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Trademark Appeal Case

不使用取消と金型の商品性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−31675(T2003−31675/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1291324号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲とおり、横長の黒塗り長方形内に「向陽技研株式会社」の文字を白抜きで表してなり、昭和48年12月25日に登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和52年8月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「金属加工機械器具」の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、請求人が使用状況の調査を行ったところ、継続して3年以上日本国において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品中「金属加工機械器具」について使用している事実がなく、また、不使用についての正当な理由も認められない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「金属加工機械器具」の登録を取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由

被請求人は、「『プレス加工金型』を製造することを業として行っている以上、販売しているのは明らかである。」ことを主張する証拠として乙第1号証ないし乙第9号証を提出しているが、これらの証拠は、いずれも被請求人が、取引会社から商品「吊り戸棚用昇降収納ユニット『エレベスイング』」の受注を受け、その受注商品を製作のための一部品である「プレス加工金型」に係る「金型・治具 預りし証(乙第2号証・乙第3号証及び乙第5号証)」であり、その「請求書明細書(控)(乙第4号証又は乙第6号証)」である。そのいずれも役務に係る証拠であって、「金属加工機械器具」に属する商品「プレス加工金型」の使用を示す証拠は、何一つないので、「金属加工機械器具」について、本件商標「向陽技研株式会社」は、使用していないものと認めざるを得ない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。

(1)被請求人である商標権者は、商標「向陽技研株式会社」を「金属加工機械器具」に付して、これを販売(譲渡)してきている。その販売(譲渡)行為は、間違いなく本件審判請求登録前3年以内に日本国内において行われている。このように、明らかな商標の使用があったものであるから、請求人の主張には理由がなく、本件審判の請求は成り立たないものと信ずる。

以下、本件商標使用の事実を証拠とともに明らかにする。

(2)被請求人は、一般プレス加工並びに自動送り金型の設計製作を事業として営んでおり、実際に「プレス加工金型」を製造し、これに黒く塗り潰した横長の長方形内に「向陽技研株式会社」の文字を太ゴシック体で白抜きにしたように付して、これを販売・譲渡している。

具体的には、被請求人は、取引関係にある株式会社ダイドー又は(同一住所の)関連会社大同化工機工業株式会社(以下「取引会社」という。)に、当該取引会社が扱う商品の部品の金型を製造・販売しているが、被請求人は一旦販売した金型を取引会社から預かり、そして、取引会社からプレス加工を受注するという事業の態様を採っている。

被請求人が取引会社へ「プレス加工金型」を販売しその後預かるという上述の事業の態様ではあるが、当然その金型の所有権は取引会社に残存しており、「プレス加工金型」には(白抜き文字で表示した)「向陽技研株式会社」の商標を付してあることから、これは商標法第2条第1項第1号及び第2号に規定する商標の使用である。さらに、「プレス加工金型」は旧第9類の「金属加工機械器具」に分類される「プレス用金型」に該当するので、被請求人は商標法第50条第1項に規定する商標の使用を行っていることは明白である。

4 当審の判断

乙第1号証ないし乙第9号証及び答弁の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1)被請求人(商標権者)は、平成15年9月30日及び同年10月31日に河内長野市上原町在の株式会社ダイドー(同社の関連会社は「大同化工機工業株式会社」)に同社から発注された吊り戸棚用昇降収納ユニットの部品を製造するための金型(金属用)に関する費用を乙第4号証及び乙第6号証に示す請求明細書をもって請求した事実

(2)乙第2号証及び乙第3号証に示される金型「本体カシメ型」には本件商標と同一といえる「向陽技研株式会社」の文字からなる商標が付されており、乙第5号証に示される金型「面押し共用金型」及び「カット、穴あけ金型」にも本件商標と同一といえる「向陽技研株式会社」の文字からなる商標が付されている事実、また、これらの金型に関する費用が乙第4号証及び乙第6号証に示す請求明細書をもって請求されている事実

ところで、請求人は、前記金型に関する費用について、金型の預かり料であって金型の販売代金ではないと主張するが、乙第4号証及び乙第6号証に記載されている金型に関する費用は、預かり料とするには高額にすぎるものであって、金型の販売代金と認められる。

また、請求人は、乙第2号証に係る書類は、にわか作りの書類であって証拠価値がなく、乙第3号証及び乙第5号証についても乙第2号証と同様に証拠価値がないと主張するが、乙第2号証に係る書類は、控えの書類であるために記載や写真の一部、被請求人会社の印等が省略されていると考えられ、乙第5号証についても同様と考えられる。そして、これらの書類は、その「保管ファイルNo.」の欄に記載がないことをもっても不審とすることはできない。

そしてまた、請求人は、被請求人の本件商標の使用は役務商標の使用であり、商品商標としての機能を果たす場がなく、商品商標の使用には該当しない旨主張する。

しかし、金型は、その本来の性格からして、通常は受注により一品製作的に生産されることが多く、同じものが大量に製造され市場に流通するというものではないが、本件商標が登録出願された当時及び現行の商標法施行規則の別表((旧)第3条関係と(現)第6条関係)の(旧)第9類と(現)第7類には、それぞれ「金属加工機械器具」に属する商品として「金属用金型」が例示されている事実、及び金型メーカーはその製造する金型に商標を使用して販売し、需要者は使用されている商標によりその出所を識別している事実からすると、このような金型についての商標の使用は、商品としての金型について商標を使用するものとみて差し支えないというべきである。

そうすると、請求人の前記主張は、いずれも理由のないものであるから、採用しない。

そして、本件商標は、本件審判の請求の登録(平成16年1月20日予告登録)前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品「金属加工機械器具」に属する商品「金属用金型」について使用した事実が認められる。

したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について商標法第50条の規定により取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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