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Trademark Appeal Case

著名商標の要部類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第313号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ポロアンドクリケット」及び「POLO&CRIKET」の各文字を二段に横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘」を指定商品として、平成6年3月3日に商標登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原審において、登録異議の申立があった結果、原査定は、「本願商標は、その構成中に、アメリカ合衆国ニューヨーク州在の『ザ ポロ ローレン カンパニー リミッテッド パートナーシップ』が商品『紳士服,ネクタイ,眼鏡』等に使用して本願の出願時には既に著名となっている商標『POLO』『ポロ』と同一の文字をその構成中に有するところ、本願商標が全体として常に一体不可分のものと把握認識しなければならない事情もなく、トータルファッションが流行している昨今においては、その指定商品に使用した場合、これが恰も上記会社或いはこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.当審における職権証拠調べ通知

当審において、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章に関して行った職権による証拠調べにより、以下の事実を発見したので、その旨を請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

(1)株式会社講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング 昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、かばんなどのデザインをはじめ、紳士物全般に拡大し、1971年には婦人服の分野にも進出した。1970年と1973年には、アメリカのファッション界では最も権威のある「コティ賞」を受賞し、1974年に、映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

ラルフ・ローレンのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「POLO」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合わせた標章(以下「ポロ標章」という。)が使用され、これらは単に「ポロ」と略称されて紹介されていた。

(2)株式会社洋品界 昭和55年4月15日発行「月刊『アパレルファッション店』別冊、1980年版『海外ファッション・ブランド総覧』」、株式会社アパレルファッション 昭和57年1月10日発行「月刊アパレルファッション2月号別冊 海外ファッション・ブランド総覧」の「ポロ/POLO」の項、及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から「Polo」の文字よりなる標章をはじめ、「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合わせた標章などの使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、販売をしたことが認められる。

(3)前出「男の一流品大図鑑」、「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」をはじめ、株式会社講談社 昭和55年1月20日発行「男の一流品大図鑑’81」、同社 昭和55年11月15日発行「世界の一流品大図鑑’80年版」、同社 昭和56年6月20日発行「世界の一流品大図鑑’81年版」、株式会社チャネラー 昭和53年9月20日発行「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑’80年版」等によれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品について、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題のもとに紹介されていることが認めらる。

(4)ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章を模倣した、偽物ブランド商品が市場に出回っている事実も少なくない。

例えば、1989年5月19日付朝日新聞には、「昨年二月ごろから、米国の『ザ・ローレン・カンパニー』社の・・・『Polo』の商標と、乗馬の人がポロ競技をしているマークをつけたポロシャツを・・・売っていた疑い。」なる記事が掲載された。また、1992年9月23日付読売新聞(東京版)、1993年10月13日付読売新聞(大阪版)、1999年9月9日付日本経済新聞等にも同様の記事が掲載された。

(5)「Polo」標章に関し、判決においても「我が国において、遅くとも本件商標の登録出願がされた昭和59年までには、既に引用標章(Polo)がラルフ・ローレンのデザインに係る被服等及び眼鏡製品を表す標章であるとの認識が広く需要者及び取引関係者の間に確立していたものということができる。」旨認定している(東京高等裁判所 平成2年(行ケ)第183号〔商標Polo Club〕平成3年7月11日判決言渡)。そのほか、東京高等裁判所 平成11年(行ケ)第250号、同第251号、同第252号、同第267号、同第290号(以上平成11年12月16日判決言渡)、平成11年(行ケ)第268号、同第289号(以上平成11年12月21日判決言渡)、平成12年(行ケ)第5号(平成12年9月28日判決言渡)等々、ラルフ・ローレンの「POLO」ないし「Polo」標章の著名性を認定した一連の判決が存在する。

(6)上記(1)ないし(5)で認定した事実を総合すれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章は、我が国において、単に「Polo」、「ポロ」と略称され、その略称は、本願商標の登録出願前には、既に我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものであり、その認識の度合いは現在においても継続しているものと認めることができる。

(7)また、前記のとおり、周知著名な商標である「Polo」、「POLO」等が使用されている「被服」等と本願商標の指定商品とは、ともにファッション関連商品であるから、密接な関係にある商品といえるものである。

なお、参考までに本件と関連する審決として、以下の事例が挙げられる。

本件審判請求人(出願人)は、本願商標と同一の構成態様からなる商標を第14類の商品を指定商品として登録出願(商願平6−20184)したところ、商標法第4条第1項第15号により拒絶査定がなされた。

そして、上記拒絶査定に対し、審判請求(平成11年審判第312号)を行ったが、平成14年4月1日付けで上記条項に基づいて拒絶審決がなされ、同審決は確定している。

2.請求人の意見

上記証拠調べ通知に対し、請求人は、指定された期間内に何ら意見を述べるところがない。

3.ポロ標章の著名性について

前記1.の職権証拠調べ通知において示したとおり、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等に使用されるポロ標章は、わが国において、単に「Polo」、「ポロ」と略称され、本願商標の出願前には、既に取引者、需要者間に広く認識されていたものであり、その認識の程度は現在においても継続しているものと認め得るものである。

4.商品の出所の混同のおそれについて

本願商標は、「ポロアンドクリケット」及び「POLO&CRIKET」の各文字を二段に横書きしてなるところ、その外観上、語又は句等を並列に連綴するための略記「&」を介した二個の英単語と、それらから生ずる読みを表す片仮名から成るものであって、ポロ標章の略称と同一の「ポロ」「POLO」の語と、「クリケット」「CRIKET」の語とを組み合わせた結合商標と認識されるものである。

そして、本願商標は、全体として常に一体不可分の既成の概念を示すものとは認められないし、前記外観及び称呼が極めて短いものともいえない商標であることから、簡易迅速を重んずる商取引の実際においては、その一部分だけによって簡略し称呼される場合もあるものと判断するのが相当である。

一方、前記認定のポロ標章も、「POLO」「Polo」「ポロ」と略称されているものである。

また、本願の指定商品は、「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘」であり、これらの商品は、トータルファッションが流行している昨今においては、ポロ標章が需要者に広く認識され著名となっている商品群と同様にファッション関連商品ということができるものである。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記ポロ標章の周知著名性の程度の高さや,本願商標とポロ標章とにおける商品の類似性並びに取引者及び需要者の共通性から、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「ポロ」及び「POLO」の文字に注目し、前記ポロ標章を連想し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

5.以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同条項により本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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