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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30991(T2002−30991/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3294407号商標の指定商品中、第25類「セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標登録の取消しの審判

1 本件商標

本件商標登録の取消しの審判に係る、登録第3294407号商標(以下「本件商標」という。)は、「DIET」の欧文字を横書きしてなり、平成6年7月7日に登録出願され、第25類「被服,履物」を指定商品として同9年4月25日に設定登録されたものである。

2 本件商標登録の取消しの審判

本件商標登録の取消しの審判は、商標法50条により、本件商標の指定商品中「セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽」について、登録の取り消しを請求するものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を、要旨以下のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品「セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽」について、少なくとも本件審判請求の日前3年間継続して、商標権者又はその使用権者の何れによっても使用されていない。

よって、商標法50条1項の規定により取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(ア)被請求人は、乙第2号証及び同第3号証を証拠に、商品「ショーツ」 について「ダイエットショーツ」なる商標を使用している旨を述べた上で、「ダイエットショーツ」なる商標が「DIET」の文字からなる本件商標と社会通念上同一の商標である旨を主張している。

乙第2号証及び同第3号証には「ダイエットショーツ」と一体的に表されており、例えば「ダイエット・ショーツ」のように「ダイエット」ひいては本件商標「DIET」を認識させるような態様でもない。

したがって、被請求人の提出した乙第2号証及び同第3号証は、商標権者が本件商標をその指定商品について本件審判事件請求の日前3年以内に使用した証拠として成立しておらず、指定商品について本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているという被請求人の主張は採り得ない。

(イ)被請求人は、乙第2号証及び同第3号証を証拠に被請求人の通常使用権者が商品「ショーツ」について「ダイエットショーツ」なる商標を使用している旨を主張しているが、この両乙号証に係るカタログにおける、「ダイエットショーツ」なる商標が付された商品「ショーツ」の製造者は不明であり、通常使用権者が誰なのか明らかでない。

仮にカタログの発行者・業務主体が通常使用権者であるとしても、乙第2号証及び同第3号証に係るカタログは、カタログの発行者・業務主体が自社製品を掲載したものではなく、第三者の商品を掲載したものというべきであり、カタログの発行者・業務主体に通常使用権が許諾されているというのは不自然である。また、乙第2号証についてはカタログの発行者・業務主体さえ不明である。

乙第2号証及び同第3号証のみでは、被請求人は本件商標に関し何ら権利を有しない者のカタログをもって、本件商標がその指定商品に使用されていると主張しているに等しい。もし、通常使用権者が存在するのであれば、一般的に契約書なる書面が存在すると考えるのが通常であり、その書面の提出が無い今回の答弁書は、誰にどのような契約内容でもって通常使用権が許諾されているのか疑問視せざるを得ず、その証拠の提出を求める次第である。

したがって、被請求人の提出した乙第2号証及び同第3号証は、商標権者が本件商標をその指定商品について本件審判事件請求の日前3年以内に使用した証拠として成立しておらず、通常使用権者によって指定商品について本件商標が使用されているという被請求人の主張は採り得ない。

(ウ)以上より、被請求人が提出した乙第2号証及び同第3号証のみでは、商標権者が本件商標をその指定商品について本件審判事件請求の日前3年以内に使用した証拠として成立していないことは明らかであり、これらの書証のみでは被請求人の主張が正当かは不明である。

3 口頭審理の申立て

本件に関して、被請求人から提出された答弁書には不明な点が多く、請求人は、本件審理の方式を口頭審理によることを申立てる。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。

1 商標使用の事実

被請求人は、乙第2号証及び同第3号証に見られるように、通常使用権者を通じて「ショーツ」につき「ダイエットショーツ」を使用している。

商標法50条2項によれば、被請求人が本件商標登録の取消を免れ得るには、被請求人が、(1)審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、(2)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(3)その請求に係る指定商品又はいずれかについて、(4)登録商標を使用をしていることを証明する必要がある。

(1)については、乙第2号証及び同第3号証に見られるように該カタログは2000年夏及び2002年夏に日本国内において発行されたものであるから、その要件を満たす。

(2)については、当該カタログに商品を掲載した者は被請求人の通常使用権者であるからその要件を満たす。

(3)については、乙第2号証及び同第3号証に見られるように、被請求人はその通常使用権者を通じて「ダイエットショーツ」を「ショーツ」に使用している。「ショーツ」は「下着」に属する商品であることから、その要件をも満たす。

(4)については、「ダイエットショーツ」のうち「ショーツ」の部分は商品を直接的に表すものであるから、「ダイエット」の使用と同一と考えられる。

次に、本件「ダイエット」の使用が「登録商標の使用」にあたるか否かについては、本件使用が、商標法50条1項「登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。以下この条において同じ。)」にあたるかが問題となる。

この点、乙第4号証に見られるように、片仮名「ダイエット」は英単語「DIET」との関係において「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」及び「その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」にあたるものと言える。

よって、片仮名「ダイエット」は本件商標登録にかかる商標「DIET」の使用にあたるといえ、(4)の要件も満たす。

2 結論

以上において説明したとおり、被請求人は本件商標を審判予告登録前3年以内において、通常使用権者を通じて日本国内で商品「ショーツ」に使用しており、請求人の主張は全くの失当という他ない。

3 請求人の弁駁に対する答弁

現在、被請求人は請求人の主張に反論すべく答弁書を準備中であるが完成するには至っていないので、しばらくの間答弁書提出の期間につき猶予をされたい。答弁書は完成次第、速やかに提出する所存である。

第3 当審の判断

被請求人は、乙第2号証及び同第3号証をもって、本件商標を、通常使用権者を通じて使用している旨主張しているので、以下、これらの点及び請求人、被請求人の各主張について検討する。

1 乙第2号及び同第3号における「ダイエットショーツ」との表示が本件商標の使用といえるか

乙第2号証の「楽しい暮らし、便利な暮らしを提案します」「使ってヨカッタ」との表題の付された印刷物は、通信販売の商品カタログと認められるところ、上記表題の右側には、円輪郭内に「2000年 夏の 特大号 No.48」とあり、またこの頁下部には「2000年7月号」との表示があることから、この印刷物は遅くとも2000年7月には発行されていたといえるものである。

また、乙第3号証の「ROYAL selection」「ロイヤルセレクション」との表題の印刷物は、通信販売の商品カタログと推認しうるところ、表題部には、「2002 SUMMER」との表示があることから、この印刷物は遅くとも2002年の夏には発行されていたといえるものである。

しかして、乙第2号証の二葉目には、商品「ショーツ」が、販売価格とともに表示されているところ、ここには「はくだけで過食が押さえられる」「ダイエットショーツ」との表示とともに、商品の説明文中には、「なんて、華麗な総レースのショーツ。でもこれは、ただのショーツではありません。ハイウエストタイプなので胃の高さまでおさえられ、さらに幅広レースと伸縮性に富んだストレッチ素材がお腹まわりを引き締めるから、食事の量が入らないのです。食べすぎる心配がないから、ダイエットに効果てきめん。名前も『ダイエットショーツ』というわけ。」との記載が認められるところである。

また、乙第3号証の二葉目には、商品「ショーツ」が、販売価格、商品番号とともに表示されているところ、ここには「はくだけで“過食が押さえられる!”と評判の『ダイエットショーツ』。ヒップから胃の高さまでをしっかりとシェイプするストレッチ仕様。豪華な総レースも魅力!」との表示とともに、商品の説明文中には、「・・・・・、しかも胃の高さまで包み込むハイウエスト仕様で自然に食べ過ぎを押さえます。」との記載が認められるところである。

これらの表示・記載からすれば、これらにおける「ダイエットショーツ」の文字は、当該商品の広告に接する需要者(消費者)に、それが体調維持のための食事制限をする際に効果のある、ダイエット用のショーツであるとの認識を与えるものであって、この文字が商標として使用されているとの認識を与えるとはいえないとみるのが相当である。

商標権者は、「『ダイエットショーツ』のうち『ショーツ』の部分は商品を直接的に表すものであるから、『ダイエット』の使用と同一と考えられる。」と主張しているが、「ダイエットショーツ」の語は、上記したように、ダイエット用のショーツであることをあらわすものとして一体的に把握され、「ダイエット」印の「ショーツ」であるとの認識はされないとみるべきであるから、上記の被請求人の主張は採用することができない。

2 本件商標は通常使用権者による使用といえるか

請求人は、乙第2号証及び同第3号証の通信販売カタログにおける本件「ショーツ」について、通常使用権が許諾されているのか疑問であり、証拠を提出すべきであると主張している。

これに対して、前合議体は、上記主張がされている弁駁書を送付したところ(発送日平成15年10月17日)、被請求人は、平成15年11月25日付けで、答弁書の提出の猶予を求める旨の答弁書(第三回)を提出した。

被請求人は、その後、平成16年1月14日及び同年5月25日に上記答弁書(第三回)と同旨の上申書を提出している。そして、それ以降、本件に関して何らの手続きをしていない。

乙第2号証及び同第3号証の通信販売カタログにおいて本件商標に通常使用権契約がなされているのであれば、契約当事者である商標権者が、その証拠を提出するか、あるいは事情を述べることは極めて容易というべきである。

しかるところ、商標権者たる被請求人は、答弁書(第三回)を提出した平成15年11月25日以来、今日までの一年以上もの期間、上記の、請求人の主張に対して、何らの反論・立証をしていない。

そうであれば、本件商標について通常使用権契約がなされていたことを立証しないものというしかなく、本件商標が通常使用権により使用されていたと認定することはできないものである。

3 被請求人の本件審判事件に関する対応及び本件審理の終結について

前合議体は、請求人の弁駁書を送付し、被請求人に再答弁を求めるに際して、同送付書において、乙第2号証及び同第3号証における「ダイエットショーツ」の文字は、本件商標の使用とはいえない旨の、合議体としての見解を示して意見があれば述べるよう促した。

この点についても、意見を述べることは、被請求人にとって困難なこととはいえないものであるところ、被請求人は今日まで意見を述べていない。

そうとすれば、被請求人は、この点についての意見を述べる意思がないものと推認せざるをえず、被請求人の答弁書の提出を待たずに、本件審理を終結した。

4 請求人の証拠調べの申立てついて

請求人は、平成15年7月15日付けで「審理方式の申立書」提出し、本件審理を口頭審理によるものとの申立てをしている。

その趣旨とするところは、「ダイエットショーツ」が本件商標の使用とすることは認められず、また、通常使用権契約の存在にも疑義があり、これらを口頭審理により明らかにすべきとの点にあるといえる。

そうであれば、本件は、口頭審理によるまでもなく、結論を導けるものであるから、請求人による口頭審理の申立てはこれを採用しない。

5 まとめ

以上によれば、被請求人が提出した証拠方法によっては、本件商標が、本件審判の請求の登録前三年以内に日本国内において、本件取消対象に係る指定商品「セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽」に使用されていたと認めることはできず、また、本件商標が通常使用権者により使用されていたと認定することもできないものである。

したがって、本件商標の登録は、請求の趣旨どおり、その指定商品中「セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽」については、商標法50条の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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