結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31506(T2003−31506/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3219276号商標(以下「本件商標」という。)は、「おもいっきり」の文字を横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成5年11月10日登録出願、同8年11月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
平成16年1月16日付け答弁書と同時に提出された「登録商標の使用説明書」を「乙第1号証」、これに添付の「日本薬局方センナ末(薬剤)」の包装箱の写真5葉を「乙第1号証の1」、同包装箱(現物見本)を「乙第1号証の2」、平成11年10月29日付け履歴事項全部証明書を「乙第2号証」とし、平成16年5月27日付け回答書と同時に提出された平成8年7月10日付け閉鎖登記簿謄本を「乙第3号証」、古川印刷株式会社発行の請求書を「乙第4号証」、昭和61年3月14日付け医薬品製造承認書を「乙第5号証」、平成7年4月27日を付け医薬品製造承認事項一部変更承認書を「乙第6号証」とする。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者若しくは使用権者によって使用された事実はない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。
(1)使用者について
被請求人は、本件商標権者である株式会社ホンゾウ(以下「ホンゾウ」という。)は、本草製薬株式会社(以下「本草製薬」という。)と合併し、該本草製薬が本件商標を所有し、使用している旨主張し、本草製薬による本件商標の使用は、商標権者の使用であると主張するが、登録の商標権者は、商標登録原簿の記載に基づいて決定されるべき事項であり、本草製薬による本件商標の使用は、商標権者による本件商標の使用とは認められない。
また、本草製薬は、専用使用権者又は通常使用権者の地位を有していると主張するが、専用使用権者若しくは通常使用権者として登録されておらず、根拠のない主張といわざるを得ない。
(2)使用の事実について
被請求人は、単に包装箱の写真及び展開状態のもの(乙第1号証の1及び2、以下「本件包装箱」という。)を提出し、2001年11月から2002年1月の間に本件商標を商品「薬剤」に使用していたことを立証しようとしているが、登録商標の使用説明書(乙第1号証)の作成時に写真撮影された本件包装箱が存在した可能性を窺い知ることができるとしても、以下のとおり、それをもって上記期間内に本件商標が薬剤に使用されていたことを客観的に証明するものではない。
(ア)本件包装箱に付された「製造番号 011121」は、包装箱の製造時に包装箱を特定するために付された番号を意味するものであり、製造年月日を表すものであることを客観的に示す証拠はない。仮に、本件包装箱が2001年11月21日に製造されたものであっても、それは単に本件包装箱の製造日にすぎず、薬剤を本件包装箱に入れて取引に供したという事実は示されていないし、本件包装箱が2001年11月から2002年1月の間に使用されたことを示すものでもない。
本件包装箱の「製造番号 011121」について、被請求人は、商品を本件包装箱内に入れて製造し、出荷した日付を表していると主張を変更しているが、その日をもって製造・出荷した事実を客観的に証明する資料、及び製造承認、変更承認に記載された「本草センナ末」に本件商標が付され、取引に供したという事実を客観的に証明する資料は皆無である。
(イ)被請求人は、現在全ての包装箱の意匠が変更されており、本件商標を付した包装箱の載っている総合カタログはすべて廃棄されて見つけることができなかった旨述べているが、このことはとりもなおさず、本件商標を付した包装箱の使用事実を証明する客観的な資料が存在しないことを述べているものであり、包装箱製造業者である古川印刷株式会社(以下「古川印刷」という。)からの請求書(乙第4号証)に記載の「ピンクのセンナ末ケース200g」が、本件包装箱と同一のものであるとの資料は皆無である。甲第1号証に示すとおり、ピンクのセンナ末ケース200gの包装箱が存在するが、古川印刷が印刷した包装箱が該包装箱ではないことも証明されていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
本件商標の商標権者はホンゾウであるが、履歴事項全部証明書の記載内容のとおり、ホンゾウは本草製薬と合併し、現在では本草製薬が本件商標を所有している。
元々、ホンゾウと本草製薬は、販売部門と製造部門とで別会社を形成していたものであり、名古屋市中区丸の内3丁目6番21号が営業地点となっている。
なお、本件商標の権利者について、本草製薬に名義変更がなされていないとしても、本草製薬の使用は、商標権者の使用であり、百歩譲ったとしても、本草製薬は、本件商標の専用使用権者又は通常使用権者の地位にある。
(1)本草製薬は、医薬品である日本薬局方センナ末の本件包装箱に「おもいっきり」の商標を付して、2001年11月から2002年1月の間に使用していた(乙第1号証、乙第5号証及び乙第6号証)。
乙第1号証は、2001年11月21日に本件包装箱が製造されたことを示す「製造番号 011121」が付されている。
(2)現在すべての包装箱の意匠が変更されており、本件包装箱が掲載されている総合カタログはすべて廃棄されたが、本件包装箱は、古川印刷株式会社より、2001年6月4日に「ピンクのセンナ末ケース200g」として、10,430枚、本草製薬の山下工場に納入されている(乙第4号証)。
なお、上記(1)で、本件包装箱の製造年月日を「2001年11月21日」と主張したが、その日付は、本草製薬の山下工場で本件包装箱に商品を詰め出荷した日付けである。
したがって、本件商標は、指定商品についての使用事実があり、取り消されるべきものではない。
(1)乙第2号証、乙第3号証及び本件商標の商標登録原簿によれば、以下の事実が認められる。
(ア)本草製薬は、本店所在地を愛知県名古屋市天白区古川町125番地とし、支店所在地を愛知県名古屋市中区丸の内3丁目6番21号とすること。
(イ)ホンゾウは、本店所在地を東京都中央区日本橋小舟町7番13号とし、支店所在地を愛知県名古屋市中区丸の内3丁目6番21号としていたが、上記(ア)の本草製薬に吸収合併され、解散したこと(平成8年6月27日登記簿閉鎖)。
(ウ)本草製薬の代表取締役と解散したホンゾウの代表取締役は、同一人であり、本草製薬の設立目的には、医薬品の製造、販売が含まれていること。
(エ)本件商標の商標権者は、「愛知県名古屋市中区丸の内3丁目6番21号/株式会社ホンゾウ」として、平成8年11月29日に設定登録されたが、その後、一般承継により、「名古屋市天白区古川町125番地/本草製薬株式会社」に移転され、その登録が平成17年2月4日にされた。
(2)前記(1)で認定した事実並びに答弁の理由及び審尋に対する平成16年5月27日付け回答書を総合すると、本店所在地を名古屋市天白区古川町125番地とし、営業活動の拠点を支店所在地の名古屋市中区丸の内3丁目6番21号としていた本草製薬は、本店所在地を東京都中央区日本橋小舟町7番3号とし、営業活動の拠点を支店所在地の名古屋市中区丸の内3丁目6番21号としていたホンゾウを吸収合併し、平成8年6月19日に登記した。
そうすると、ホンゾウは、本草製薬に吸収合併され、解散したのであるから、その時点で消滅し、本件商標に係る商標権は、本草製薬に一般承継されたと認められ、商標法第35条において読み替えた上準用する特許法第98条第1項第1号括弧書きにより、商標権の移転の効力は、登録を経ないで生ずるものであるから、本草製薬は、本件審判の請求の登録前3年以内の期間においては、既に商標権者の地位にあったと認め得るところである。
したがって、本件審判における登録商標の使用者は、商標権者といわなければならない。
(1)乙第1号証、乙第1号証の1及び2、乙第4号証ないし乙第6号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証の1及び2は、「日本薬局方センナ末(薬剤)」の本件包装箱と認められるところ、縦長直方体の包装箱の正面、両側面、背面及び上面(箱の開け口部)には、やや図案化した「HonZo」の文字、「便秘 便秘に伴う肌荒れの緩和」、「本草 センナ末」の各文字が表示され、また、正面には、上記文字のほか、赤色楕円形(輪郭部は白)内に、大きく横書きされた「おもいっきり」の文字とその下にやや小さく横書きにした「すっきり」の文字を白色で表示してなるものである。さらに、右側面には、「センナ」についての説明文とともに、「本草センナ末/内容量 200g」、「製造元/本草製薬株式会社」などの文字が表示されており、左側面には、「【成分・分量】1日量(0.75g)中/日本薬局方 センナ末・・0.75g」の文字のほか、「【用法・用量】」、「【効能・効果】」等が記載されている。また、上面(あけ口部)には、「製造番号 011121」、「使用期限 2004 10」の表示がある。
(イ)乙第4号証は、古川印刷が本草製薬の山下工場に宛てた「締日」を2001年6月30日とする請求書であるところ、「月日」欄の「6/4」の項目には、「品名」として「ピンクのセンナ末ケース200g」、「数量」として「10,430枚」の記載がある。
(ウ)乙第5号証は、昭和61年3月14日付け医薬品製造承認書(承認番号(61AP)第2921号)であるところ、これによれば、本草製薬は、「一般名称/センナ末」、「販売名称/本草センナ末」、「成分及び分量又は本質/1日量(0.75g)中 日本薬局方センナ末0.75g」とする便秘及び便秘に伴う肌荒れ等の症状の緩和を効能、効果とする医薬品の製造承認を上記日付に受けた。
(エ)乙第6号証は、平成7年4月27日付け医薬品製造承認事項一部変更承認書(承認番号(61AP)第2921号)であるところ、これによれば、本草製薬は、上記(ウ)で受けた医薬品の製造承認事項の一部変更の承認を平成7年4月27日に受けた。
(オ)医薬品製造承認申請書(乙第5号証)及び医薬品製造承認事項一部変更承認書(乙第6号証)の「備考」には、「日本薬局方センナ末・一般用」若しくは「申請区分 一般用医薬品/一般用 日本薬局方センナ末」の記載がある。
(2)前記2(1)で認定した事実によれば、本草製薬は、昭和61年3月14日に、一般名称を「センナ末」、販売名称を「本草センナ末」とする便秘等に効果のある医薬品(以下「本件使用商品」という。)の製造承認を受け、該医薬品について、平成7年4月27日に、製造承認事項の一部変更の承認を受けたこと、本件使用商品に本件商標と社会通念上同一と認められる商標(当事者間に争いのない事実)の表示したこと、本件使用商品に使用される本件包装箱(ピンクのセンナ末ケース200g)を、2001年(平成13年)6月4日に古川印刷より10,430枚納品されたことが推認される。
そして、本件包装箱には、「製造番号 011121」及び「使用期限 2004 10」が表示されていたところ、薬事法第50条は、医薬品の容器又は被包に、「製造番号又は製造記号」(第3号)、「厚生労働大臣の指定する医薬品にあっては、その使用期限」(第10号)を記載しなければならないと規定しており、また、「薬事法第50条第10号等の規定に基づき使用の期限を記載しなければならない医薬品等」(昭和55年9月26日厚生省告示第166号)には、「ただし、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定な医薬品は除く。」と規定しているところから、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年を超えても、その性状及び品質が安定している医薬品については、使用期限の記載を要しないということができる。
そうすると、本件包装箱に表示された「製造番号 011121」は、そのすぐ下に「使用期限 2004 10」(2004年(平成16年)10月と理解されることに争いがない。)との表示があり、上記薬事法等の関係からみれば、「製造後適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定な医薬品」ではない医薬品であると推認することができる。そして、本件包装箱には、「使用期限 2004 10」と「製造番号 011121」が併記されていること、製造番号には医薬品の製造年月日(商品が包装された年月日)が採用される場合も少なくないことからすると、上記「製造番号 011121」は、「使用期限 2004 10」との期間が約3年であり、薬事法等の関係からみても、2001年(平成13年)11月21日とみることに何ら不自然ではなく、したがって、包装箱に商品を詰め出荷した(本件使用商品の製造日)2001年(平成13年)11月21日であるとする被請求人の主張は、あながち信憑性に欠けるということもできない。
(3)上記(2)によれば、本件使用商品は、請求に係る指定商品に含まれるセンナ末(便秘薬)であると認められ、かつ、本件包装箱は、本件使用商品が製造された2001年11月21日より前の同年6月30日以前に被請求人の山下工場に、10,430枚納品されたものであるから、納品された時期及び数量からして、納品された包装箱は本件包装箱であって、本件包装箱に本件使用商品を包装して、被請求人がいう2002年1月までの間に取引に資されたものと推認するのが相当である。
(1)請求人は、登録の商標権者は、商標登録原簿の記載に基づいて決定されるべき事項であり、本草製薬による本件商標の使用は、商標権者の使用とは認められない旨主張し、さらに、本草製薬は、専用使用権者又は通常使用権者として登録されておらず、本草製薬による本件商標の使用は、専用使用権者又は通常使用権者の使用とは認められない旨主張する。
しかし、前記1で認定したとおり、本草製薬は、一般承継により本件商標の商標権者となったものとみるべきであるから、上記請求人の主張は理由がない。
(2)請求人は、本件包装箱に付された「製造番号 011121」は、包装箱の製造時に包装箱を特定するために付された番号であり、製造年月日を表すものであることを客観的に示す証拠はない。仮に、本件包装箱が2001年11月21日に製造されたものであっても、それは単に包装箱の製造日にすぎず、薬剤を本件包装箱に入れて取引に供したという事実は示されていない旨主張し、さらに、乙第4号証(請求書)に記載の「ピンクのセンナ末ケース200g」が、本件包装箱と同一のものであるとの証拠はない旨主張する。
しかしながら、前記認定のとおり、本件包装箱に表示された「製造番号 011121」が、本件使用商品が製造された日付とみることに不自然なところはない。また、本件使用商品が製造された2001年11月21日より前の同年6月30日以前に被請求人の山下工場に、「ピンクのセンナ末ケース200g」の包装箱10,430枚が納品されたものであるから、納品された時期及び数量からして、納品された包装箱は、本件包装箱であって、かつ、本件包装箱に本件使用商品を包装して、被請求人がいう2002年1月までの間に取引に資されたものと推認するのが相当である。
なお、請求人は、甲第1号証を示し、古川印刷が印刷した包装箱がこの包装箱ではないことも証明されていない旨主張するが、甲第1号証は、2004年(平成16年)7月13日にインターネット上で検索されたものであって、その使用時期が定かではない。むしろ、上記のとおり、本件包装箱の納品時期からみれば、古川印刷が印刷した包装箱は、本件包装箱であると推測するのが自然というべきである。
(3)したがって、上記に関する請求人の主張は、いずれも理由がなく、前記認定を覆すに足りない。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国において、商標権者が請求に係る指定商品中の「センナ末」について、本件商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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