結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89073(T2004−89073/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4611797号商標(以下「本件商標」という。)は、「健太」の文字を標準文字で書してなり、平成14年2月4日に登録出願、第31類「混合飼料,その他の飼料,飼料用たんぱく,釣り用餌,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,うるしの実」を指定商品として、同14年10月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由に引用する登録第3339499号商標(以下「引用商標」という。)は、「からくちケンタ」の文字を横書きしてなり、平成7年4月14日に登録出願、第29類「食肉,食用魚貝類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果物,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成9年8月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「飼料用たんぱく,食用魚介類(生きているものに限る。),あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)引用商標の商標権は、株式会社ジェーシー・コムサ(平成16年8月2日に株式会社インターナショナル・プロセス・フーズから名義人の表示変更登録がされた。)から平成16年8月9日付けで請求人である日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社に移転され、その登録が同年8月23日にされているものである。
請求人は、引用商標と同時に「ケンタチップス/KENTA CHIPS」(登録第4033971号商標)、「ケンタ/KENTA」(登録第4241001号商標)、「ケンタのサンド」(登録第4363523号商標)等の商標を株式会社ジェーシー・コムサより譲り受け、引用商標を請求人のシリーズ商標と位置づけている。
(2)請求人は、三菱商事株式会社とケンタッキーフライドチキンコーポレーションの出資により設立された飲食事業を営む国内有数の企業体であり、請求人の使用する商標「ケンタッキーフライドチキン」といえば、カーネル・サンダース氏の考案した独自の調理法を用いた鶏料理を提供するものとして著名であり、これを使用する商品・役務を離れて、商標自体としても極めて高い財産的価値を有するところである。また、当該著名性は、TVコマーシャルを行い、国内200店舗を数えることとなった遅くとも1970年代には獲得されていたものであり、以降現在におけるまで、該商標の著名性はあらゆる需要者層にまで浸透しているところである。
こうした著名商標「ケンタッキーフライドチキン」は、需要者間においては、「ケンタッキー」と略称されるほか、単に「ケンタ」と略称されて呼ばれることも多く、引用商標の登録出願日である平成7年4月14日以前より、そうした愛称によっても多くの需要者に親しまれてきたところであり、こうした事情の中で「ケンタ」シリーズの商標登録を行ってきたところである。
このことは、権限なき第三者による「ケンタ」の使用によって、需要者に混同が生じないか懸念される事案も生じているところである(甲第3号証)。
(3)引用商標は、「からくちケンタ」からなるところ、これをその指定商品に使用するときには、食品業界において「からくち」なる語は、「あまくち」、「こいくち」、「うすくち」などと併せて商品の品質を示す用語として、極めて日常的に使用される一般的用語であることは明らかなところであるから、「からくち」の部分は商品の品質を表示するものとして需要者に認識されることは明白であり、上述の「ケンタ」が「ケンタッキーフライドチキン」ないし「ケンタッキー」を略した愛称として強く需要者に認識されるから、引用商標からは「ケンタ」の部分のみが商標の要部として需要者に認識されるものと理解するのが自然である。
こうした分離解釈は、審査基準の「形容詞的文字を有する結合商標は、原則として、それが付加結合されていない商標と類似する」などの解釈に従うものであるほか、過去の裁判例に従うものである(甲第4号証及び甲第5号証)。
さらに、商標自体の構成をみても、引用商標中「からくち」の部分が平仮名、「ケンタ」の部分が片仮名で表記され、前者と後者で異なる字体を用いて構成されてなることからも、引用商標中「ケンタ」の部分が分離されて解釈されることは然るべきところである(甲第6号証)。
(4)本件商標は、「健太」からなり、しばしば日本人男性の名として用いられるところであり、当該商標からは「ケンタ」の称呼のみが生ずることは明らかである。
そして、当該称呼は、引用商標の要部におけるものと共通するものであるから、引用商標と本件商標は類似であるものと思料する。
また、本件商標のうち、「飼料用たんぱく,食用魚介類(生きているものに限る。),あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」は、引用商標の指定商品中の「食用魚介類(生きているものを除く。),豆,食用たんぱく」と類似する商品である。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品中の「飼料用たんぱく,食用魚介類(生きているものに限る。),あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、同法第46条第1項第1号により、無効とされるべきである。
被請求人は、前記3の請求人の主張に対し、何ら答弁するところがない。
(1)請求人は、本件商標より生ずる「ケンタ」の称呼は、引用商標の要部といえる「ケンタ」の文字部分より生ずる称呼「ケンタ」と共通するものであるから、両商標は称呼上類似する商標であって、本件商標の指定商品中の「飼料用たんぱく,食用魚介類(生きているものに限る。),あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」は、引用商標の指定商品中の「食用魚介類(生きているものを除く。),豆,食用たんぱく」と類似する商品であるから、本件商標の指定商品中上記商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである旨主張するので以下検討する。
(2)本件商標について
本件商標は、前記のとおり、「健太」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ケンタ」の称呼を生ずるものであること及びこれより日本人の男の名前を表したと理解されるものであることは、請求人主張のとおりである。
(3)引用商標について
(ア)引用商標は、前記のとおり、「からくちケンタ」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「からくち」の文字部分は、「辛い味を好むこと。また、その人。酒などの口あたりの辛いもの。辛辣なこと。」(広辞苑第5版)を意味する「辛口」を表したと理解され、食品の分野においては、主に酒、調味料、香辛料、あるいは加工食料品等の塩けや辛みが強いこと表すものとして、普通に使用されているものである。
したがって、引用商標を上記酒、調味料、香辛料、あるいは加工食料品等について使用した場合、その構成中の「からくち」の文字部分は、商品の品質を表示したものと理解されるということができる。
(イ)ところで、本件請求に係る指定商品は、上記のとおり、「飼料用たんぱく,食用魚介類(生きているものに限る。),あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」とするものであるところ、これらの商品は、およそその味が辛口であるとか、あるいは甘口であるとかは無縁のものといって差し支えのない商品であることからすると、引用商標中の「からくち」の文字部分は、上記請求に係る指定商品の品質を表示するものとして普通に使用されているものということはできない。
したがって、引用商標は、その構成中の「からくち」の文字部分が商品の品質を表示する部分であるから、「ケンタ」の文字部分が商標の要部であり、本件商標と引用商標とが称呼上類似するとする請求人の主張は理由がないといわなければならない。
(ウ)請求人は、引用商標中の「ケンタ」の文字部分は、請求人の著名な「ケンタッキーフライドチキン」の略称として需要者に認識されているから、商標要部と理解され、この点からも、本件商標と引用商標は称呼上類似するとも主張する。
しかしながら、引用商標中の「ケンタ」の文字部分が、「ケンタッキーフライドチキン」の略称として需要者に認識されているとしても、その認識の度合いは、「フライドチキン(鶏のから揚げ)」なる商品の販売ないし飲食物の提供の範囲を超えて、本件請求の係る指定商品の分野においてまで及ぶものとは認め難いところである。
したがって、「フライドチキン(鶏のから揚げ)」なる商品の販売ないし飲食物の提供の分野以外の商品分野である本件請求に係る指定商品においては、「ケンタ」の語より直ちに「ケンタッキーフライドチキン」の略称が想起、連想されるものではないから、引用商標中の「ケンタ」の文字部分のみに強い識別力を有するものとは一概にいうことはできない。
(エ)さらに、請求人は、引用商標は、「からくち」と「ケンタ」との種類の異なる文字を用いて構成されているから、その構成中の「ケンタ」の文字部分が分離されて看取され得ると主張するが、両文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書されているものであるから、外観上の一体不可分性は強いといえるし、構成全体から生ずると認められる「カラクチケンタ」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。また、「辛口」の語は、前記のとおり、「辛辣なこと。」の意味をも有するところから、全体として「手厳しいケンタという人」の観念を与える場合も少なくない。
そうすると、引用商標は、全体として一体不可分のものを表した理解されるとみるのが相当である。
(オ)以上(イ)ないし(エ)によれば、引用商標は、本件請求に係る指定商品との関係からみると、これを「からくち」と「ケンタ」の各文字部分に分離して、「ケンタ」の文字部分のみを抽出して観察しなければならない事情は存しないから、その構成文字に相応して、「カラクチケンタ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきものである。
(4)本件商標と引用商標との対比
本件商標より生ずる「ケンタ」の称呼と引用商標より生ずる「カラクチケンタ」の称呼は、「カラクチ」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標の観念は、前記認定のとおりであるから、相紛れるおそれはないものである。
さらに、両商標は、前記に示したそれぞれの構成よりみて、外観上も区別できるものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、指定商品中の「飼料用たんぱく,食用魚介類(生きているものに限る。),あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、無効とすべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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