Trademark Appeal Case
周知商標と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90321(T2004−90321/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4751430号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示した構成よりなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年3月31日に登録出願、その後、指定商品については、平成10年7月16日付けの手続補正書により、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ
,マフラー」と補正され、平成16年2月27日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立の理由(要旨)
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第10号に該当するから、その登録は取り消されるべきであるとして以下のように主張し、証拠方法として甲第1号証の1ないし甲第224号証(枝番を含む)を提出している。
1.商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、我が国において、別掲(2)に示すとおり、特徴ある筆記体の欧文字「Indian」(以下「Indianロゴ」という。)或いは別掲(3)に示すとおり、羽根飾りを冠した右向きのインディアンの頭部図形内に「Indianロゴ」を配した図形(以下「ヘッドドレスロゴ」という。)を用いたブランドビジネスを展開する申立人の業務を妨害する目的で、出願し登録を得たものであり、公正な競業秩序を害するものであるから、公序良俗に反する商標である。
2.商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人が販売又はライセンスに係るジャケット、シャツ等に使用する商標として、本件商標の出願当時から需要者の間に広く認識された「『Indianロゴ』/MOTOCYCLE」、「『ヘッドドレスロゴ』/MOTOCYCLE」と類似し、ジャケツト等に使用するものである。
3.よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第10号に該当するから、その登録を取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
1.商標法第4条第1項第7号について
(1)申立人の作成に係るものと推認し得るインディアンオートバイの歴史を記載したパンフレット(甲第5号証)によれば、インディアン・モトサイクル社は、1901年マサチューセッツ州スプリングフィールドに設立されたオートバイのメーカーであったが、1953年に工場閉鎖し、製造を中止したことが認められる。そして、雑誌「BRUTUS」(甲第8号証の1ないし21)によれば、同社がオートバイに使用していた「ヘッドドレスロゴ」の商標は、米国をはじめとして我が国において、ファッションや日用雑貨等に関心のある需要者の間において、上記オートバイの商標として使用されていたものとして広く認識されていたものと推認し得るものである。
(2)申立人は、平成5年6月3日付けで我が国で設立された法人(甲第21号証)と認められる。そして、平成5年7月24日付けの繊研新聞(甲第26号証)及び同日付け日経流通新聞(甲第27号証)によれば、同人は、「ヘッドドレスロゴ」のブランド管理、ライセンスビジネス、輸入業務を展開する旨の報道がされ、平成6年6月25日付け「旬刊ファンシー」(甲第31号証)によれば、マルヨシは、新ブランドとして「インディアン」(掲載された写真から「ヘッドドレスロゴ」を指すものと認められる。)を商品化する旨の報道がされている。また、甲第18号証、甲第20号証の1ないし5、甲第28号証及び甲第29号証に徴して、「ヘッドドレスロゴ」或いは「Indianロゴ」及び「MOTOCYCLE」の欧文字とを組み合わせた標章をジャケット、Tシャツ、バッグ、帽子等(以下「ジャケット等」という。)に使用していることが認められる。
加えて、本件商標より生ずる「インディアンモーターサイクル」の称呼とジャケット等に使用する商標より生ずる称呼の一つ「インディアンモトサイクル」とは、中間音の「モーター」と「モト」の差異を有するものの、比較的冗長で、かつ、聴取し難い中間に位置する音であることから、その称呼において類似する商標と認められるものである。
(3)しかしながら、申立人の主張及び同人提出の証拠からでは、商標権者が申立人の「Indianロゴ」と同じ綴り字である「INDIAN」の文字を含む本件商標を作為的或いは意図的に採用し、市場を混乱させ、申立人の業務を妨害する目的で本件商標を登録出願し登録を得たと認めるに足り得ないばかりか、本件商標は、幾何図形とその構成上一連一体のものとしてのみ把握、理解するのを相当とする「INDIAN MOTORCYCLE」の欧文字を組み合わせてなるのに対し、周知性を獲得したものと推認できる「ヘッドドレスロゴ」は、羽根飾りを冠した右向きのインディアンの頭部図形内に「Indianロゴ」を配してなるから、両者は明らかに別異の商標といわなければならない。
(4)また、申立人は、商標権者を相手に東京地方裁判所に仮処分の申立を提起し、仮処分決定(甲第61号証)が平成8年12月に出されたものの、陳述書(甲第62号証)に記載されている登録第2710099号商標は、商標登録原簿を徴するに、本件商標の設定登録日(平成16年2月27日)前の平成15年6月12日付けで「無効」の審決が確定しており、このことからしても、本件商標は、商標権者が申立人の業務を妨害する目的で登録出願し登録を得たものとみることができない。
(5)さらに、申立人は、「Indianロゴ」或いは「ヘッドドレスロゴ」を使用していた前記インディアン・モトサイクル社と組織的、経済的、人的等、何らかの関係があるとする証左も見出すことができない。
(6)そうしてみると、本件商標は、公正な競業秩序を害するものであり、 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものということはできない2.商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人が販売又はライセンスに係るジャケット等に使用する商標として、本件商標出願当時から需要者の間に広く認識されている「Indianロゴ」と「MOTOCYCLE」の欧文字或いは「ヘッドドレスロゴ」と「MOTOCYCLE」の欧文字との組み合わせてなる商標と類似する旨主張する。
しかしながら、「ヘッドドレスロゴ」は、前述のとおり、本件商標出願前より、商品「オートバイ」に使用して周知性を獲得したものと認め得るにしても、「MOTOCYCLE」の欧文字を組み合わせた「ヘッドドレスロゴ」或いは「INDIANロゴ」は、商品「ジャケット等」に使用して周知性を獲得したものと認めるに足りる証左を見出すことができない。
してみれば、「MOTOCYCLE」の欧文字を組み合わせた「ヘッドドレスロゴ」或いは「INDIANロゴ」の標章が周知商標であることを前提に、本件商標を商標法第4条第1項第10号に該当するとする本件異議申立の理由は、その前提において失当であって採用できない。
3.むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第10号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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