Trademark Appeal Case
略称の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−24246(T2002−24246/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「温たま」の文字を標準文字として表してなり、第29類「加工卵」を指定商品とし、平成13年12月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『温たま』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、『温泉たまご等のセット』を『温たまセット』と称している事実が少なからず存在することからすれば、本願商標を指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、加工卵)』について使用するときは、単に前記商品が温泉たまごであること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと判断する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前項1で述べたとおり「温たま」の文字を表してなるところ、その構成は、漢字の「温」と、ひらがなの「たま」との組み合わせによるものと認められる。
近年、言葉のある部分を省いて簡単に表現する場面が多く見受けられ、商取引きの場においても、商品販売のための宣伝文句等(例えば、揚げせんべいの販売に「揚げせん」、パーソナルコンピュータの販売に「パソコン」、スノーボード用具の販売に「スノボー」等)に用いられているところである。
そして、本願指定商品中には「卵黄だけが固まり、卵白はどろどろしているゆで卵。卵黄が卵白よりわずかに凝固温度が低いという、微妙な温度差を利用して作る料理。」である「温泉卵」が含まれているものであり、これらを考慮すれば、「温たま」の文字は前記商品「温泉たまご」の「温」の文字部分と、「たま」の文字部分とを組み合わせ、該商品を略して表したものと認識させるといえるものである。
また、インターネットによれば、以下の情報がある。
(1)「『下呂の温たま 湯の香美人』温泉たまごは消化吸収がよく、卵黄は脳の老化防止に、卵白は風邪の予防やコレステロールの抑制に効果があります。 ゆあみ屋『下呂の温たま 湯の香美人』は乗鞍の雪解け天然水で飼育されたこだわり卵を使用した自慢の逸品です。 下呂温泉の各旅館・ホテル朝食にもご用命いただいており、下呂温泉を代表する名産といえます。この春の新製品、下呂の温たま『湯の香美人』のカップ入りです。プラカップの中に温たまとタレ、スプーンが入っています。そのカップにタレとともに玉子を入れてどこででも食べることができます。1個100円カップ入り玉子が5個入ったお土産用箱入りもございます。」( http://www.fujiseika.com/yuamiya/news/ontama/)の記載がある。
(2)「『ちゃたまや』温泉たまご『湯上がり小町』贅沢に『浅間小町』で手作りしました。待望の温たま、超おすすめです!(付属のだし汁が味を引き立てます)」( http://www.chatamaya.com/syosai.html)の記載がある。
さらに、以下の新聞情報がある。
(1)2004.9.9 中部朝刊18頁 の新聞記事によれば、「全国県人会まつり 会場包む古里の香り 11、12日に名古屋・栄で=特集」の見出しのもと、「万博協会、初めて参加 岐阜県は、洞戸村の一億年前の地層から涌き出る『高賀の森水』、下呂温泉の源泉を使った温泉卵『下呂の温たま 湯の香美人』や『明宝ハム』などを販売。来年三―六月に行う花の大イベント『花フェスタ2005ぎふ』、花をテーマに岐阜全県で開催する『花の都ぎふ祭り〜ひだ・みの花紀行』をPRする。」の記載がある。
(2)2003.9.27 中部朝刊30頁の新聞記事によれば、「[東海の輝き](11)下呂温泉 客足戻れ...アイデアわき出る(連載)=愛知」の見出しのもと、「足の温泉『下呂温泉足湯の里 ゆあみ屋』が若い女性たちに人気だ。足を湯につけながら、コーヒーや温泉卵が味わえるユニークなショップで、昨年六月にオープンした。 店頭にある足湯は、直径約二・五メートルの半円形。約40度の温泉がわきだし、観光客たちは自由に足を浸して休むことができる。すぐ横には、自分で温泉卵がゆでられる『温たまコート』が置かれ、足湯を楽しんでいる間に温泉卵が出来るという趣向だ。」の記載がある。
上記の情報によれば、本願指定商品に含まれる「温泉卵」の商品の取引においては、商品「温泉卵」を表わすものとして「温たま」の文字を普通に使用している事実がある。
そうとすれば、「温たま」の文字を普通に用いられる方法で表してなる本願商標をその指定商品中「温泉卵」について使用したときは、商品の品質を表示するに止まり、自他商品識別標識としての機能を有しないと判断するのが相当であって、かつ、「温泉卵」以外の指定商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、平成14年9月3日付け提出の意見書において、「出願人との共同企画人であるキリンビールの『一番搾り』のテレビCMをきっかけに『温たま』の語の使用を開始したものであり、CM放映前である平成13年12月18日付で出願された本願商標は出願人の創作による造語であるから、商品の品質を表示するものではなく、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない」旨、主張している。
しかしながら、出願に係る商標が自他商品又は自他役務の識別力を有するか否かの判断時期は審決時と解されるものであって、本願商標の認定、判断は上記のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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