Trademark Appeal Case
普通名称と形状の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−15713(T2003−15713/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ブロッコリー粒」の文字を標準文字により書してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」、第29類「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第32類「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる清涼飲料,その他の清涼飲料,ビール,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成14年10月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、「ブロッコリー粒」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、指定商品「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品,抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる清涼飲料」との関係において、下記インターネットWebページによれば(ホームページアドレスについては省略した。)、1992年にブロッコリーの中に含まれているスルフォラファンががん予防効果に高いことが発見されたこと、発芽3日目の新芽には、成長したブロッコリーの20〜50倍ものスルフォラファンが含まれていること、発芽ブロッコリーに含まれるスルフォラファン等が女性ホルモンの悪性化を防ぐ働きがあるとして注目されていること、発芽ブロッコリーに含まれるスルフォラファンを成分にした粒状の商品が販売されていることが認められる。そうすると、本願商標をその指定商品中の「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状の加工食品」に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ブロッコリーから抽出した成分を粒状にしたものであること」の意を表示したものと理解するに止まり、単に商品の品質(内容)、原材料、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなるカプセル状・錠剤状の加工食品,抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる清涼飲料」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
請求人は、要旨、「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品,抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる清涼飲料」のような商品が実在するとしても、本願商標を構成する「ブロッコリー粒」なる語が存在しないこと、及び、「ブロッコリーの粒」からなる商品も存在しない以上、「ブロッコリーから抽出した成分を粒状にしたものであること」を理解させるものではない旨主張している。
4 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「ブロッコリー粒」の文字を書してなるところ、その構成中「ブロッコリー」の文字は、キャベツの一変種である野菜の普通名称として、また、「粒」の文字は、「まるくて小さいもの」の意味で粒状の形体を表す語として、それぞれ日常よく親しまれているものである。
してみると、本願商標は、「ブロッコリー」と「粒」の二つの語を一連に結合させてなるものと一般世人に容易に理解されるといえる。
次に、本願商標をその指定商品との関係から検討するに、その指定商品中には、「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品,抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる清涼飲料」が含まれているところ、この「スプラウト」とは、植物の新芽の総称であり、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜には、体内で解毒酵素を活性化させ、がんの予防に役立つスルフォラファンに変わる物質が多く含むという(imidas2005 株式会社集英社発行)。そして、発芽したばかりの芽を食用にする野菜には、ビタミンやミネラルが豊富で、従来のカイワレダイコンや豆類のほか、最近はブロッコリー、マスタード、ソバ、キャベツなとさまざまな商品が流通している(現代用語の基礎知識2005 自由国民社発行)。
また、朝日現代用語「知恵蔵」2005には、「スプラウト(新モヤシ/発芽野菜)sprouts スプラウトとは英語で新芽、若芽の意。大豆や麦などを水に浸して発芽させたもの(モヤシ)、また、ミツバや貝割れ大根などのような野菜を指す。米国で、『ブロッコリーの新芽には、成熟したものよりも、がん抑制効果のある成分が多量に含まれている』という研究報告が話題となり、栽培、流通が急増した。原料の優れた栄養価に加え、発芽するとCを中心にビタミン類が多量に生じる。モヤシとして食用できる豆や種子は多い(小豆、エンドウ、レンズ豆、ガルバンゾー、トウモロコシ、ゴマ、マスタードシード、麦、ソバ、米等)。」との記載が認められる。
さらに、インターネットのホームページ情報によれば、以下のような記載が認められる。
(1)「『RIK JAPAN発芽ブロッコリーイソフラボン』は、発芽ブロッコリーと通常のブロッコリーを配合し、大豆イソフラボンを配合した栄養補助食品です。食べやすい粒状タイプです。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_8221097072.html)
(2)「近年、ブロッコリー種子から発芽して2〜3日目の新芽にスルフォラファンやインドール-3-カルビノールなどの有用性が発見されサプリメント先進国アメリカで話題となっています。
」(http://www.rakuten.co.jp/ryutan/442877/442884/)
(3)「Source Naturals社のブロッコリースプラウトは、1タブレットにスルフォラファン150mcgを含んでおり、4.5オンス(約127g)のプロッコリーの新芽に相当します。」(http://www.almajapan.com/sourcenaturals_prd.asp)
(4)「ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽で、発芽3日目のものにだけ、スルフォラファンがブロッコリーの20〜50倍含まれています。」(http://www.alphaway.co.jp/supple/broccoli.html)
これらのことから、「スプラウト」とは、植物の新芽、若芽のことであり、大豆や麦などを水に浸して発芽させたもの(モヤシ)、また、ミツバや貝割れ大根などのような野菜をいい、ブロッコリー以外にも、貝割れ大根、マスタード、ソバ、キャベツ、ゴマ等様々なものがあることが認められるとともに、ブロッコリーのスプラウトは、健康への有用性、ガン予防の観点からも一般に注目されているといえるものである。
そして、近時、健康意識の高まりから、加工食品分野において、いわゆる健康食品と呼ばれる食品の素材については、その取引者・需要者も高い関心を寄せており、また、利便性、保存性、経済性等の観点から、商品の形態(粒状、カプセル状等)にも強い関心を示しているところである。
以上の事情を総合勘案すれば、本願商標をその指定商品中の「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「ブロッコリー」の文字部分に着目し、該商品がブロッコリーのスプラウトを配合した商品であるという、その商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する語として理解するとともに、また、「粒」の文字部分からは、該商品が、粒状の商品であると理解するにとどまるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、これをその指定商品中「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品」について使用しても、単に商品の原材料、品質、形状を表示するにすぎないものであって、また、上記商品以外の「抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品,抗がん・抗酸化作用を有するスプラウトを配合してなる清涼飲料」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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