sokuhyo

Trademark Appeal Case

「士」付商標の誤認性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−9946(T2002−9946/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「秘書士」の文字を横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年11月8日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同17年1月25日付けの手続補正書により、第41類「秘書学を学ぶ者に対する資格の認定・資格の付与」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、あたかも『秘書に関する国家資格』であるかの如く誤認を生じさせる『秘書士』の文字よりなるものであり、このようなものをその指定役務として登録し使用することは、国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「秘書士」の文字を横書きしてなるものである。

ところで、本願は、請求人(出願人)が個人名義で出願しているが、昭和48年8月に設立され、多数の大学及び短期大学が加入(平成15年現在 大学56校、短期大学224校)している全国大学実務教育協会(以下「教育協会」という。)が法人格を有していない団体であることから、同協会の代表者である請求人が個人名で出願したことが認められる。

そして、教育協会による「秘書士」の認定は、昭和50年3月から開始されており、「秘書士」の称号は、加盟各大学、短期大学において、必修科目を履修した者に対し認定・付与され、平成15年3月末現在30万8千人の認定者を輩出している。

以上によれば、本願は実質的に教育協会の出願に係るものであり、また、「秘書士」の称号は、秘書教育の関連分野の取引者・需要者間において、これとは異なる文部科学大臣の認定を受けた秘書技能検定(昭和48年開始 累計合格者255万人)と並んで周知となっていたことが認められる。

これらの事情に照らすと、教育協会の代表である請求人が実質的には、同協会のために、本願商標を出願したことは、その行為の目的に照らして社会的に相当なものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないばかりでなく、また、「秘書士」と「秘書技能検定」とは、外観、称呼及び観念上誤認を生ずるほど類似するということはできないから、これが「秘書技能検定」の公的資格と誤認を生ずるおそれがある商標ということはできず、本願商標は、この点からも、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当するものとはいえない。

そして、本願商標は、末尾に「士」の文字を有してなるが、一般国民が、末尾に「士」の付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表していると理解することが多いと一般的にはいうことができても、本願においては、上記のとおり、教育協会の行ってきた「秘書士」の称号認定が、秘書教育の関連分野における取引者、需要者の間において周知となっていたことや、「秘書士」と「秘書技能検定」の語が類似していないことを考慮すれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、秘書技能検定の他に、秘書職に関する国家資格、公的資格が存するかの如く誤信せしめるものということはできない。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項7号には該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願についての拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。