERVA」の欧文字と「1800」の数字とを組み合わせたことによって、それぞれが有する意味合いを超えた、新たな熟語的意味合いが生ずるものともいえないものである。

してみると、本願商標をその指定商品に使用しても、単に商品の特質ないしは品質及び西暦を普通に用いられる方法で表したにすぎないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その表示は権利範囲を定めるものとして適当なものでなければならないところ、請求人が原審における平成13年1月5日付け手続補正書において補正した本願の指定商品「テキラ酒」は、蒸留酒の原産地名称の保護の観点から、指定商品の表示としては適当でない。

したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

第3 請求人の意見

請求人は、上記第2の拒絶の理由に対し、平成16年6月17日付けの意見書において甲第1号証ないし甲第7号証を提出して、要旨次のように述べた。

1 拒絶理由2について

請求人は、意見書と同日付けの手続補正書をもって、本願商標の指定商品を「メキシコ国ハリスコ州産の蒸留酒」に補正した。

2 拒絶理由1について

(1)「RESERVA」の識別性

拒絶理由通知において挙げられた新聞記事及びインターネットホームページの例は、ほとんどがワインに関するものである。本願指定商品は「メキシコ国ハリスコ州産の蒸留酒」すなわち「テキーラ」であり、「テキーラ」とワインでは、その原産地、流通経路、需要者等多くの面において違いがあるため、これらを同列に論じることはできない。また、ワインは熟成させるのが一般的であり、熟成により価値が高まるものもあるため、「RESERVA」等の語が品質を表し得ることもあるが、「テキーラ」はそのような性質を有していない。すなわち、同じ「酒」であっても、品質を表示する語であるか否かは、その種類により各々異なっている。実際、「テキーラ」の取引過程において、「RESERVA」の語が「テキーラ」の特色・品質を表示するものとして普通に用いられている事実はない。

さらに、「いま買える酒1万2847点を収録」した酒の事典である、講談社発行「世界の名酒事典2004年版」(甲第1号証)には、「テキーラ」のラベルや瓶に「RESERVA」の語が用いられているものはない。したがって、「RESERVA」の語が、直ちに指定商品の具体的な特色・品質を認識させるとはいえない。

また、本願商標は「RESERVA」の欧文字と「1800」の数字が同書同大にまとまりよく組み合わさったものであり、これらは分離されることなく一体的に認識されるものである。

(2)「1800」の識別性

「テキーラ」はワインとは異なり、製造された年で品質が判断されるものでも、熟成させることにより価値が高まるものでもなく、その熟成期間が5年を超えることはなく、むしろ、長期間熟成させることにより苦みが増す、すなわち品質が劣化するという性質を有している。また、「テキーラ」の需要者層は、「テキーラ」が熟成に適さないという知識を有している者がほとんどである。したがって、「1800」の数字が「テキーラ」に付されていたとしても、それが、その製造年等を表示する西暦であると認識されることはない。

さらに、本願商標の「1800」の部分は、請求人の創業年であり、「テキーラ」その他の洋酒のラベルに製造会社の創業年を商標的表示することは一般的ではないから、「テキーラ」に「1800」という4桁の数字が表示されたからといって、それが直ちに西暦を表したものとして認識されるものではない。

また、上記「世界の名酒事典」の「テキーラ」の中には、請求人の商品を除いて、西暦に相当する数字が付されているものは存在しない。このことからも、「テキーラ」について4桁の数字が製造年・創業年を表示するものとして普通に使用されていないことは明らかである。

(3)請求人による「1800」の使用による識別性

「1800」は、請求人がその創業年を長い間1800年としていたことに由来するものであり(実際には1795年であったことが後に確認された)、請求人は「1800」の数字を付した「テキーラ」を数多く販売している。最も有名なものは、「クエルボ1800」であり、独自のホームページ(http://1800tequila.com)が存在する他(甲第3号証)、その他のインターネットホームページにおいても、この商品に関する記述を数多く発見することができる(甲第4号証)。そして、本商品の取引の際最も注意を引くのはこの数字部分であり、商標的機能を強く発揮しているのは「1800」の部分であるといえる。

これらのホームページの中には、「1800」がクエルボ社の創業年であることについて触れられているものも多くあることから(甲第5号証)、「1800」の意味するところについてもわが国で広く知られている。さらに、「1800年創業というのが後に誤りであったことが判明したにもかかわらず、本商品については訂正されることなく『1800』の数字を付したまま販売され続けている」ことも多くのページにおいて言及されている。このことは、「1800」を付したこれらの商品が、請求人のものとして有名になり、この数字により認識されるに至っているということを示しているものである。

また、甲第6号証からも、「クエルボ1800」の日本を含む世界市場におけるシェアは極めて高く、業界において著名であることがわかる。

さらに、甲第7号証は、請求人が全世界において有する、「1800」を含む商標を列挙したものである。このように数多くの商標を有している事実からも、「1800」を付した「テキーラ」が全世界で数多く販売され、多くの人の目に触れていることが推測される。

以上のように、「1800」という数字を付された「テキーラ」は、請求人の商品を示すものとして需要者の間に広く認識されているものである。

したがって、本願商標は、それ自体取引において普通に使用されているものではなく、かつ本願指定商品の具体的な品質等を直接に表示したものではないから、商標法第3条第1項第3号には該当しない。

また、仮に同号に該当する可能性があるとしても、「1800」という数字は、請求人による使用の結果、「テキーラ」については同人の取扱いに係る商品を表すものとして需要者の間に広く認識されていることから、同条第2項より、これを含む本願商標「RESERVA 1800」についても自他商品識別力を有するものである。

第4 当審の判断

当審において、請求人に対し、新たに上記第2の拒絶の理由を通知したところ、請求人は平成16年6月17日付けの意見書において甲第1号証ないし甲第7号証を提出して種々述べ、同時に提出の手続補正書によって、上記第1のとおり、本願の指定商品を補正しているが、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとした、当審における上記第2の拒絶理由1は妥当なものであって、請求人の述べる意見をもっては、以下に述べる理由により、その認定を覆すことはできない。

1 「RESERVA」について

請求人は、本願商標の指定商品は「メキシコ国ハリスコ州産の蒸留酒」(以下便宜的に「テキーラ」という。)であり、「テキーラ」と「ワイン」ではその原産地、流通経路、需要者等多くの面において違いがあるため、これらを同列に論じることはできない。また、「ワイン」は熟成させるのが一般的であり、熟成により価値が高まるものもあるが、「テキーラ」はそのような性質を有していない。すなわち、同じ「酒」であっても、品質を表示する語であるか否かは、その種類により各々異なっている。実際、「テキーラ」の取引過程において、「RESERVA」の語が「テキーラ」の特色・品質を表示するものとして普通に用いられている事実はない旨述べている。

しかしながら、本願商標中の「RESERVA」の欧文字は、拒絶理由にあるとおり、本来的に「取って置き、たくわえ」等を意味するスペイン語であり、嗜好品である「洋酒」を取り扱う業界においては、その生産者が、個人や身近な者同志で楽しむために、品質のよいものを特別に取って蓄えておくことが一般になされており、それと同等の品質のものを市場に流通させる場合に、それがもともとは特別にとっておいたものであるということを表すものとして、スペイン語の「RESERVA」又はこれに相当する他の言語、例えば英語の「RESERVE」等(これらを総括していうときは、以下「『RESERVA』等」という。)の文字が普通に使用されている実情がある。

そして、これは、拒絶理由中の(F)及び(J)の記述のように「RESERVA」の文字(語)が単独で又は誇称表示を伴って、「取って置き」という意味を表すものとして使用されているほか、「RESERVA」等の文字に、「FAMILIA」、「CASA」、「PRIVATE」等、他の語を付して、家族のためや自分のために特別にとっておいたものという意味を表すものとして使用されていることが、例えば、次のような書籍等の記述からも裏付けられる。

(a)「スピリッツ銘酒事典」(株式会社 新星出版社 2002年発行)の「テキーラカタログ」の項目中、請求人の取扱いに係る商品「ホセクエルボファミリーリザーブ」(163頁)の商品説明において、「アガベを100%使用しオーク樽で10年間熟成させたクエルボ社の最高級品。...JOSE CUERVO DE LA FAMILIA RESERVA...」との記述、

(b)インターネットのホームページ「S.Tanida’s Home Bar」の「Spirits、Tequila」において、同じく請求人の取扱いに係る商品「クエルボ・レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア...Cuervo Reserva de la Familia」の商品説明において、「クエルボ・レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリアは、クエルボ社創業200年記念として1995年に登場した、年産83,000本限定のスーパープレミアム・テキーラ。アメリカン・オークとフレンチ・オークの新樽に5年間、ラ・ロヘーニャ蒸溜所地下熟成庫で熟成された原酒から厳選された物をボトリング。文字通り”家族の為の特別貯蔵品”たる風格をたたえた逸品中の逸品。」(http://homepage3.nifty.com/~tanida/my_home_bar/)との記述、

(c)請求人が意見書において甲第2号証として提出した、インターネットのホームページ「About.com」における「Mexican Tequila」の解説中、「Tequila Catetgories」(テキーラの分類)の項目において、「テキーラ」の熟成等による5つの分類を挙げ、その1つとして「Reserva de Casa」(レゼルヴァ・デ・カーサ)があり、その意味するところは「Premium」(プレミアム)(http://gomexico.about.com/cs/mexicancuisine/a/tequila.htm?terms=tequila%81@categories)との記述、

(d)インターネットのホームページ「地酒ワイン.COM」(http://jizakewine.com/)のメールマガジン「ヨーロッパ市場向けモルトの限定案内」(2004年3月30日発行)の記事中、「『とっておきのモルトウイスキ−お買得速報』」の見出しのもと、「ラフロイグ樽で熟成させたポ−トモラン・デメララ・ラム10年“A&M PRIVATE RESERVE”BOTTLING」の商品紹介文において、「...『プライベートリザーブ』というブランド名がついているように、ボトラーというよりは、個人的な趣味でボトリングした意味合いが強く、今後も定期的にボトリングしていくことはないでしょう。...」(http://www.emaga.com/bn/?2004030085241799006893.whisky)との記述、

(e)インターネットのホームページ「リカーランドHAGIWARA」において、「チリワインリスト」の項目中、商品番号「P22」「サンタカロリーナ・レゼルヴァ・デ・ファミリア・カベルネ94年(赤)」の商品説明中、「レゼルヴァ・デ・ファミリアとは『家族の為の特醸品』ということ...」(http://www.veuve.net/chiri.htm)との記述、

(f)インターネットのホームページ「天井(あまい)鍼灸院」において、「磯キリンのぶどう酒道楽 エスパニアのワイン」の見出しのもと、「...同じ業者の作った物の中に、Crianza(『クリアンサ』と 読み、『育ちがよい』の意味)や、Reserva(『レゼルバ』と読み、『とっておきの』の意味)などと書かれた物があります。Crianzaは普通のワインより上級品 で、Reservaは最上級品と言うことになります。...」(http://www.plaza.across.or.jp/~harikyu/vin/winesp.html)との記述がある。

これらの記述から、「RESERVA」の文字(語)は、「取って置き」という意味合いで、様々な洋酒について、その品質を表すものとして使用されていることが認められ、この意味合いにおいて、「テキーラ」とその他の洋酒とを区別して考慮しなければならない理由は見出せない。

また、「RESERVA」の「熟成」という意味合いについてみると、請求人が提出した甲第2号証(抄訳)の、「シルバーは、熟成させず、60日以内に瓶詰めされる。...レポサド...は、2ヶ月から1年間熟成される。アネホ...は、少なくとも一年以上熟成されるが、5年以上熟成することはない。(テキーラは、長期間熟成することに利点はない。)」との記述からは、ワインなど他の洋酒に比べて期間は短いものの、「テキーラ」においても5年以内の熟成が行われるものがあることが認められ、また、前記(a)及び(b)の記述からは、請求人の取扱いに係る商品「テキーラ」の中には、10年程度熟成されるものもあり、これが最高級品として市場に流通していることが認められる。

そうすると、拒絶理由で示したように、「テキーラ」以外の洋酒について、「RESERVA」の文字(語)が「熟成」を意味するものとして普通に使用されている実情があり、前記のとおり、「テキーラ」においても熟成が行われているものも存在し、その長短によって商品の分類が決まるほど、熟成が「テキーラ」の品質にとって大きな要因となっていることからすると、該文字を本願の指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「熟成」されたものであることを表したものであると、認識、理解するにとどまるというのが相当である。

してみれば、本願商標中の「RESERVA」の文字(語)は、これをその指定商品に使用するときは、取引者、需要者が、その商品が「とっておきのもの」又は「(たくわえて)熟成したもの」であるという、商品の特色ないし品質を表したものと認識するにすぎないものであるといわざるを得ない。

2 「1800」について

請求人は、「テキーラ」は、製造された年で品質が判断されるものではなく、熟成期間が5年を超えることがないものであるから、「1800」の数字が「テキーラ」に付されていたとしても、それが、その製造年等を表示する西暦であると認識されることはなく、また、「テキーラ」その他の洋酒のラベルに製造会社の創業年を商標的に表示することは一般的ではなから、該数字は、直ちに西暦を表したものとして認識されるものではない旨述べている。

しかしながら、商標において、一般に、数桁の数字は、それ自体は簡単な構成の標章であり、取引上も商品の記号、符号等として一般に使用採択されているものであるから、もともと自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであるところ、本願商標中の「1800」の数字は、拒絶理由に示したとおり、洋酒等を取り扱う業界において、数桁の数字が、商品の製造年、熟成年、発売年、会社の創業年、創業年数等を表示するものとして普通に使用されていること、また、様々な記念ボトルが販売されることがあり、その際には西暦が一般に使用されること、加えて、当該「1800」の数字も200年ほど前の西暦として容易に看取され得ること等をあわせ考慮すると、これに接する取引者、需要者は、該数字が商品と何らかの関連性を有する西暦を表したものであろう程度に、認識、理解するにとどまるというのが相当である。

また、請求人は、同人がその創業年を長い間1800年としていたことに由来する「1800」の数字は、これを同人の取扱いに係る商品「テキーラ」について永年使用した結果、同人の商品を示すものとして需要者の間に広く認識されるに至ったものである旨述べている。

しかしながら、この事実を立証するものとして、同人が提出した甲各3号証ないし甲第7号証を検討しても、「1800」の数字を付した商品「テキーラ」が、我が国において、どの程度宣伝広告され、その結果、どの程度の販売量があったのかも不明であるから、該文字が、我が国において、請求人の商品を表すものとして需要者の間に広く認識されるに至っているものということはできない。

3 本願商標全体について

本願商標は、これを全体としてみた場合、「RESERVA」の欧文字と「1800」の数字とを組み合わせたことによって、それぞれが有する意味合いを超えた、新たな熟語的意味合いが生ずるものともいえないものであることは拒絶理由のとおりであって、他に、これらを常に一体のものとしてみなければならない特別の事情は見出せないものであるから、全体として一体不可分の商標とはいえないものであり、かつ、前記認定のとおり、これらは、それぞれ商品の特性又は品質及び西暦を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものであるから、結局、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。

4 商標法第3条第2項について

請求人は、「1800」の数字が、同人による使用の結果、「テキーラ」については同人の取扱いに係る商品を表すものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、これを含む本願商標「RESERVA 1800」についても自他商品識別力を有するものである旨述べている。

しかしながら、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品と同一の商品に関する場合のみと解されるところ、請求人の主張及び同人が提出した甲第3号証ないし甲第7号証は、「1800」の数字の識別性についてのみ主張、立証するものであって、これらによっては、本願商標「RESERVA 1800」が、使用により識別力を有するに至った商標であるということはできないものである。

5 結語

以上のとおり、請求人の主張はいずれも採用することができないものであり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同条第2項に該当するものではないから、本願は、前記拒絶理由1をもって拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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