結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30427(T2003−30427/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2681985号商標(以下「本件商標」という)は、「TAMARA」の文字を横書きしてなり、平成3年6月6日に登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)、レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成6年6月29日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。
(1)本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消しを請求する。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標は被請求人の通常使用権者である「L Studio International」により、当該審判請求登録日(平成15年5月7日)前3年以内に、日本国内において指定商品について使用されているとして乙第1号証ないし乙第8号証を提出し、本件審判の取消の対象とはなりえない商標であると主張している。
しかし、提出された乙第1号証ないし乙第8号証にはあくまでも「さかよりのりこのキャリアアップセミナー」の開催事実とその参加費用を証明しているものであり、本件商標「TAMARA」を使用した「トランプ」を実際に販売した証明にはならず、販売価格が設定されているものでもない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番含む)を提出した。
(1)本件商標は、被請求人から許諾を受け通常使用権者となっている「L Studio International」により、当該審判請求登録日(平成15年5月7日)前3年以内に、日本国内において指定商品について使用されているから、請求人の主張は妥当ではない。
(2)通常使用権者である「L Studio International」は、1991年から「さかよりのりこのキャリアパワーアップセミナー」という名称の公開セミナーを継続的に開催している。さかよりのりこは、商標権者および「L Studio International」の代表者である酒寄史子の俗称である。
乙第1号証は、2001年の同公開セミナーの実施内容を記載した書面である。乙第2号証は2001年〜2002年の公開セミナーのキャンペーン用チラシであり、68回から73回の開催予定が記載されている。
セミナーは1ヶ月にほぼ一回程度の間隔で、いずれも青山パラシオタワー11階を会場として2日間にわたって行なわれている。参加者はいずれも企業に属する個人で、参加企業リストから多数の企業や個人が参加したことがわかる。
乙第3号証は実際に行なわれたセミナーの状景を示す一例(第72回)である。
(3)このセミナーは、乙第1号証から明らかなように、参加費用(2日コース)が72,000円で、この費用には、講習代金に加え資料代などが含まれており、資料として、キャリアパワーと題する書籍、ファイル資料、トランプカード、アロマテラピー用オイルが配布される。
(4)トランプカードは、乙第4号証−1から同−4に示されたものであり、セミナー参加者が前記参加費用の一部として購入し、セミナー現場でリラクゼーションのために使用し、セミナー終了後は参加者各自の所有物となる。
トランプカードは、米国から輸入したもので、乙第4号証−1から同−4から明らかなように、ケースの表面に横書き英文字で「TAMARA」と表され、また、各カードの背面にも同じように表されている。
前記表示の「TAMARA」は本件商標と同一であり、トランプカードはいうまでもなく、本件商標の指定商品に属しているから、本件商標の「TAMARA」を付した「トランプ」は、少なくとも2001年6月から1ヶ月ごとに、本件商標の通常使用権者である「L Studio International」によって譲渡されていたことが明らかである。
(5)実際に「さかよりのりこのキャリアアップセミナー」に参加し、そのセミナーにおいて、横書き・英文字の「TAMARA」を付した「トランプ」が販売、使用されたことは、乙第5号証〜乙第8号証からも明らかである。
(6)以上より、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が「トランプ」に使用した結果、業務上の信用が化体しているものであり、本件審判の取消の対象とはなりえない商標である。このような商標登録を取消すことは業務上の信用の化体しない商標の整理を図るという不使用取消審判制度の趣旨に反するだけではなく、業務上の信用の保護という法目的にも反するものであると思われる。
(7)被請求人は、請求人の前記2(2)答弁に対する弁駁に対し何ら答弁していない。
被請求人は、本件商標は被請求人の通常使用権者である「L Studio International」により、当該審判請求登録日(平成15年5月7日)前3年以内に、日本国内において指定商品について使用されているとして乙第1号証ないし乙第8号証を提出し、本件商標は、本件取り消しにかかる商品中「トランプ」に使用しているから、本件審判の取消の対象とはなり得ない旨主張している。
これに対し、請求人は、「提出された乙第1号証ないし乙第8号証にはあくまでも「さかよりのりこのキャリアアップセミナー」の開催事実とその参加費用を証明しているものであり、本件商標「TAMARA」を使用した「トランプ」を実際に販売した証明にはならない。」旨述べているので、この点について判断する。
被請求人が、本件商標を本件取消請求に係る指定商品に使用している事実を証する書面として提出した乙第1号証及び乙第2号証によれば、被請求人の通常使用権者である「L Studio International」は、2001年6月21日〜2002年6月21日までに、第68回〜第78回の「さかよりのりこのキャリアパワーアップセミナー」を開催した事実が認められるものである。
そして、そのセミナー参加費用72,000円の内訳として、キャリアパワー書籍代、アロマテラピー用オイル等と共に「TAMARA」(トランプカード)(以下「トランプ」という。)の記載があり、その「トランプ」の具体的使用内容として「セミナー中リラクゼーションをはかるためのツールとして使用」の説明がされている。
さらに、乙第5号証ないし乙第8号証は、「さかよりのりこのキャリアパワーアップセミナー」に参加した者が、書籍”キャリアパワー”、ファイル資料、アロマテラピー用オイルのほか、「トランプ」を受領したことを証明したものである。
以上の証拠及び被請求人の主張より、「トランプ」が、セミナー費用に含まれ、参加者に受領されていることが認められるものの、前記セミナー費用の内訳及び「トランプ」自体に価格の表示がないこと、前記セミナー費用と別に「トランプ」が取引等されたことの証左もないこと、被請求人は、「トランプ」を米国から輸入したものである旨述べるが、これを証明する証拠も提出されていないこと及び「トランプ」が「セミナー中リラクゼーションをはかるためのツールとして使用」ということからも、むしろ「トランプ」は、セミナー中にリラクゼーションするための付録として配布されたものみるのが相当であり、商品として独立して流通販売されたものということは出来ず、他に本件「トランプ」が、商品として独立して流通販売されたとの主張及び証拠の提出はない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中何れについても、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者によって使用されていたものと認めることは出来ない。また、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
なお、本件商標の登録は、平成16年6月29日存続期間の満了により、同17年3月16日に抹消の登録がなされている。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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