Trademark Appeal Case
称呼の誤認混同性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−23167(T2003−23167/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「さわやかせっけん」の平仮名文字を標準文字により書してなり、第3類及び第5類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成14年11月12日登録出願されたものであるが、その指定商品については、同15年9月22日付けの手続補正書により、第3類に属する「せっけん類」が除かれ、その後、同16年2月19日付けの手続補正書により、最終的には、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,芳香剤・消臭芳香剤・その他の香料類,身体用脱臭剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「消臭剤(身体用のものを除く)・芳香消臭剤(身体用のものを除く)・防臭剤(身体用のものを除く)・脱臭剤(工業用・身体用のものを除く。)・その他の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりもの専用シート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」(第3類の指定商品から「歯磨き,化粧品」が除かれた。)と補正されたものである。
2 原査定における拒絶理由
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張の要点
(1)本願商標は、標準文字で一連に「さわやかせっけん」と表わしてなり、全体としてそのまま「サワヤカセッケン」の称呼が生じるところ、本願指定商品との関係においては、全体として特定の観念を生じない造語商標である。
(2)本願商標は「せっけん」の表示を独立して表示するものでもなく、平仮名で一連に「さわやかせっけん」と表示しており、種々の解釈が可能である。そもそも商品の形態、材料、用途等を異にしているせっけん以外の商品は、全く異質の商品であって、これらの商品について本願商標を使用した場合においても、その商品が「せっけん」であると誤認されるおそれは皆無であり、手続補正書において本願指定商品から「歯磨き、化粧品」を削除したので、残余の商品については、「せっけん」であるかのごとき誤認を生ずるおそれはなく商標法第4条第1項第16号に該当しない。
4 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「さわやかせっけん」の平仮名文字を標準文字により書してなるところ、その構成中「さわやか」の文字部分は、「爽やか」に通じ、「すがすがしく快いさま、爽快」を意味する語として、また、「せっけん」の文字部分は、「石鹸」に通じ、「せっけん又は洗剤」を意味する語として、いずれもよく親しまれた語であるから、「さわやか」と「せっけん」の二つの語を結合させてなるものであることを一般世人において容易に理解させるというべきである。
(2)たしかに、本願商標のうち「せっけん」の部分は、「石鹸」の他にも、「接見、節倹」等の読み方が同じくするものがあるとしても、そのことから、直ちに、本願商標中の「せっけん」の文字を「せっけん(石鹸)」を示す語であると認めることの妨げになるわけではない。
すなわち、それがどのような意味を看取させるかの判断に当たっては、当該商標の構成、指定商品及び取引者、需要者間の関係を考慮に入れる必要がある。
(3)例えば、インターネットにより、「さわやか」と「せっけん」の二語を同時に検索してみると、その結果は、せっけん又は洗剤等に関するものが殆どであり、以下のように使用されている。
(イ)ライオン株式会社のホームページにおいては、洗濯用せっけん製品情報として、「部屋干しトップ」の商品について、「さわやかなシトラスの香り」のように記載して商品を紹介している(http://www.lion.co.jp/new/sectop/index.htm)。
(ロ)エコーレア株式会社のホームページにおいては、洗濯用せっけんの商品情報として、「洗濯用粉せっけん」の商品について、「さわやかなレモンライムの香り」、「洗濯槽用クリーナー」の商品について「酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を主成分に粉せっけんを配合」のように記載して商品を紹介している(http://www.ecorea.co.jp/netshop/category.asp?dlid=4)
(ハ)花王株式会社のホームページにおいては、柔軟仕上げ剤の商品情報として、「ハミング フレア」の商品について、「さわやかなフルーティフレッシュの香りが長続きします。」のように記載して商品を紹介している(http://www.kao.co.jp/products/humming/index.html#p01)。
(ニ)カネヨ石鹸株式会社のホームページにおいては、台所用洗剤の製品情報として、「ビユフレッシュ」の商品について、「さわやかなライムの香りです。」のように記載して商品を紹介している(http://www.kaneyo.com/item/item_base.php?category=2)。
このように、「さわやか」の文字と「せっけん」の文字が併せて使用される場合には、せっけん(石鹸)・洗剤等を取り扱う分野において、多くは、「さわやか」の文字は、商品の香りの種類を表すものとして使用され、また、「せっけん」の文字は、洗浄を目的とする「せっけん」や「洗剤」を示す普通名称として使用されていることが認められる。
(4)しかして、本願商標の構成中、後半部に表示された「せっけん」の文字部分は、前半部の「さわやか」の文字との組み合わせの関係から、「せっけん又は洗剤」の意を容易に理解させるものであり、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中「せっけん」の文字部分から、「せっけん又は洗剤」を看取することも決して少なくないものと判断するのが相当である。
そして、本願の指定商品については、前記1のとおり補正された結果、「せっけん類」及び「歯磨き、化粧品」は除かれているが、補正後の指定商品中には、「洗濯用柔軟剤、洗濯用漂白剤、洗濯用でん粉のり、洗濯用ふのり」(以下、これらの商品をまとめて「柔軟剤等」ということがある。)が含まれているところ、この柔軟剤等は、洗濯物の柔軟や漂白、のりづけを目的とするものであり、せっけん又は洗剤等の商品を製造する業者と同一の石鹸・洗剤メーカーによって取り扱われることのある商品であり、せっけん(洗濯用)とは、同一の店舗、通信販売等において販売される商品でもある。
また、せっけん(洗濯用)と柔軟剤等には、液状、粉状等のもの、花の香りを有するものが販売されているばかりでなく、これらの商品が販売される際には、多くの場合、隣接して陳列される商品であることは、取引の経験則に照らし明らかである。
加えて、柔軟剤入りの衣料用洗剤や漂白剤を配合した衣料用洗剤、洗濯機で簡単にのりづけができる衣料用のり剤も販売されており、一般の家庭等においては、洗濯の際に柔軟剤や漂白剤を洗剤と共に洗濯機に入れて使用している実情もある。
以上のように、せっけん(洗濯用)と柔軟剤等とは、商品の内容、用途等が近似しており、需要者、製造者、販売店舗ないし販売方法を同じくするものである。
(5)してみると、本願商標は、その構成中に、「せっけん」の文字を有するものであり、指定商品として洗濯と密接な関係を有する「洗濯用柔軟剤、洗濯用漂白剤、洗濯用でん粉のり、洗濯用ふのり」を含むものであるから、これをその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者・需要者は,その商品が洗濯などに用いる「せっけん」であることを表示したものと考えることは必定であり、その商品があたかも「せっけん」であるかのごとく、その商品の品質について誤認するおそれがあるというべきである。
(6)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものというべきであり、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。