1 本願商標
本願商標は、「ばんじょうがわ」と「番匠川」の文字とを上下二段に横書きしてなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成15年5月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『ばんじょうがわ』の文字と『番匠川』の文字とを上下二段に普通に用いられる方法で書してなるところ、『番匠川(ばんじょうがわ)』は、指定商品との関係において、大分県山岳部を源に下流地帯に平野部を形成して佐伯湾に注ぐ川で、水量豊富な清流でホタルの生息地としても知られているものと認められるから、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、その商品が『番匠川の水を用いたものであること』の意を表示したものと理解するに止まり、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「ばんじょうがわ」と「番匠川」の文字よりなるところ、原審説示のとおり「大分県東部山岳部を源に、下流地帯に平野部を形成して佐伯湾に注ぐ川」(コンサイス日本地名辞典第4版株式会社三省堂))なる河川名であることは認められる。
しかしながら、これよりは、原査定説示の意味合いを直ちに看取し得るとはいい難いばかりでなく、これがその指定商品の品質、原材料を直接的かつ具体的に表示するものともいい得ないものである。
さらに、当審において、職権をもって調査したが、該文字が、商品の品質等を表示するものとして、一般の取引の場において普通に使用されているとの事実も発見することもできない。
そうとすると、本願商標は、その指定商品について使用する場合、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものでないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。