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Trademark Appeal Case

スモールビジネス市場の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−4732(T2001−4732/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「スモールビジネス市場」の文字を標準文字で表してなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債券の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債券・動産・土地若しくはその定著物または地上権若しくは土地の賃借権の信託の引き受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行」を指定役務として、平成11年10月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『スモールビジネス市場』の文字を書してなるところ、その構成中『スモールビジネス』の文字は『小規模企業』を指称する語として一般に使用されている語であり、全体として『小規模企業における市場』程の意味合いを極めて容易に認識させるものであるから、これを本願の指定役務に使用しても、単に『小規模企業における市場を対象にした役務』であるという役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「スモールビジネス市場」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中前半部の、「スモールビジネス」の片仮名文字(語)は、「小企業,中小企業」(「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」株式会社三省堂発行)を意味する外来語として、後半部の「市場」の漢字(語)は、「売手と買手とが特定の商品を規則的に取引する場所」(「広辞苑 第五版」(「しじょう」の項。)株式会社岩波書店発行)を意味するものとして一般に使用されているものであって、全体として「中小企業を対象とした取引の場」の如き意味合いを認識、理解させるものである。

ところで、本願の指定役務を取り扱う業界においては、対象とする市場に応じて様々な特性を有する多種多様の役務が提供されていることは周知の事実であるところ、中小企業向けの役務についても、低金利、無担保を特徴とする「資金の貸付け」等、中小企業特有のニーズを反映した様々な役務が提供されている実情がある。

そして、このような役務が提供される際において、「スモールビジネス」及び「市場」の文字(語)が、役務の内容を表すものとして一般に使用されていることが、例えば、次のような新聞記事及びインターネットのホームページの記述においても認められる。

(A)「銀行、小口ローン市場に相次ぎ参入。新たな収益源に」の見出しのもと、「銀行が消費者や個人事業主、零細企業など向けの小口ローン市場へ参入するケースが増えている。...【事業ローン】...銀行にとって...中小企業向けのビジネスを強化することは重要な戦略...4月にスタートするアイフルと住友信託銀行のスモールビジネス向けローンの合弁事業がそれだ。...」(日刊工業新聞 2001年3月14日)との記述、

(B)「スモールビジネス戦略を聞く(上)あさひ銀行専務・梁瀬行雄氏『中小重視の方針不変』」の見出しのもと、「大企業の銀行離れが進むなかで、各金融機関が中小企業向け融資の拡大に動き出している。この市場は相対的に貸出金利が高く、高収益が見込まれるものの、メガバンクの攻勢で今後、激しい争奪戦が繰り広げられるのは必至だ。...」(日刊工業新聞 2000年7月25日)との記述、

(C)「キャッシングオールナビ」のホームページにおいて、「キャッシング用語集」の項目中、「ローン【商工ローン】」の見出しのもと、「事業者向け貸金業者による、中小規模事業者、自営業者を対象に不動産などの物的担保を取らずに小口・短期で融資する商品。...『スモールビジネスローン』などの商品名に変更している貸金業者が多い。」(http://www.cashing-navi.jp/loan.html)との記述、

(D)「infoseek」のホームページにおいて、「マネー」の項目中、「ローン」の項目内のコラム「潮流観測」「第12回 民間主導の活性化なるか、中小企業向け無担保融資」の見出しのもと、「成果あげる大手各行のスモールビジネス向けローン」として、「...みずほ銀行は年商10億円未満のスモールビジネス層を対象に、『みずほビジネス金融センター』を代理店形式の別会社として設立。...」(http://www.eloan.co.jp/infoseek/tidewatching/0409a/index.jsp)との記述がある。

以上のように、「スモールビジネス」及び「市場」の文字(語)は、本願の指定役務を取り扱う業界において、前記意味をもって普通に用いられているものであるから、これらの語を結合して一連に表した本願商標は、これをその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者が、「中小企業を対象とした取引きの場」であること、すなわち、その役務が「中小企業を対象とした役務」であることを記述的に表したものであると認識、理解するにとどまるというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用するときは、単に役務の質を表示したにすぎないものであり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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