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Trademark Appeal Case

不使用取消と提案書使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−31294(T2003−31294/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3011889号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3011889号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月8日登録出願、第38類「電子計算機端末による通信,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同6年12月22日に設定登録され、その後、指定役務中の「電子計算機端末による通信」についての、商標権の取消審判(2004−30174号)があった結果、該役務の登録を取り消すべき旨の審決が確定し、その商標権の抹消の登録が同16年8月31日にされ、その他の役務については、同年12月21日に商標権存続期間の更新登録がされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。

請求人の調査するところ、本件商標は継続して3年以上日本国内において商標権者により使用されている事実は発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もない。

よって、請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第16号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)被請求人は、昭和40年8月26に電子部品の販売などの業務を目的とした株式会社亜土電子工業から始まり、平成12年10月13日「電子計算機のプログラムの設計、作成又は保守、電子計算機の貸与」の業務を実践するために、本件商標を株式会社トヨムラより譲り受け(乙第1号証)、同14年6月に商号を株式会社ティーゾーンと改称し、同15年8月1日に現在の社名である株式会社T・ZONEホールディングスに改称した。その後、関連事業の多角的展開を図るために、同年8月1日からの純粋持株会社移行(乙第5号証ないし乙第7号証)し、同月4日の取締役会において「T・ZONE」商標のグループ内(以下、「同グループ」という。)での暫定的ブランド戦略を決議した(乙第9号証)。

上記の決議により、同グループ内において、「気通信端末による通信、電話機、ファクシミリその他の通信機器の貸与」に関する事業を担当する株式会社ストラテジィ(以下、「ストラテジィ」という。)に、本件商標(T・ZONE)の商標権の使用許諾を与えて通常使用権者として本件商標を使用させることにし、使用計画を定めた(乙第12号証)。

ストラテジィは平成13年2月20日に設立され、同年10月29日にコンピューター及び関連機器の販売及び貸与、ソフトウエア開発の請負、ソフトウエア販売等を目的とする会社として再編され、事業は「コンピューター及び関連機器の販売及び貸与、システムの開発及びその維持管理、大規模ネットワークシステムの構築及びその維持管理、ヘルプデスク・サービス、IP電話導入、その維持管理」等を営んできた会社であって、同15年4月1日付けで被請求人の子会社となったものである(乙第10号証及び乙第11号証)。

被請求人は、これにより、ストラテジィに同グループ内の「電気通信端末による通信、電話機、ファクシミリその他の通信機器の貸与」に関する事業を担当させることにし、被請求人が所有する商標権に基づきストラテジィに本件商標の通常使用権の許諾を与え、本件商標を本件指定役務の「電気通信端末による通信、電話機、ファクシミリその他の通信機器の貸与」に関する業務に使用させた。

(2)ストラテジィが行うこの種の取引は、通常、先ず顧客からのレンタル役務の引き合いを得るために見積書を兼ねた提案書を作成し、次に、この提案書を顧客に頒布する。顧客は、この提案書を検討した後、取引に入るか否かの結論を出し、気に入ったとき、注文を出し、ストラテジィは、顧客より発注されると、契約書又は注文請書を作成して契約を締結し、契約が締結された後、顧客に対してレンタルを開始する。

ストラテジィは、平成15年8月7日に「賃貸管理システムのレンタルのご案内」と題した提案書(乙第13号証)を作成し、その提案書に本件商標と社会通念上同一と認められる商標(以下、「使用商標」という。)を使用した。

この提案書は、賃貸管理システムのレンタル役務提供に関する提案書である。乙第13号証の2「レンタル品目」には、本件の「賃貸管理システムのレンタル」の中にはサーバ、クライアント、ターミナルアダプタが記載されており、同提案に基づき締結されたレンタルサービス契約書(乙第14号証)の別紙契約明細表中のレンタル物件には、HUB、モデムもレンタル品目として記載されている。これらは、一体としてコンピュータ通信を行うための機器であって、コンピュータを使用した通信機器に該当し、これらをレンタルすることは「通信機器の貸与」に該当するから、同提案書が「通信機器の貸与」の役務の為に作成・提出されたものであることは明らかであり、それには使用商標が使用されている。

この提案書は平成15年8月7日にストラテジィにより見積書兼用のものとして作成され、同年8月7日に取引先の有限会社プロパティーマネージメントに提出した(乙第15号証)。

乙第16号証は、取引先の有限会社プロパティーマネージメントの神戸仁がこの提案書を受領したことを示す宣誓書であり、これにより、「取引書類の頒布」が行われたことを証明する。

平成15年9月1日にストラテジィは有限会社プロパティーマネージメントと賃貸管理システムのレンタルに関するレンタルサービス契約を締結した(乙第14号証)。

(3)上記のとおり、被請求人は、本件商標をその通常使用権者に賃貸管理システムのレンタルに使用させた。そして、その業務は、「電話機、ファクシミリ、その他の通信機器の貸与」に該当し、使用商標を見積書を兼ねた提案書に記載したから、取引書類に付して使用したといえる。

よって、これは商標法第2条第3項第7号の「役務に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して頒布した行為」に該当する。

被請求人が本件商標を本件指定役務に関する取引書類に付して頒布した行為が行われた時期は、前記提案書に記載されている日付けから、平成15年8月7日である。

(6)以上のとおり、本件商標は、その商標権の通常使用権者と認められる者によって、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定役務中「電話機、ファクシミリその他の通信機器の貸与」について使用されていたものである。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る役務について、商標登録を取り消すことができない。

第4 当審の判断

被請求人は、乙第13号証(枝番号を含む)及び乙第14号証を示し、「『賃貸管理システムのレンタル』の中には『サーバ、クライアント、ターミナルアダプタ』が記載されており、乙第13号証に基づき締結された、レンタルサービス契約書(乙第14号証)の別紙契約明細表中のレンタル物件には、HUB、モデムもレンタル品目として記載されている。これらは、一体としてコンピュータ通信を行うための機器であって、コンピュータを使用した通信機器に該当し、それらをレンタルすることは『通信機器の貸与』に該当する。」旨主張している。

しかしながら、「賃貸管理システムレンタルのご案内(乙第13号証の2)」の「レンタル品目」の商品は「ハードウェア、ソフトウェア」と表示され、これらは、一般にコンピュータ関連機器のことを指す商品といえる(「現代用語の基礎知識2004版のハードウェアの項『コンピュータシステムを構成する有形の装置、機器の総称』、ソフトウェアの項『コンピュータのプログラム及びプログラム技術』」参照)。

そして、このレンタルサービス契約書に記載の契約内容は、ストラテジィの提案する提案書の内容に基づく契約であって、提案書の提案の範囲を超える契約を締結することはないといえるから、契約明細表(乙第14号証)中の「1.レンタル物件」中の「HUB、モデムを含めたPC(サーバ)、プリンタ」等の商品についても、上記の「賃貸管理システムレンタルに基づくご案内」に表示された商品の範囲内の商品であって、いずれもコンピュータ関連機器といわざるをえないものである。

そうとすると、被請求人のいう「商品の貸与」の役務は、「電子計算機の貸与、ソフトウェアの提供」等の「コンピュータ関連機器の貸与」といえるものであって、本件商標の指定役務、第38類「電子計算機端末による通信,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」の範疇の役務ということは直ちにいい得ない。

したがって、乙第13号証及び乙第14号証からは、被請求人が本件商標をその指定役務について使用していたということができない。また、その他の乙各号証を検討してみても、

(1)乙第10号証及び乙第11号証は、被請求人の子会社ストラテジィの設立及び同社の事業が「コンピューター及び関連機器の販売及び貸与等」であることを示しているにすぎない。

(2)乙第12号証は、被請求人会社の取締役会決議に基づき、本件商標の使用について規定したものにすぎない。

(3)乙第15号証は、ストラテジィの担当者が取引先の担当者に対して、前記乙第13号証に基づく取引書類の作成提出したことを宣誓しているにすぎない。

(4)乙第16号証は、取引先の担当者がストラテジィの担当者から、前記乙第13号証に基づく取引書類を受領したことを宣誓しているにすぎない。

(5)前記以外の乙号証は、履歴事項全部証明書、会社分割概要書等であって、本件商標をその指定役務について使用していたという証拠として採用することができない。

そして、被請求人は、本件商標をその指定役務に使用していることについて、前記乙第1号証ないし乙第16号証以外には何等立証していない。

してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人または本件商標の商標権の通常使用権者と認められる者によって、本件商標の指定役務に本件商標を使用していたことについて、具体的に立証したということはできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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