結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成4年審判第6625号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
1.本件商標
本件登録第2350108号商標(以下「本件商標」という。)は、「ギフトセゾン」の片仮名文字を横書きしてなり、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和63年12月22日登録出願、平成3年11月29日に設定登録されたものである。
2.引用登録商標
請求人の引用した登録第768847号商標(以下「引用A商標」という。)は、「せぞーん」の平仮名文字を横書きしてなり、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和41年12月21日登録出願、同43年1月27日に設定登録されものである。
同じく、登録第1393375号商標(以下「引用B商標」という。)は、「SAISON」の欧文字と「セゾーン」の片仮名文字を上下2段に書してなり、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和49年6月18日登録出願、同54年9月28日に設定登録されたものである。
同じく、登録第1422349号商標(以下「引用C商標」という。)は、「SAISON」欧文字を横書きしてなり、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和49年6月25日登録出願、同55年6月27日に設定登録されたものである。
同じく、登録第1814755号商標(以下「引用D商標」という。)は、別紙(1)に示した構成よりなり、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和58年5月6日登録出願、同60年10月31日に設定登録されたものである。
3.請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号について
請求人を中心とする「セゾングループ」は、通常「セゾン」と略称され、その略称のもとに広汎な営業活動をしている。例えば、株式会社セゾンダイレクトマーケティング(以下「セゾンダイレクトマーケティング」という。)は、「セゾン」及び「SAISON」の営業表示のもとに通信販売を行っている。
したがって、本件商標は他人の著名な略称を含むものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
本件商標中の「ギフト」は「贈り物」の意を有する英語「GIFT」の片仮名表記であり、「セゾン」は「季節」の意を有する仏語「SAISON」の片仮名表記である。そして、その構成中の「ギフト」は、商品「カタログ」については、「その商品カタログは贈り物用品が掲載されたものであること」の意味合いを認識させるものであって、自他商品の識別機能が具備されていない。したがって、本件商標は、「セゾン」に要部があり、これより「セゾン」(季節、グループ名称の略称)の称呼、観念が生ずる。
一方、引用D商標は、その構成文字より、「セゾン」(季節、グループ名称の略称)の称呼、観念が生ずるものである。
してみると、本件商標と引用D商標は、称呼、観念において類似する。
また、「セゾン」は、前記したとおり、請求人を中心とする「セゾングループ」として著名であるから、本件商標を付した印刷物を見た取引者、需要者は、あたかもセゾングループの発行した印刷物であるかの如く認識する。
したがって、本件商標は他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されている商標と類似する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標中の「セゾン」は、請求人及びそのグループが広汎に行っている広報活動の印刷物に記載された標章と同一または類似であるから、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。例えば、セゾングループの一員であるセゾンダイレクトマーケティングが昭和61年10月から発行している「快適生活大研究[セゾン]暮らしのオンラインカタログ」は、発行当時42万5000部であり、平成3年5月には111万3000部発行し、日本全国に配布されている。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号及び同第15号の規定に該当するから、同法第46条第1項第1号により無効とされるべきである。
4.被請求人の主張
被請求人は、「本件商標の登録無効の請求は却下する、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、英語の「GIFT」を語源とした「ギフト」と仏語の「SAISON」を語源とした「セゾン」の2語を合体し、片仮名で「ギフトセゾン」と表示するものであり、適正な法の手続より登録されたものである。
また、請求人の提出した証拠は、本件商標の出願時点において、引用商標が請求人等を示す略称として著名であったと立証するものではない。
さらに、「セゾン」「SAISON」という仏語を営業表示として使用している第三者は多数存在するところから、「セゾン」「SAISON」が請求人の広報活動によって周知となったのではなく、仏語の一般名称として誰でもが知っている独創性のない表示であることを示している。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
請求人は、本件商標より「セゾン」の文字を抽出しているが、本件商標は、上記したように2語を一連不可分に書してなるものであり、「ギフトセゾン」と一気に称呼されるものである。また、引用商標は、取引者、需要者には仏語の一般名詞として認識されるのに対して、本件商標は、全体として「季節の贈り物」なる観念を持つ商標として認識される。したがって、本件商標と引用商標とは称呼、観念及び外観上類似しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
請求人は、「セゾン」を営業表示として盛大に使用しており、例えば、セゾンダイレクトマーケティングが「セゾン」「SAISON」の営業表示のもとに通信販売を行っていると主張するが、セゾンダイレクトマーケティングのカタログは、「快適生活大研究」が名称であり、「SEIBU」「西武」「西武ダイレクト」が発行主体として営業表示され
ているものであるから、「セゾン」「SAISON」は営業表示とはいえない。また、新聞報道においても、自称する場合を除いて、「セゾン」の表示は使用されていないから、「セゾン」が請求人やそのグループの著名な略称となり得ていない。
(4)以上のように、本件商標と引用各商標は、類似しないものであり、また、「セゾン」は請求人等の独自の著名な略称でもなく、需要者間に広く認識されている商標でもないから、本件商標が無効とされる理由はない。
5.当審の判断
(1)請求人を中心とする「セゾングループ」が多数発行する「セゾンカード」には、別紙(2)に示した標章が大きく記載されているのをはじめとして、同グループの営業表示等に「チケットセゾン」、「シネセゾン」などのように他の語と「セゾン」とを結合した語が使用され、かつ、同グループの広範な事業活動により、セゾン等標章は、本件商標の登録出願時である昭和63年12月22日までには、印刷物一般の取引者、需要者の間で同グループの営業に関連するものとして、広く認識されていたものと認められる。
(2)本件商標は、前記に示した構成よりなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって同一の大きさ、同一の間隔で書されているものであるとしても、その構成中の「ギフト」の文字部分は、「贈り物」を意味する英語として一般世人によく知られているものであり、また、「セゾン」の文字部分は、上記(1)の認定事実よりすると、請求人を中心とする「セゾングループ」の営業表示として、印刷物一般の取引者、需要者の間で広く認識されている標章と同一のものであるから、本件商標は「ギフト」と「セゾン」の2語よりなるものと認識されるものであり、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「セゾン」の文字部分に注意関心を惹かれ、該商品があたかもセゾン等標章を使用する請求人グループの構成会社の業務に係る商品であるかのように連想して商品の出所を誤認するおそれがあるものといわざるを得ず、本件商標は、その出願の時に請求人グループの業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあったものといわなければならない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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