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Trademark Appeal Case

「ミドラー」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−234(T2002−234/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ミドラー」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成12年12月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『下着と上着の中間に着る服、中間着』を意味する語として一般に用いられている『ミドラー』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用したときは、上記意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質、用途を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。なお、『ミドラー』の文字が『中間着』を表す語として、例えば『アウターにも着用できる中間着(ミドラー)』(「繊研新聞」2001.3.5付)のように、一般に使用されている例がある。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「ミドラー」の文字を横書きしてなるところ、例えば、研究社新英和大辞典(株式会社研究社1998年第5版34刷発行)の「middler」の項によれば、「MIDDLE+〜ER(三年制神学校の)2年生、(私立学校の)中等科に相当する課程に属する生徒」と記載されており、また、最新スポーツ大辞典(国書刊行会1985年発行)の「middler/ミドラー」の項によれば、「middle+〜er(陸上)中距離走者」と記載されている。これらの記載に照らしてみれば、「ミドラー」の語は、「真ん中の、中間の」等を意味する英語として広く知られている「middle」の語と人または物を示す名詞接尾辞「er」とを結合させた「middler」の片仮名表記と容易に理解し得るものであり、これら各語の語義と用法からみれば、「中間的な位置付けにある人あるいは物」を表すものであって、表現する対象によって、その表現する対象に相応した意味合いを理解・認識し得るものということができる。

そして、被服に関する業界においては、「ミドラー」の語は「下着と上着の中間に着る服、中間着」を意味する語として一般に用いられており、このことは、原査定において開示した2001年3月5日付繊研新聞の記事ばかりでなく、例えば、以下の新聞記事及びインターネットのホームページ情報によっても首肯し得るものである。

(a)1999年5月27日付繊研新聞「ゴルフウエア99年春夏売れ筋と秋冬の期待商品」

ここ数年、ゴルフウエアのコーディネートはポロシャツとベストの同柄・同色の組み合わせが主流で、消費者も飽き始めている。インナーが変われば、組み合わせるミドラーやアウターも変わる。そのためハイネックシャツを強化するブランドでは、ベストの素材・デザイン変化も重視して「相乗効果」をねらっている。

(b)2000年5月20日付繊研新聞「連載 再生なるかスキーウエア市場」

ゴールドウインの「エレッセ」メンズも「マグ」ラインでアースカラーとオレンジを中心色に据えたストリート感覚のウエアを販売。薄手の二枚のジャケットを重ね着する「デュアルジャケット」を充実させる。ジャケット二万五千〜二万九千円(ミドラージャケットは一万千円)、・・・。

(c)2002年2月13日付繊研新聞「デサント ジュニア秋冬物はプレッピールックで、ディテールに凝る」

今シーズンはインナー、ミドラー、アウターの色をコーディネートを意識して付けた。素材はインナーが基本の天じくに、ベロアなどのボーダーで表現。ミドラーは裏毛ジャージーで機能性を付与し、アウターはソフトな風合いの薄起毛や、ハイテクイメージのハニカムリップを街着に応用した。

(d)http://www.nishikiroyal.com/wear/middler.html

アウトドア・カントリー錦ロイヤルのホームページ

「ミドラー(中間着)」こちらではセーターやシャツなどをご案内しています。アウトドアらしさを一番表現するミドラーを選んで気分はアウトドアライフ。もちろん町中でも着ていただけるものばかりですので、カジュアルライフでの着こなしにもばっちりです。

(e)http://www.sikoku-basecamp.co.jp/work/ippin/11k/yume1122.htm

商品「ドライクライムシェルパジャケット」アメリカのアウトドアブランド「マーモット」のアウター兼ミドラージャケットです。

(f)http://www.atago-corp.co.jp/atgannai2.htm

株式会社アタゴのホームページ(会社沿革)

昭和60年代 インナーからミドラー及びアウターまで、トータルニットファッションメーカーとして拡大成長。

(g)http://www.assh.ne.jp/backnumber/special/vol15/sp04.html

「より快適にアクティブにウィンタースポーツを楽しむために」

ウインタースポーツをする人たちにぜひ心掛けてもらいたいのはレイヤリング(重ね着)です。いくら機能性の優れたウエアであっても1枚着ただけでは効果が半減します。専用のインナー、ミドラー、アウターには、それぞれに機能的な素材が使われている。それらの効果を最大限に発揮させるには、どう組み合わせてレイヤリングするかが大切なのだ。アウターには防水・透湿性と耐久性のあるゴアテックスなどの素材を使ったウエアを。ミドラーには保温性・透湿性のあるフリースやウール、ダウンなど。

(2)上記した実情よりすると、「ミドラー」の語は、被服に関する業界においては、「中間着」を意味する語として、「下着」を表すインナーや「外着」を表すアウターの語とともに、一般的に使用されているものということができる。

そうとすれば、「ミドラー」の文字からなる本願商標は、その指定商品との関係においては、「下着と上着の中間に着る服、中間着」を容易に理解・認識させるものであるから、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。

この点について、請求人は、「ミドラー」の語は「ミドル(MIDDLE)」をもじった造語であって、「中間着」という観念は生ぜず、査定において開示された2001年3月5日付「繊研新聞」に掲載される以前から、2000年1月6日付「繊維新聞」にて既に使用されている旨報ぜられており、これは、出願人である有限会社オフィス・クムビア代表者寺岡たみ子こと芸名バーバラ寺岡が宣伝販売をしたものであって、そのことにより、それ以降、業界の一部において使用されているものである旨主張している。

しかしながら、「ミドラー」の英語表記である「middler」の語は、英和辞典を始め各種文献にも記載されている語であって、造語ということはできない。確かに、英和辞典には、被服関係の用語として「中間着」の訳語は見当たらないとしても、インナーやアウターの語が広く使用されている実情及び「middler」の語義からみれば、これを被服について使用した場合においては、容易に「下着と上着の中間に着る服、中間着」の意味合いを理解・認識し得るものというべきである。

そして、2000年1月6日付「繊維新聞」には、請求人に関する記述のあることは認められるにしても、上記したとおり、それ以前の1999年5月27日付の繊研新聞には、既に「ミドラー」の語が使用されていた事実があり、その後、本件審決時までにおいて、「ミドラー」の語は、新聞やインターネットのホームページ等において、広く使用されている事実が認められるから、この点についての請求人の主張は採用できない。

(3)してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものといわなければならない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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